表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
110/146

探索任務 その一

リハビリがてらぼちぼちいきます

今日も今日とて魔獣日和である。


「いい加減にしてくれ…………」


何回目になるかわからないため息を吐きつつ、いっちょ前に俺を包囲して飛びかかろうとしてきた、チクロオオアリをまとめてぶち抜いた。


『gigigigigigi!』

「やかましい、俺ははやく帰りたいんだよ!」


全体的に平べったい大顎を持っていた個体どもに代わって、今度は鋭い大顎を持つ連中が俺に対して威嚇してくる。


「ああもう!」


別にこいつらの危険度は高いわけでもなく、相手取るのにてこずることもない。

ただ、危険度が低いからといって人間にとって脅威ではないということにはならない。こいつらの面倒な部分は、巣を作るときに地面を勝手に掘り進めやがるので、土砂崩れとかを引き起こしやがるのだ。そのため、こいつらを発見したときは駆除が推奨される。

つまり、俺は今、絶賛残業中であり。


「こちとら、2日寝てないんだぞ……!」


さっさと風呂に入って最近ゆえあって新調した寝具にダイブしたい!

はやく女王出てこいよこら!




いやー、女王個体は強敵でしたね。先人達が、『頑張って作ったから薬を使えまじで』と何度も念押ししていた理由がよく分かるね。本当に最後の一匹までが女王の盾になろうとしてくるし。今後は薬を常備しとこうと思いました。


他の魔獣ならば、この死骸もある程度は片付けなければならないのだが(義務ではないけど、ほっとくと大変なことになる)、こいつらの掃除に関しては他のギルドの所管になる。巣とかは、下手に残すと事故の原因になりうるが、その一方で別の方法での利用手段もあるらしく、その判断が素人になつかないからだ。

ということで、駆除の証明として女王個体の顎を剥ぎ取るにとどめて。


「俺は帰るぞー!」


叫んでたら、馬車の御者に変な目でみられた。


端的に言って、今の俺は臭い。体液とか色々浴びたし、何よりも汗をかいているからだ。

だから、数日ぶりの会館に到着してすぐさま共同浴場に向かおうとしたのだが。


「帰ってきた!」

「すぐにギルマスに連絡!」


なんかすげえざわついた。いやまあ、会館がうるさいのは割りといつものことなんだけど、明らかに俺の顔を見て職員達が慌ただしく動き始めた。

とんでもなく嫌な予感がしたので、入口に背を向けて家に帰ろうとする。

が。


「待っていましたケイト君…………!」


例のごとく血走った目のギルマスに、ぬるりと肩を捕まれる。


「俺は待ってないから、さよな

「アイシアさんが、末帰還なので、速攻で探しに行ってください、研究所からシノアさん、カイさんのペアを借りる許可は下りてます」


なにやっとんだよ、アイシアのやつ。俺の休息日を奪うのかよ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ