時計
ついに使っていた時計が壊れた。
止まったまま、動かない。電池を入れても無駄だった。
長年使っており、愛着のある時計だったのでちょっと寂しい。
でもこれまで本当によく動いてくれたと思う。
ありがとう、という思いをこめて時計をみつめた。
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「遅ーい」
女性が頬を膨らませて男性を睨みつける。
「悪い悪い」
男性が息を切らせながら走って女性の前までやってきた。
「・・・・・・・」
しかし、女性はそんな彼を見ながらこう、つぶやいた。
「ま、いいか。これからは12時を過ぎても会えるんだもん」
「え?」
「なんでもなーい、行きましょ」
「?」
ふたりは並んで歩きだした。
完