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俺が魔法少女でいいんスか?  作者: バビタナさん。
4/10

4話『少し頭冷やそうか』

「で、そのアベルシオはどこにいるんだ?」

『……近くにいれば僕が気配を感じることが出来るんだが……多分この辺にはいないな……』


とりあえず家の周り周辺歩いてみる。だが……


「……本当にお前の姿は見えてないんだよな?」


やけに周りの人から視線を感じる気がする……


『当然だ。そして周りが見てるのは僕でなく、コースケだ。』

「は?なんで?」

『そりゃぁ、独りでブツブツ喋ってたら可笑しいだろ?』

「ウッ……!?」


そうか…!!見えてないからこそ、独りで喋ってるように見えるのか…!!いや、でも待て、見えてても謎生物と喋る変な奴だよな……?


「ど、どうすればいいんだ?」

『とりあえずケータイで喋ってるように見せればいいんじゃないのか?』

「お前天才」


俺はスマホを耳に当てながら喋ることにした。


☆☆☆

『この辺でも無いな……』

「……本当にいるのか……?」

『間違いない!絶対にいる!!』

「そうは言ってもなぁ……」


現在地は住宅街の真ん中にある小さな公園。

かなり歩いたがいる気配が無い。

札幌とはいえ、端までくればやはり田舎だ。というか東京に比べると中心部くらいしか都会らしいところはないが。


『おかしい……他の魔法少女が倒したのか…?だが、この辺に他に魔法少女は……』


ブツブツ呟くペル。その顔は真剣そのものだ。

その時、


『!?コースケ!!後ろだ!!』


突如、背後の何もなかった空間から、3mはある、二足歩行の生物が現れた。


「なっ…!?」


その姿はまさに悪魔。そして昨日のやつと同じく禍々しい雰囲気を醸し出している。なるほど。裏の世界に隠れていたからペルが気づかなかったのか。


『避けろ!!コースケ!!』


アベルシオが大きく横薙ぎに拳を振るう。


「くっ…そがァ!!」


なんとか間一髪で避ける。運動神経はいい方とはいえ、こんなバケモノと戦えるほどの戦闘力なんて持ってない。


「おい!ペル!ステッキ!!」

『あ、あぁ!!』


俺はペルからステッキを受け取り、あの恥ずかしい呪文を唱える。


「行くぞバケモノ!!『煌めけ心よ!!輝け愛よ!!マジカルガール、メイクアァァァッップ!!』」

『あ、バカ!ここで唱えるな!!』


即座に変身完了。やはりフリフリのドレスだ。リボンが可愛らしい。っと、そうじゃねぇ。俺は慌てて周りを見渡す。


「あ、危ねぇ!!そうか、今いるのは表か!!ペル!裏にはどうやって行けばいい!?」

『昨日の感覚を思い出して頭の中でスイッチを切り替えろ!!』


頭のスイッチ……表から裏へ……

俺が頭の中でそう念じると、昨日と同じあの気持ち悪い感覚が襲ってきた。


「ついて来いよバケモノ!徹底的に潰してやらァ!」


そして世界が裏返る。


目を開けると、目の前にはあのバケモノが立っていた。


「よし……誘導成功!行くぜ!!」


俺は地を蹴り、アベルシオに向かって走る。

今気づいたが、この魔法少女姿になると、全体的に力が増してる気がする。普段の俺ならこんなに早く走れないだろう。


「っと……余計な事考えてる余裕はねぇか……」


アベルシオも向かってくる俺に対し、拳を構える。

よし、昨日みたいに殴ればいいんだな?


『グォォォォ!!!』


アベルシオが雄叫びをあげながら拳を振るう。

しかし、


「おせぇよ!!」


俺はその拳を軽々と避け、そのこめかみにステッキを叩き込んだ。

手に凄まじい衝撃が返る。


「グッ……ど、どうだ!!」

『……………?』


しかし、アベルシオには全く効いてない様子だった。


「嘘だろ……?」

『パワーだけじゃダメだ!!魔法を使え!!』

「ま、魔法つったって、昨日唱えられなかっただろ!?」

『裏の世界に来る時に頭の中でスイッチ切り替えただろ!それと同じ要領だ!具体的にイメージを浮かべて、一言そのイメージを強化するような単語を唱えろ!』

「わ、わかった!!」


いや何もわかってないけど。とりあえずやってみよう。このままではラチがあかなさそうだ。

浮かべろ……威力は……そうだな、なんでも貫けるようなのがいい。光のビームだ。……よし。

たしかイメージを強化するような単語を言えばいいんだよな!!

俺は再びアベルシオに近づき、ステッキを向ける。


「喰らいやがれ!!『メガ☆粒子砲ォォォォォォ!!!』」

『なんかおかしくないか!?』


ビィィィィィィン!!


杖の先からバカでかいビームが出る。

後ろでペルがなんか言ってるが関係ない。

ビームはアベルシオの上半身に直撃、そして背後の建物すらも貫いた。

そして、ビームが消えた後、アベルシオの下半身以外、そこには何も残っていなかった。


「………」

『………』

「…………家とか壊しちゃったけど大丈夫なんだよな?」

『……あ、あぁ。ここは裏の世界だから、表の世界に戻れば元通りだ………っていうか』


ペルは俺が撃ったビームの跡を見て言う。


『これは……魔法少女が使う技じゃないぞ……』


い、いや、でも、某魔法少女は人間相手にこんなの撃ってたよね?ね?


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