幕間③ 『暗躍する者たち』
とある場所。そこには、アンズがただ1人目的地へと足を進めていた。
ーーーーコツ、コツ、コツ
アンズは、目的地である場所『びっくりランド』に到着した。そこは、廃墟と化したもう使われていない遊園地だった。
ーーーーコツ、コツ、コツ
アンズはその壊れた大きな観覧車へと足を進め止めた。目の前には、フクロウが立っていた。
「時間通りね。」
「君みたいな美人さんに話があるなんて言われたら来るしかないでしょ♪」
フクロウはアンズを見てそう言った。アンズは事前にフクロウとはコンタクトを取っていた。
「で?俺になんの用なの♪」
「あら、分かってるくせに。」
「連れないねぇ♪」
フクロウはアンズをからかった。
「貴方の目的。それとシキミや周りの仲間たちについて教えなさい。」
「タダでは教えられない♪これは取引だ♪」
取引。フクロウはそう言うと条件を突き出してきた。
「俺はシキミと戦い。そのために魔人化計画の日まで大人しくしていて欲しいんだ♪それから、カズユキ君とレン君。2人を生かしといてくれ。」
フクロウは自分勝手な条件をアンズへとたたきつけた。もちろんアンズは断る。かと思った。
「ええ。その条件飲むわ。さ、情報を提供しなさい。」
「ホントに飲むのかな。」
「嘘はつかない。」
「ダメだね♪ちゃんと能力を使って証明しなよ♪」
フクロウはそういうと、アンズは顔をしかめた。
「いいのかしら。ここで貴方を殺すことは造作もないわよ。」
アンズがそういうが、フクロウはそんなこと君にはできないと言わんばかりに戦闘態勢すら取らなかった。
「はぁ。わかったわ。」
そういうと、アンズは自身の掌からコインを出した。
「これが君の能力?♪」
「えぇ。『約束の魔人』それが私よ。」
約束の魔人。
自身や対象者に向け約束事を取り付けることでコインを生み出すことが可能。もし約束を破ればそのコインは消滅し、破った対象者は死ぬこととなる。
「へぇ♪じゃ、俺も言うよ。」
「あぁ。嘘ついたら貴方も死ぬからね。そのコインを手にした時点で。」
また、対象者にコインを触れさせることによって、こちら側の問いに嘘偽りを言った時点で命を落とすこととなる。もちろん約束を取り付けることも可能だ。
「あらそ♪俺の目的は最初に言った通りシキミを殺すこと。そして、カズユキやレンと戦うこと。面白い遊び道具と戦うことさ。」
「なるほどね。シキミとその周りの者たちを教えて。」
「そう焦らないでくれよ♪まず、シキミの能力は対象者に触れることでその能力を手に入れることが出来る。無論対象者は能力を使えなくするという事だね♪そして、周りの仲間については、治癒の魔人。彼女は戦闘能力は無いが対象者へキスすることで強化したり治療したりと便利な能力を持ってる。他の仲間についてはまだ知らない。治癒の魔人は俺が作ったからね。ことかまかな事は話せるよ♪」
「いや、大丈夫よ。また条件を後付けされても困るからね。」
「そっか♪俺はまだ話したいんだけどね♪」
「遠慮しとくわ。」
そういい、アンズはその場を立ち去った。フクロウの目的、シキミについて、治癒の魔人について。それが知れればとりあえずいいと。アンズはそう思った。
(俺は君とも戦いたいんだけどね♪)
フクロウはコインをポケットへとしまい、その場から飛び去った。
アンズは、魔人化計画の日を待つ。そう決めた。シキミたちへの対策を込みですでに種は蒔いていた。
魔人討伐隊を修行させ強化。1人の仲間の死で感化された戦闘部隊。仕込みはほぼ完了していた。全ては魔人化計画を完遂させない手立てを作り出すために。
幕間③ 『暗躍する者たち』(完)
こんにちは、狐野柄です!
これにて『異端の魔人』第二章完結となります!
ご愛読ありがとうございました!
今回にて、新たなキャラクターの解禁。
そして、主要キャラクターの死をきっかけに動き出す人達。暗躍するフクロウとアンズ。
まだまだ分からないことだらけだと思いますが、
今後に繋がるようになります。
次回は『魔人闘技場』の話ということで、
視点はカズユキやキサメがメインとなっていきます。
二人がどんな成長を遂げるのか、他の人々はどのように強くなるのかその行先を見届けてください。
皆様。第三章、しばしお待ちに…
楽しみにしていて下さい!!
感想なども随時受け付けておりますので、
時間の許す限りよければ、書き込んでくれると嬉しいです。
まだまだ至らない点がたくさんあると思いますが、
どうぞ、第三章以降も宜しくお願い致します。