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第30話 最速最強

一条TOMA奈緒と申します! Vtuberでもあります。

毎日投稿します!!

ぜひともブックマークお願いします!


今回もお楽しみください♪

GW中「の休日」は大量投稿予定!!

「なんだかいつもとダンジョンの雰囲気が違う気がしますね」


「そうかもしれないね」


 ボクとカナは救助隊として、モンスターが出現しないセーフティゾーンであるここダンジョン地下8階層に居た。基本的に救助隊はセーフティゾーンに待機し、一部の9層以下の階層に進める冒険者が交代して『遊撃隊』となり、傷ついた冒険者を探す形となっている。ボク達も10層ボスを倒した一人前の冒険者であるため、順番が回ってきたら遊撃隊となる。


「お姉様達なら大丈夫だと思いますが……何やら胸騒ぎがしますわ」


「うん。ボクも不安な気持ちだ」


 相手にするのはカラミティ。ボク達も彫刻でしか見たことがないネームド・エネミー。正直、何が起こるかわからない。


「そういえば、セーフティゾーンはなんでモンスターが出ないのでしょうか?」


 カナが不安を紛らわせるように聞いてきた。


「それはたぶん、あれだよ」


 ボクは天井を指さした。


「光る苔?」


「そう。あの苔は魔法を吸い取り光を発する。だから、あの大量の苔によってこの階層の魔力濃度は極端に低くなっているんだ。それによって魔力を吸収して生きているモンスターはこの階層に寄り付かなくなるし、モンスター自体も発生しない」


「なるほどですわ」


 カナが納得したような顔をした。しかし、すぐに引き締まった顔となった。


「ミカさんとオボロさん、着いたようだね」


 ギルド職員が展開する光魔法による映像が、カラミティと相対するミカさん、オボロさんの後ろ姿を映し出した。


 カラミティの姿は、博物館で見た情報からイメージした姿よりも大きく感じた。


 そして不気味なほど白い体躯、恐ろしさを感じさせる真紅の目が、ネームド・エネミーとしての迫力を存分に体現していた。


「頑張って……! お姉様方!」


 祈るようなカナ。それに応えるかのように、ミカさんは力を発揮した。


 カラミティの口から大量の熱線が吐き出され、周囲の岩壁の表面が赤く溶けだした。しかし、ミカさんの【炎帝】というスキルによって生み出される炎は『概念ごと燃やす』。そのため、カラミティの攻撃であっても、ミカさん達に届く前に燃えて消滅した。


「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


 映像を見ていた冒険者達は歓声を上げた。


 ミカさんもオボロさんも、高密度で膨大な魔力が体の周囲を包み込んでいる。


 そして、二人の目の下にあるタトゥーのような炎と氷の印。


 ――『リリィ覚醒』の印。


 その二人の力を象徴とする印が光輝き、ミカさんとオボロさんに力を与えている。


「はああああああああああああああああああ!」


 ミカさんは炎で2個球体を作り、カラミティの近くで浮遊させた。それに合わせてオボロさんが空中に巨大な先端の尖った氷柱を作り出し、槍のように投擲した。その槍はカラミティの足部分に当たったが、ダメージを与えることなく霧散した。


 ――【魔法吸収】だ!


 カラミティが持つ能力で、魔法を無効化するスキルである。そのため、魔法によって生成された氷柱はその力によって無効化されてしまった。しかし、オボロさんの狙いはそこでは無く、カラミティの視線を下に向けることであった。


 ――ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!


 突然、ダンジョン全体を揺るがすほどの大きな音が鳴り響いた。


「え? 爆発?」


 ミカさんがカラミティの頭上に浮かべていた火球の一つを爆発させた。


 これはボクがヘヴィメタルと水を混ぜて見せた爆発という現象。それを【炎帝】のスキルで再現したのか……。


 その爆発の衝撃からダメージを負ったのか、カラミティは後ろに一歩下がり、距離を取った。しかし――。


 ――ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!


 再び大きな爆発音が聞こえた。


 2発目を食らったカラミティの白い鱗の隙間から血が流れ始めた。そして、よろよろと後ろに引き下がった。


 ――やはり、この爆発攻撃が効いている!


 ユメの話から爆発板により、固い外殻を通してカラミティにダメージが入ったことは確認できていた。だから、ミカさんは【炎帝】によって生み出した爆発で、衝撃波をカラミティに当てて攻撃している。……さすが戦闘の天才!


 ミカさんはその様子を見てニヤリとした。そして火球を5個作り出し、宙に浮かべた。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


 映像を見ていた冒険者達は再び歓声を上げた。


 あんな膨大な魔力を使いそうな攻撃を何度も行えるなんて、まさに『最強』。


 ボク達も含め勝利を確信した。


 ――しかし、ボク達は一瞬で絶望することになった。


「ミカさん!」


 カナの悲痛な叫びが耳に入ると同時に、映像に黒い影が一瞬横切った。そして、その黒い影はミカさんを後ろから襲い掛かり、ミカさんの背中を大きな爪で引き裂いた。


 その場で倒れるミカさんを見て血相を変えたオボロさん。しかし、黒い影の動きは速く、すぐにオボロさんの後ろに回り込み、背中に攻撃を与えた。


 ――静まり返る8階セーフティーゾーン。


「うわああああああああああああああああああああああああああああああ!」


 目の前で『最強』が倒されたことにより混乱する冒険者達。


 まずい……万事休すか……。


 ボクはカナを見ようとしたとき、カナは同時に前へ歩みを進めていた。


 そして冒険者達の前に立ち、叫んだ。


「狼狽えるな!」


 カナの大きく、凛とした声はセーフティゾーン内に響き渡った。そして、その覇気ある声に気圧された冒険者達は大人しくなった。


「私達の『最速最強』は倒れない! そして我々もだ!」


 いつもの敬語口調ではない、ミカさんが皆を鼓舞する時に使う口調。


 カナはミカさんのようなカリスマ性を発揮し、この場に居る冒険者達をまとめだした。


 そんな、カナの姿に応えるかのように、ミカさん、オボロさんは再び動き出した。


 そして、ミカさんの周囲をピンク色の魔力が包み込んだ。


 ――推し魔法だ!


 ボクはミカさんとオボロさんがダンジョンに潜る前に推し魔法をかけた。そして、ミカさんが推し魔法によって【炎帝】のスキルをパワーアップした際に発現したスキル技がある。

 

 

 ――【炎帝 スキル技:復活の炎】

 「傷を負っている」という概念を燃焼することにより、身体を回復させる。

 

 

 ミカさんは自分自身とオボロさんを炎で包んだ。そして、まるで一度もダメージを受けなかったかのように堂々と、凛と立ち上がった。


 ――二人の目の下の『リリィ覚醒』の刻印が輝きを放った。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


 まさに最強。


 絶望した皆の心を一瞬で希望に変えた。


 再びカラミティが周囲の岩壁を熱で溶かしながら熱線を吐いた。しかし、ミカさんによって燃焼され、無効化された。


 その二人の『最速最強』の戦いぶりに、冒険者達は魅入られた。


ついに第一部最終章に突入!

ここから大きく話が動いていきます。

連休中はこの作品で楽しんでいただけたらと思います!!


ブックマーク、いいね、★お願いします!!

あと、とこちょすき

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