夜のバルコニー
明けましておめでとうございます!
本年もよろしくお願いします♡
本年1回目の更新です。
どうぞよろしくよろしくお願いします!
ハンプトンはポケットから懐中時計を取り出した。
「これはその人との思い出の品なんだ。彼女がこの地にいる時に、僕にプレゼントしてくれたものなんだよ。」
ハンプトンは大切そうにその懐中時計を撫でながら話す。
「僕に残ったのは思い出とこの懐中時計だけさ。」
ユリアはハンプトンの悲しそうな瞳を見て言葉が出なかった。
ハンプトンはひとつ息を吐くとパッと明るい顔になった。
「まぁ、昔の話さ。君たち2人は想いを遂げて一緒になれたんだから!幸せになってくれたまえ。」
ハンプトンがそう言うと同時に、ジョセフが入ってきた。
「旦那様、失礼いたします。王宮から急ぎの使者が参りました。」
「そうか。わかった。」
ハンプトンはソファを立つとトーマスとユリアに向かって言った。
「すまないね、ちょっと行って来るよ。それじゃあ、おやすみ。」
「おやすみなさいませ。」
ユリアはハンプトンにお辞儀をした。
その夜、寝室のベッドの上でユリアが話し出した。
「トーマス様。」
「なんだい?」
「ハンプトン様は、まだ昔の恋人の事を忘れられないのでしょうか。」
「うーん…そうだね。」
「私もそう思います。だって、あの懐中時計を今でも持ち続けているんですもの。それに、とても悲しそうな目をされていました。」
「そうだな。でも、これ以上は私達が立ち入ってはいけないと思う。」
「そうですね。」
夜中、トーマスは目が覚めた。
なかなか寝付けず、少し風に当たろうと思いバルコニーに出た。
人の気配に気づきバルコニーの端を見ると、そこにはハンプトンが椅子に座っていた。
「トーマス君か。寝付けないのかい?」
「ハンプトン様。」
「どうだい、少し呑まないか?」
ハンプトンはグラスにウィスキーを注いでトーマスに差し出した。
「では、少しだけいただきます。」
ハンプトンは満足そうにグラスを渡した。
しばらく沈黙が続いたが、ハンプトンが話し始めた。
「今日話した昔の恋人の事だがね。」
「それは、私が聞いても差し支えないのでしょうか?」
「まぁ、そうだな。君だから話すとでも言っておこうか。」
「はい。では、お聞きします。」
「ありがとう、トーマス君。…実は、少し気になることがあるんだ。」
「気になる事?」
「ああ、彼女は王宮の人間だったと話しただろう?彼女は魔法使いだったんだ。」
「王宮魔法使いですか?」
「そう。」
「名前は、ユリス。とても優秀な魔法使いだった。」
「その優秀な魔法使いの方がどうして急に王宮を去ったんでしょうか。」
「分からない。でも、何か事情があったはずだ。僕は、その後何年も彼女を探したよ。しかし、誰も知らなかった…。」
「知らなかったというのは、変ですね。王宮魔法使いを引退した者の居る場所は、だいたい王宮が把握しているはずですが。」
「そうなんだ。だから、知らなかったのではないと僕は思っている。知らなかったんじゃない、言わなかったんだと。」
トーマスは少し驚いた顔でハンプトンを見た。
「あの頃、僕は後継者争いの真っ只中にいた。もしかしたら、それが原因で彼女は去ったのではないかと思っている。まぁ、そう思い始めたのはここ1年くらいだがね。」
「何かその方に関する事で、新しい情報があったんですか?」
「ああ、まぁそんな所だ。」
「それはどんな情報だったのかお聞きしても?」
ハンプトンは目を瞑り考えている。
しばらく黙っていたが、ハンプトンは目を開けトーマスをしっかり見た。
明日、明後日と多忙になりますので
次回は週明けになるかと思いますので
よろしくお願いします。




