↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
35/127

白い石

その日、朝からトーマスの部屋にハンターがやって来た。


「副総長殿!失礼いたします。例の件、少し進展がありました。」


「そうか、入ってくれ。」


ソファに座るように指示して、トーマスもハンターの向かいに腰掛けた。


「捕まっているリーダー格の者の証言では、かなり身分の高い者からの依頼だったという事です。」


「そうか、直接は会っていないのだな。」


「はい。連絡役はいつも依頼主の使いの者だったという事です。そして、毎回使いの者は違う人間だったと。」


「なるほど、顔を覚えさせない為に違う人間を寄越していたのかもしれないな。」


「依頼内容は、街で若い女を捕まえろ。だそうです。」


「………それはまた随分と大まかな依頼だな。」


「はい。しかし、その男が持っていたコレがカギでございます。」


ハンターは懐から1つの石を出した。


掌にすっぽり収まるくらいの白い石だった。


「これは?」


「依頼内容で、若い女にこの石を見せろ。と。もし、石が光ったら女を捕まえろ。違えば、金銭を奪って物取りの犯行にしろ。と。」


「この石が光ったら…光ったら何なんだ。」


「そこまでは聞いていないそうです。」


「それで、石が光った場合の連絡方法は?」


「それが…知らされていないんだそうです。石が光ったら分かるからと。」


「偽りを言っているかもしれんな。」


「私もそこ辺は鋭く観察しましたが、嘘を言っているとは思えませんでした。」


「そうか…」


「申し訳ありません。」


「いや、助かった。ご苦労だったな。」


「いいえ!とんでもありません!」


「この石は私が預かろう。家に白の魔法使いがいるからな、見てもらうよ。」


「そうですね!ユリア様なら何かご存知かも!」


「また、何かわかったら相談する。」


「はい!では、私はこれで!失礼いたします。」


トーマスはその石を白い布に包み、懐にしまった。


その日、帰宅したトーマスはユリアに石を見せた。


「この石なんだが、どうかな。」


「うーん、そうですね…。私が白の魔法使いの訓練の時にコートおばあちゃんが石を使った事はありましたけど…その時の石とは少し雰囲気が違います。」


「何かここから感じとる事は出来ないかな。」


ユリアは、石に手を当ててみた。


「石から変なオーラは出ていませんね。でも…」


「でも?」


「何かが封じ込まれている感じがします。」


「封じ込まれている?」


「よくはわからないですけど、奥の方に微かに人の念が感じられます。」


「人の念…」


「でも、ごめんなさい。私にはこれくらいしか分からないです。」


「そうか…いや、でも助かった。」


「トーマス様、コートおばあちゃんに聞いてみては?おばあちゃんならきっと何かもっと詳しく分かると思います。」


「そうだな…明日王宮から薬草農園に行ってくるよ。」


「ええ、そうしてください。私も行きたいけど、カフェの方の事があってご一緒出来なくてごめんなさい。」


「いいんだよ。今回の事は騎士団の事だから。」


トーマスは次の日、ハンターと共に薬草農園に向かう事にした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。