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第25話 因縁の敵バーサク・ゴリラ戦 全編

一条TOMA奈緒と申します! Vtuberでもあります。

毎日投稿します!!

ぜひともブックマークお願いします!


今回もお楽しみください♪

GW中「の休日」は大量投稿予定!!

「ポルカ、貴女の言った通りですわね。大規模遠征が始まった後ならダンジョン内のモンスターの数が減る、と。その通りでしたわ」


「そうだね。大規模遠征隊がモンスターを倒してくれるから、必然的にモンスターの数が少なくなる。だから、今がダンジョン攻略のチャンス!」


 ボクとカナは次々とモンスターを倒していった。地面にはスライムやゴブリンの亡骸が転がっていた。


 ――ここはダンジョン地下9層。


 もう、低ランクエリアでコウモリばかり倒していたボク達では無い。


「さて、カナ。これで最後だね。残るはゴブリン1体とスライム1体。推し魔法は使わなくても大丈夫?」


「ええ。まだ握力強化だけで大丈夫だわ」


「了解! ボクはスライムを相手にするよ。カナはゴブリンをお願い」


「わかったわ!」


 ボクは目の前のスライムを見た。だいたいキャベツくらいの大きさの、プルプルとした液体の塊の生物。


 ――こういう相手にうってつけのアイテムを、ボクは持っている。


「くらえ!」


 ボクはスライムに向かって、水で濡らした石鹸を投げた。


 スライムは水と油で出来た生物。体内の魔力核周辺の器官は油でできており、その周囲を水で覆っている。これは全て魔力核から発せられる魔力で体内の油も表面の水も制御されている。


 ――しかし、石鹸は水と油を融合させる。


 石鹸が人の皮脂や油汚れを落とすことができるのは、水と油を混ぜることができるという性質によるものだ。水洗いする時に油が水と混ざるようになれば、水で洗い流すことができるようになる。そうでないと、油は水とまざらないため、いくら水で洗い流そうとしてもなかなか洗い流せない。


 この、水と油を混ぜる性質を持った石鹸がスライムの身体の中に入ってしまえばどうなるか。答えは明白で、スライムの体内で油と水がぐちゃぐちゃに混ざってしまう。


「よし、倒した」


 身体がぐちゃぐちゃになったスライムは身体を維持することができなくなり、魔力核のみを残して溶けてしまった。


 一方、カナは棍棒を持ったゴブリンと剣術で戦っていた。カナは握力強化により、剣を持つ力も強化される。そのため、カナの武器は2本の刀となった。


 初めてボクとダンジョンに潜った時にボクはカナに刀を渡したが、それから刀という武器に愛着を持ったらしい。そして握力強化により刀を片手で扱えることが分かってから両手に刀を一本ずつ持って戦うようになった。


「ふっ! はぁ!」


 カナはゴブリンが振り下ろしてくる棍棒を左手で持つ刀で受け止めた。そして、右手に持つ刀でゴブリンに斬りかかった。

 

 

 ――【握力強化 スキル技:ハードスラッシュ】

 強化された握力により、相手に剣(刀)撃により重い一撃を与える。

 

 

 カナのスキル技を直接食らったゴブリンの胴体は真っ二つに切り裂かれ、そのまま絶命した。


「ねえねえ、ポルカ! 見ていましたか? 私はこれからこの刀技を『二刀流』と呼ぶことにしますわ」

「……よかったね」


 キラキラした目ではしゃぐカナ。


「それにしても、スライムもかわいそうですね。このアイテム一つで簡単にやられてしまうなんて」


「スライムにとっては毒物にあたるのかもしれないね。ボク達だって蛇に?まれれば毒によって命を落としてしまうけど、その仕組みは血が固まることなんだ。中には逆に血が固まらず傷口から血が流れ続けるものもあるけれど」


「そうなんですね……でも、逆にその毒を研究して、モンスターごとに効く毒を作ればダンジョン攻略も行いやすくなるかもしれませんね」


「……だんだんボクに似てきちゃった? 以前のカナならそんな怖いこと言わなかったような……」


「それはお互い様ですわ」


 カナは不敵な笑みを浮かべた。


「ポルカだって大胆な行動を取るようになりましたわ。私の『考えるよりも先に身体が動いてしまう』部分が似てきたと思いますわ」


「……そうかもしれない」


 ボク達は笑いあった。この、お互いがお互いに影響を与え合っているという感覚は悪くない。お互いに成長し合う関係というのはとても良いことだ。


「それにしても、その装いとても似合っておりますわ」

「ああ。この装備に関しては、本当にありがとう」


 今日からボクの装備は変わった、これまで実家のアイテム屋から頂戴した色もサイズも形も不揃いな装備をつけていたが、今ボクは、ボクのためだけに作られた専用の装備を着用している。


「はぁ……ポルカ、カッコいいですわぁ……。あの日、ベッドで押し倒されたあの夜からずっとこの服装のアイデアは浮かんでおりましたの。この燕尾服風の装備。白いシャツにビシッとキマッた黒いジャケットの組み合わせ……ポルカのスラリとした足に合うパンツ……男装姿のポルカ尊すぎますわぁ……」


「ちょっと! ダンジョンの中なんだから気を抜かないでよ」


 このボク専用の装備はカナが仕立ててくれたのだ。ボクがたまたま入手したSS級素材ゴシック・メタルを利用したもので、カナの鎧を作った職人の手によって、この燕尾服の形をした戦闘服が作られたのだ。


 ゴシック・メタルは、細く伸ばすことができるという特徴を持っており、糸の細さと同じくらい細くできる。そのため、ゴシック・メタルの糸を織ることで布状にすることができる。こうして、ゴシック・メタルの強度を実現した燕尾服が完成したのである。


 とても固い材質でできた布であるため、防御力がとても高い。これから挑む10層ボスのバーサク・ゴリラの拳も受け止められる性能を持つ。


 まさに、SS級装備をボクは身に纏っていることになる。


「さて、そろそろ行きますか」

「うん。行こうか」


 ボク達は9層の残りの道を進み、ボス部屋の扉の前に立った。


ついに第一部最終章に突入!

ここから大きく話が動いていきます。

連休中はこの作品で楽しんでいただけたらと思います!!

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