(バイロン編) いままでのあらすじと登場人物
色々ありまして(インフルエンザ的なもの)書くのが遅れました。
来週から本格的に始めたいと思います。
6章はバイロン中心でベアーとルナはお休みです。
よろしくお願いします。
バイロン:
本作もう一人の主人公。レイドル侯爵のもとから逃げた後、コルレオーネ一座に身を置き、女優としての日々を過ごしていたが、現在はダリスの最高権力者、一ノ妃のメイドとして仕えている。ベアーとは初等学校でのクラスメイト。
レイドル侯爵:
バイロンとその母を経済的に支援してきた人物。その顔には幾重にも包帯が巻かれ素顔を覗くことはできないが、貴族の間では『ダリスの銀狼』として恐れられている。
マーベリック:
レイドル侯爵の執事、バイロンとレイドル侯爵のパイプ役を担っている。一見するとイケメンだが、時折見せる目つきの中には殺意が垣間見える。
一ノ妃:
ダリスの最高権力者。深い思慮と未来を見通す眼力を持つ。高齢だがいまだその睨みは衰えず、高級貴族たちも一目を置かざるを得ない存在。
二ノ妃:
隣国、トネリアから嫁いできた皇女。娘が病死したことで権力の座からは追われている。
三ノ妃:
マルスの母、下級貴族からの成り上がりとして貴族の中では陰口を言う人間も少なくない。帝位につく子供を産んだことで傲慢になっている。
マルス:
魔法少女大好きの少年。小太りで鈍重、学力も低く、将来の帝としては芳しくないと思われている。絵をかくのが好きだがその腕前はいまひとつ……
三公爵:
帝位につく資格を持つ高級貴族。ボルト家(政治、経済を担う)、ローズ家(軍事、安全保障を担う)、レナード家(文化、教育を担う)がある。
シドニー:
宮中のメイドを取り仕切る総責任者(第4宮まである宮中のメイドを束ねる存在)、眼光鋭い初老の老婆だが、その腹にはなにやら怪しげな企みがある。
メガネ女:
バイロンが第4宮に入るときに研修を担当した三十路の女。陰険で腹黒い。シドニー直属の部下。
リンジー:
宮中で唯一、バイロンが気を許せる同僚。かわいいとは言い難いが性格が良く、笑うと人の良さが出る。特技はマシンガントーク。
アリー:
バイロンの同僚。バイロンに庭師の元彼を取られたと思いこんでいる。
パストール:
トネリア(二ノ妃の出身地)にある豪商。ダリスでの商売を成功させるため二ノ妃に取り入っている。
ライラ:
バイロンの同輩、コルレオーネ一座の看板女優だったがバイロンにお株を奪われた経歴を持つ。現在は引き抜かれ都にある国立歌劇団の研究生として日々を送っている。
あらすじ
初等学校を卒業した後、レイドル侯爵の執事マーベリックに村から連れ出されたバイロンであったが、レイドル侯爵の側女(愛人)にされることを嫌がりその途中で出奔する。
だが15歳の少女が一人で生きていけるほど世の中は甘くなく、生活費と母への仕送りのために借りた金を返せなり結局、娼館に売られてしまう。
最初は娼館での下働きであったが、かさんでいく利子を払うことができなくなりバイロンは借金返済のため『客』を取ることを決意する。そしてその晩、バイロンは初めての客を取る。
だが、ここで神のいたずらが生じる。なんと初めて向かい入れた客が、我らが主人公ベアーだったのである。
客としてあらわれたベアーはバイロンとの『関係』を持つどころか足抜けの金を用意し、なおかつ旅芸人の一座を新たな身を隠す場所として紹介する。
窮地を救われたバイロンはベアーに対して深く感謝して新たな一歩を踏み出すことになる。
さて、新しく入ったコルレオーネ一座で庶務的なことをおこなっていたバイロンであったが、助演女優が引き抜かれたためその代役として急遽、舞台に立つことになる。
今まで経験したことのない舞台の世界に足を踏み入れるバイロンであったが、思った以上に適性のある場所で、その美貌と歌声を武器に力を発揮する。
そして港町ポルカで女優としての華が開いたバイロンは主演としてのポジションを築き、千両役者としての道を突き進む。ポルカの劇場ではコルレオーネ一座の芝居が大当たりし、バイロンの名がポルカ近隣に知れ渡る。
だが、それも長くは続かなかった……タイミングを見計らったかのようにレイドル侯爵の執事マーベリックが再び現れたのである。
マーベリックは一座の弱み(脱税)を握り座長に圧力をかけバイロンを退団させる。そして失意のバイロンに病床の母親の面倒を見ることを条件に諜者として動くように働きかける。母を思ったバイロンはその取引にシブシブ応じ、都に向かう馬車に乗る。
都についたバイロンは早速、宮中のメイドとして働くことになる。慣れない仕事、信用できないメイド達との人間関係、狡猾な執事長シドニー、様々な人間の欲望が渦巻く宮中でバイロンはメイドとしての一歩を踏み出す。
そしてメイドとしての生活に慣れた時、彼女の耳に驚くべきことが知らされる。
なんと帝位を継承するマルス皇子が死んだのである……