【学園・恋・秋】
【学園・恋・秋】
夏休みの間、君や他の子たちと一緒に花火大会に行くはずだったのに、都合の悪かった君だけが一緒に行けなかった。
あの日、「好きです」って、告白するはずだったのに。
二学期が始まって、学校で毎日君に会える。それだけが私の救いだった。席も近くて、頻繁に話もできる。だけど――この想いは、黙っていては伝わらないのに。
残暑もだんだんと薄れ、木々が紅葉しはじめた。校庭のもみじが真っ赤に染まる。胸の中に渦巻く想いは、刻々と増していた。
早く告白して……君の気持ちを知りたい。でも、あせるばかりで、私は一歩が踏み出せない。
それでも秋は深さを増していった。そんな時。
音楽室に忘れ物をしてしまった……。帰宅途中に気付いて、急いで学校へ引き返し、音楽室へ駆け込んだ。
君がぱっと振り返る。お互い驚いた顔で、数秒見つめあった。
「あ、わ、私、忘れ物しちゃって」
「あー、そうなんだ。俺もなんだ」
笑い合って、はっとする。二人きりだ……。意識した途端、急に緊張が込み上げた。自分の席に向かう足が、心なしかたどたどしい気がする。見られてる? どうしよう。顔が燃えるように熱くなった。
一緒に教室を出て、先に歩き出した君の背中を見つめる。今、チャンスだ。ここで伝えたいと思った。伝えなくちゃとあせる気持ちが押し寄せる。伝えなくちゃ、早く引き止めなくちゃ、君が行ってしまう。
「あ、あの!」
振り返った君は驚いた顔をして、「何?」と首を傾げた。締め付けられる胸に、喉から声を絞り出す。
「私、……あなたのことが、ずっとずっと好きでした!」
外は、真っ赤な夕焼けと真っ赤なもみじで、秋の色に染まっていた。
こんな感じです。
書きながら物語を決めていくのでかなりグダグダだったりする…




