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第十六話

「ベル、お前には俺の弟の婚約者となってもらう」

「……は?」


 あ、やっぱり?

 ベル、ずっと見てたもんね。アスランの弟さん。


 なんとなくたけど、ベルはアスランの事が好きで隣にいたいんじゃなくて、家のために隣にいたいと思いこむような感じが今までしてた。

 まぁ、なんとなくだから違うかもしれないけれど。


「よかったじゃーんいつも眺めてたよね」

「そんなことない!私が慕っているのは……」

「はいはい。もうその思い込みやめようねー」

「話を聞いて?!」


 ふふっ。なんだか……微笑ましい。さっきまで敵意を向けられていたとは思えないほどだ。


「もしかして……眺めてた事に気づいてない?無意識?」

「……だったら何よ」

「素直かわいい」

「ありがとう」


 どういたしまして。


「ねぇ、ベル。私のことが憎い?」

「憎い。貴方のせいで私はお母様に何回も殴られた」

「……まってそれ初耳」


 そこから私はベルの今までを聞いた。

 正直、さっきまでこいつどうしようかなとか思ってたけど気が失せた。


「アスラン」

「あぁ、わかっている」

「ちょっと待って、何する気?顔つきが尋常じゃないんだけど」

「私たちの大事な幼馴染みを」

「傷つけ、追い込んだ者に生きる価値などない」


 私の家と、王族なめるなよ。


「あ、でも待ってアスラン。そんなことしたらこれからベルの家系のヤバい噂とかたちそう」

「たしかに……では、公にせず俺が直々に訪問して身の程を弁えさせよう」

「いいね、それ。私も行くわ」

「待って、本当に何をするきなの?」


 そんなもん決まってる。


「あれしに行くに決まっているだろう/でしょ?!」


 ベルを昔から虐げてたなんて……許さないから。


「……あれって言われてもわかんないから」

「あれ……?」

「あれで分かる熟年カップルと一緒にしないで」

「ち、ちがうから!」

「そうだ、カップルではなく夫婦だ」

「君は何を言ってるんだい?アスラン」


 第一、まだ結婚してないからそこはカップルで正解でしょ。


「ここを卒業したらプロポーズする気でいる」

「……サプライズにしてほしかった」

「アスラン最低」

「我、一国の皇太子だぞ?」


 あははははっ。と、みんなで笑い合う。


「なんだか、昔を思い出すな」

「昔よりも私は陰キャになってるけどね」

「そろそろ、その眼鏡やめたら?」

「これは私の命なの」

「そんな前髪命みたいに言われても」


 よーし。じゃあ仲直り成功(?)したところで、


「いっちょベルの家凸りますかぁ!」

「皇太子の婚約者よ発言だとはとても思えない」

「まぁまぁ、細かいことはいいの!」


「あ、でも私の家きてなんかするつもりならルピシアは眼鏡外して、ヘアセットして、ちゃんと着替えていったほうが良いよ」

「え、なんで?」


「かわいいから」

「……何を言っている?」

「凸ってくるの明日?」

「あぁ、そのつもりだ」

「じゃあ、ルピシアのヘアセット私がやっても良い?」

「いや全然いいけど、可愛い発言に質問が……あとライナって呼んで」


 あと、全然可愛くないから。


「いや、まじで可愛いよ?本当に、お世辞なしで。顔だけなら普通に負けてる」

「顔だけじゃなくてもお前の敗北は確定だ」

「ん?喧嘩する?私にはコミュ力がありますー」

「ルピ……ライナのオタク(?)との仲良くなるスピード見たことがあるか?音速だぞ?」

「あれに敵うやつこの世にいないって」


 陰の者同士は過ごしやすいんだよ!

 悪かったな!陰の者で!


「じゃあ、また明日ね」

「本当に来るんだ……なにするかは知らないところが怖いけど、また明日」

「久しぶりに、明日昔の場所に集合しないか?」

「「さんせーい」」

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