生まれ変わり
トーマス達は、美味しい野菜料理を堪能してした後
軽くお酒を飲みながら今でも話しをしていた。
「この願い石なんですが…」
「おっ!今日のメインイベントだね!待ってましたよ。」
ハンターの顔が少し硬くなったので、コートは笑いながら言った。
「大丈夫だよ。他に秘密を漏らしたくてもここには誰も来ないから!ばあさん3人だけなんだよ?心配するんじゃないよ。」
「は、はい。」
トーマスが話し始めた。
「王都の下町で若い女性を狙った物取りがありまして。その犯人の証言でこの石が出てきました。依頼主は若い女性にこの石を見せて、石が光ったら捕まえろ。というのが依頼だったそうです。」
コートは真剣に話を聞いていた。
「犯人は依頼主が誰なのかは知りません。ただ、石が光ったらすぐ分かるとの事だそうです。」
一緒に聞いているファッジやエミネールも興味しんしんで聞いている。
「おそらく、その石にはある特定の人物を見つける願が込められているんだろうね。」
コートが口を開いた。
「光ったら分かるというのは、探している人物が見つかって石が光ったらその依頼主達も分かるという事だろう。」
ファッジはポンと手を叩いた。
「そういえば、昔同じような話しを聞いた事があるわ!」
「どんな話しですか?」
「ある村に大昔から代々守られて来た願い石があって。その石には、ある人物の生まれ変わりを見つけるという伝説があるとか。」
「それは、意味深ですね。」
「確か…王都から馬で2日ばかり行った所にある村だったとような気がするわね。」
「馬で2日…」
トーマスは自分の頭の中にある、この国の地図を思い返していた。
「その村には、大きな洞穴があって。そこに願い石を祀ってあるって。」
「そのある人物というのは、何なんでしょうか。」
「そこまでは分からないわぁ、ごめんなさい。」
「いえ!とても参考になりました!」
トーマスが頭を下げた。
ハンターが口を開く。
「例えば、この石が探している願いを読み取るとかは可能なんでしょうか?」
コートは顎に手を当てて考えていた。
「うーん…私たちは魔法使いだからね…願いを取り出して見る事は出来ないんだよ。」
「そうですか。」
すると、エミネールが言った。
「じゃあ、私たちがその生まれ変わりを探したらいいんじゃない?そしたら、依頼主も現れるでしょう?」
コートがエミネールを見る。
「あんた、たまにはいい事言うね!」
「たまにはって何ですか!もう!」
トーマスはなるほどと考えた。
「若い女性が集まる場所でこの石を見せればよいのか。」
「あまりおおっぴらには出来ませんしね。」
ハンターも頭を抱えている。
「あ!」
トーマスが何か閃いたようだった。
「ユリアのカフェがオープンしたら、若い女性が沢山来るな…」
「あら!そうだねぇ!ユリアちゃんのカフェなら若い女性に人気だから。」
コートも頷いた。
「そこで、その石をお客に見せれば…もしかしたら…見つかるかもしれないな!」
「私たちもオープンの日はお手伝いに行くつもりでいたから。人数も沢山いた方が何かと安心だからね。」
「はい!ありがとうございます。明日、早速ユリアに話してみます!」
人探しにピッタリな場所が見つかり、トーマスは久しぶりにやる気に満ちていた。




