ぽこざくらが見頃ですね。
皆様こんにちは。
春ですね。
寒さがぐっと緩んで、それを祝うみたいにソメイヨシノが薄いピンクの花をばあっと咲かせて。
私はこの季節が本当に好きです。
ああ、もう桜が咲いちゃった。早く見に行かないとすぐに散っちゃう、とそわそわします。
でも桜が咲いた途端に大雨が降ったり強い風が吹いたりするの、あれ何なんでしょうね。
ほっといたってすぐに散るんだから、そっとしておいてよ、と思うのは今も昔も同じで、そんな有名な短歌があった気もいたしますが思い出せません。
自然界にはきっと、桜をさっさと散らせてしまいたい一派がいるのでしょうね。
そうそう、桜と言えば、ぽこざくらも可愛いですよね。
ぽこざくらって、ある樹とない樹がありますけど、二つも三つもぽこぽことある樹を見付けると、得した気になりませんか。私だけですかね。
私くらいになりますと、もう枝の桜よりもぽこざくらにばっかり目が行っちゃって。
え?
ぽこざくらって何だって?
あ、ぽこざくらをご存じではない。
そうでした。
皆さま、ご存じなくても仕方ないですよね。
私が勝手にそう呼んでいるだけですので。
ぽこざくらが何かと言いますと、桜の樹の、枝ではなくて幹から、ぽこりと咲いている花があるじゃないですか。
幹の真ん中あたりに、ぽこりと桜のブーケみたいにまん丸く咲いてるやつ。
あれが、ぽこざくらです。
ええ、もちろん私の造語でございます。
桜の樹を見るたびに、
「あ、あの桜の樹、ぽこざくらが咲いてるよ」
なんて口に出すと、「ぽこざくら」という語感が何だか可愛くて、春のあったかい空気がもっとやわらかくなる(当社比)という、私の中では春の定番の風物詩的な何かでございます。
皆さまも、幹にぽこりと咲いているブーケみたいな桜の花を見ましたならば、ぜひ「ぽこざくら」と口に出してみてください。
そのまぬけな響きとともに、冬の終わりと春の訪れを感じられると思います。
ちなみに、こんなニッチなところに目を付けたのは自分だけだろうふふふ、と悦に入っておりましたが、もちろんそんなことはなく、ぽこざくらには昔から
「胴吹き」
という正しい呼び名がございます。
ぽこざくらこと胴吹きは、老木に出やすいということですので、これが多い桜はおじいちゃんおばあちゃんということになるのでしょうか。
咲いたと思ったら散ってしまうのが桜の花ですので、どうぞぽこざくら探しはお早めに。