FRAGMENT8/10
VISIONARY FRAGMENT
女の子は嘆く。独り公園の落ち葉の中で嘆く。女の子の嘆きは夜に染み込み、さらに色を黒くする。深くする。
女の子は仰向き、夜空へ目を向ける。レンズ越しに、世界をとらえる。
独りの虚しさ、寂しさに、世界は滲み出す。溢れた嘆きに世界が揺れ出す。
――何故、いないの? いくら求めればいいの? なんで……傍に、いないの……。
震える身体を丸め、辺りの枯れ葉を潰し、枯れない潤いを流し続ける。満ちすぎて、止める術がなくなった勢いに任せて。
――ゴメンね。心配かけた。
懐かしい声がする。懐かしい声に、女の子は起き上がり、とらえる。両手を伸ばす。
FRAGMENT RETURN TO ONCE
身体を支える男の子に、女の子の涙は流れ続ける。
――何処へ行っていたの?
――自分に会って来たんだ。
頭を抱く男の子の手が離れる。地に置かれ、二人を支える。
――会って、どうだったの?
女の子の問いには答えを。
――何もなかった。
――じゃあ、意味はなかったの?
夜空を見上げ、そこにいる自分を追う。自分が、笑う。
――意味は、あったよ。
――どんな意味があったの?
女の子は顔を上げ、男の子は見る。男の子も女の子を見、答える。
――僕みたいな存在でも、傍にいれば喜んでくれる人がいると解った。
男の子は呟く。世界を見上げて呟く。自分が笑っている。
ガーゴイルの笑みが堕ちてくる。




