表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死んでもいいから生きている。  作者: 猟虎戀太郎
33/33

 昔、小説が読めなかった。


 理解も納得も共感も感動も、何も思えなかった。

 ほんの数ページを読んで、あとは内容すら頭に入ってこなかった。

 ファンタジー小説の主人公は困難に立ち向かう。

 日常を生きる主人公は何かに悩まされて生きている。

 それで、いつも、思ってしまう。


 死ねばいいのに。


 死は救いで、全ての問題に対して有効で、無条件に取れる手段だから。

 問題や困難の解決にはならなくても、死んだ後ではどうでもいい話。


 最短で死に結びつけてしまうのが、どうしても頭から抜けなかった。

 死んでもいいから生きている僕の感性は、物語の中にまで入ってきていた。


 悩み苦しみ続ける気が知れなくて、だから、本を閉じた。


 もう長い間、文字という文字を読んだ記憶がない。

 死ねばいいのに、そう思っているのは今も変わらない。

 死ねば救われると、今でも思っている。

 

 それでも、ある日。


 生きなければならないとしたら。


 苦しくても悩んでいても、理屈も効率も度外視して。


 死んではいけない理由がなくても、生きなければならないとしたら。


 何がなんでも、生きるなら。

 



 今なら、小説が読める気がした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ