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その三

どうして俺がこんな目にあわないといけないんだ……。あんまりだ……。

それもこれも、


「マッドとギルマスが悪いな。よし、手始めに俺に関する資料を全て燃やして……」

「テロを起こすなら私が全力で止めるわよ」

「ぜんいんほろぼしておれはうまれかわる」


もうそれしか道はない。

計画をたてて、協力者も募らなければ……!

そして、罪を全部あいつらに被せれば万事解決だ。手始めにマッドとギルマスに恨みを持つ連中を……。


「ていっ!」


ごきゅっ!


「痛!」

「正気に戻ったかしら?」


気づけばアイシアは、腰に携えていた短刀を右手に持っていた。柄で、俺の頭を殴ったらしい。


「はい、ご迷惑をおかけしました……」

「分かってればよろしい」


危なかった。アイシアが、俺をこっちに戻してくれなかったら、本気で王都の行政部を襲撃しに行っているところだった。


「まったく……」

「いや、でもお前もこんなよく分からん名前つけられてみろよ」


多分『いい感じの枝』って呼び方の方が定着するんだぞ。


「私なら、速攻で名前を変えさせるわね」

「変えれんの?」

「ちょーと、派手めに行政部あたりで暴れたらいけるでしょ」


流石、暴力の化身。ちょーぶっそうだった。


「そういや、これどこに向かってるんだ?」

「さあ?」


さあ?っておい。


「なんか、さっきから見られてる気がするのよ」

「え?」

「なんとなく、立ち止まると危なそうな気がするから、人気の無いところに行った方が良さそうなのよね」


えーと、それは襲撃されるということですかね。治安悪すぎない?ここ、サハイテじゃないよ?


「十中八九あなたのせいとおもうんだけど」

「それは、流石に風評被害が過ぎるんじゃねえかな。つーか、つけられてるなら最初から言えよ」

「んー、でもあなたは気づいてなかったでしょ?」


それはそうだ。今も、特に気配は感じていない。だが、アイシアが「見られている」と言うなら、そうなのだ。

ただ、俺がそいつらの気配を感じられていないと言うことは。


「そいつらとの距離が遠すぎる?」

「あるいは、私の勘違いね」


どうやら、アイシアも確信は持てていないらしい。うーん、俺としては勘違いを推したいのだが。

あー、もうめんどくせえ。


「立ち止まってみるか?」

「そうね。そろそろ誰にも迷惑かけなさそうだし」

「賭けでもするか?」

「いいわね。勝った方が負けた方を好き勝手にできるということで」


うーん、アイシアはもっと自分のことを大事にした方がいいと思うぞ。

いや、別に勝っても大したことはしないけど。

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