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死んでもいいから生きている。  作者: 猟虎戀太郎
31/33

彼女

「夏休みの予定発表ターイム」


 と、梅田。


「あたし部活」


 朝日が答える。


「同じく」


 また梅田が言って、


「内田は?」


 朝日が聞いてくるので、


「デート」


 と答えた。


「判決を言い渡す。死刑」


「異義なし」


 異義あり。


「元気になったと思ったら急に色気付きやがってよー」


「毎日あの子と帰ってるから部活ない日もいないし」


 柳川さんとただ仲直りしたと思っている梅田はぶーぶー文句を、少しだけ事の顛末を知っている朝日は、しかしぶーぶー文句を言ってくる。


「梅田と二人きりにされるこっちの身になってほしいよ」


「んだと、それはオレの台詞だっての」


「今度また、四人で遊びに行こうよ」


「なるほど、内田は彼女持ちを自慢したいと」


「ウッチーは彼女を見せつけて惚気たいと」


 二人の声が揃う。


「純度百パーセントの善意のつもりだったんだけど。じゃあ二人で出かけたら?」


 梅田と朝日が顔を見合わせる。嫌そうに歪んだ。


「……そういえばあたし、駅前に出来た新しいカフェ行きたいんだよねー。それ付き合ってくれるんだったら一緒に遊んであげなくもないけど」


「絶対並ぶじゃんか。別に甘いもん好きじゃないしやだっての」


「あたしのこと好きならちっとは誠意見せなさいよ。自分が嫌だからって断ってたら絶対に彼女なんか作れないよーだ」


「おまっ、バカ! ウッチーいるとこでそれは反則だろ」


「そのことなら知ってるからお構いなく」


「はぁあ!? 何バラしてんだよ朝日!」


「仕方ないじゃん必要だったんだもん!」


「もんじゃねぇよ可愛い子ぶりやがって!」


 観覧車の話に助けられたところもあるし、フォローしておこう。


「それより前から薄々気づいてたとこもあったけどね」


「…………マジーに?」


「マジーに」


 あれだけ観覧車で気不味そうにしてたら流石に気づく。


「まさか、一回フラれただけで諦めたわけ?」


「んなわけあるか。これはだな、急がば回れ的なサムシングで……」


「策士とか脳筋の梅田には似合わないんですけど」


「じゃあどうしろってんだよ」


「それはもちろん、ね?」


 朝日、にっこり。


「ああああもうわかったよ! カフェでも何でも一緒に行ってやるよ!」


 がしゃがしゃと髪を掻いて、梅田は吠えた。

 告白して以来、なんだか梅田が小さくなったように見える。


「それじゃあ、僕は帰るけど」


「彼女さんのとこに?」


「もう同棲してるんだ。お熱いねー」


 本当に仲が良い。


「彼女いるって事実は偽る気はないし、それで揶揄いたいってのはよくわかったけど」


 僕が笑うと、途端、二人の顔が引き攣った。


「僕も、イラつくことはあるからね?」

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