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第16話 最強モンスター ネームド・エネミー

一条TOMA奈緒と申します! Vtuberでもあります。

毎日投稿します!!

ぜひともブックマークお願いします!


今回もお楽しみください♪

GW中は大量投稿予定!!

「へぇ……博物館って初めて来た」


 ボク達が生活している屋敷を2階に縮小したような建物だ。ボク達は建物内に入り、受付をした。しかし、ギルドカードを受付で提示すれば、お金を払わずに済んだ。


「え? 入場料とか要らないの?」


「ここはレガリア王国が運営している博物館。冒険者であれば無料で入れますわ。この博物館の情報を使ってダンジョン攻略の参考にしてほしいという国の計らいですわ」


「なるほどね」


 ざっと建物内を見て回ると、カナがボクをここに連れてきた理由が分かってきた。


 ダンジョンの各階層の情報やこれまでのダンジョンで発生した事件についての情報が展示されていた。


 ――ネームド・エネミーの情報についても。


 事前に情報を集め、入念に準備をするボクのダンジョン攻略スタイルに、この場所は最適であるように思った。


「こんなに素晴らしい場所があったなんて知らなかったな……豪華な建物だし、利用しているのも貴族が通う学校や貴族の家族集団ばかりだから、ボクみたいな庶民の冒険者は入ることができないと思っていたよ。……盲点だった。ありがとう」


「喜んで頂けて嬉しいですわ」


 カナは、いつもの『完璧な』笑顔を見せた。しかし、もうボクの心はざわつくことは無かった。


「そういえばずっと気になっていたんだけど、なんで王家はダンジョンを独占しないんだろう?」


「……と言いますと?」


「そもそも、ボク達がダンジョン攻略を目指す理由だよ」


 ボク達はダンジョン攻略を、様々な理由で行っている。ダンジョンで採取できる素材、アイテムを売って日々の生活費を稼ぐ者や、モンスターを倒し、討伐成功報酬を得て生活費を稼ぐ者もいる。


 ――そして、ダンジョン最下層踏破を目指す冒険者も居る。


「冒険者は皆、ダンジョン最下層攻略を夢見るだろう? ダンジョンにまつわる伝説を聞き、皆憧れるはずだ」


「それは、レガリア王国建国の伝説ですか?」


「うん。そうだよ」


 レガリア王国は今年で、建国して2025年になる。


 元々、この周辺の地域はダンジョンの入り口である大穴を中心にモンスターが蔓延っており、人が住める場所では無かったらしい。そこに冒険者集団が現れてモンスターたちを一掃し、さらに最下層までのダンジョン攻略を成し遂げてしまった。


 ――そこから、レガリア王国の歴史は始まった。


「ダンジョン最下層には、国を興せるほどの『大いなる力』が眠っていたんだよね?」


「そうですわね。私達が冒険者となる際に行う【スキル授与の儀】で使用する杖が、その一つらしいですわね」


「え? それは初めて知ったよ」


「ほら、ここの説明文。私は子供の頃ここに来た時に知りました。印象的で、ずっと記憶に残っていたんですの」


 ボクはカナが指さす展示コーナーを見た。


「そうか……ある意味、この宝具のせいでボク達は無能の烙印を押されたのか」


 ボクは怒りがふつふつと湧いてきた。そして、そんな宝具を超えるアイテムでも作って、ダンジョンに打ち勝ってやろうとも思った。


「でもさ、ダンジョン最深部まで攻略すると、こういう宝具が手に入ったり、他にも何か凄い力を得ることができるんでしょ? それなら他の冒険者が最深部に到達してしまったら、レガリア王国を打倒してしまうほどの力を得てしまうことにもならないかな?」


「かつて同じことを考えて、レガリア王家でダンジョンを独占しようとした王様が居ましたわ。そうしてできたのがここ――『モンスターズ・セメタリー』」


 ボクは建物の窓から裏庭を見た。そこには、かつての『大災害』で亡くなった人々の慰霊碑やモンスターの彫刻が設置されていた。


「『モンスターズ・セメタリー』……特に名前まで気にしていなかったけど、もしかしてレガリア王家がダンジョンを独占したことで、ダンジョン管理が追い付かなくなってしまったということ?」


「そういうことですわ。ダンジョン内で出現するモンスターを討伐するためには、大量の資源や人員が必要となります。王家に使える騎士や兵士達だけではモンスターを十分狩ることができず、どんどんモンスターは強くなっていきました」


「モンスターはダンジョン内の魔力を吸収すればするほど強くなるからか。ボクがダンジョンの壁に鉱石を埋めてレア素材に変換しているのと同じような理屈で。だから、モンスターを十分討伐できない状況がモンスターをダンジョン内で生き永らえさせてしまった。そして長くダンジョン内で生活を送ったモンスターは大量の魔力を吸収し、強くなった。だから、強くなった分王家の騎士達はモンスターを討伐できなくなり……という負のループが発生し、手に負えなくなったのか」


「そうです。これにより、モンスター達は地上へ出てきてしまいました」


 ボクは背筋がぞくりとした。


「モンスターは地上で暴れ、甚大な被害をもたらしました。慌てた王家は傭兵や冒険者達に支援を要請し、なんとか地上のモンスターを一掃しました」


「そして設立されたのが『冒険者ギルド』というわけか」


 ボクは展示コーナーの中に今の話が関係する資料を見つけたため、内容を読んだ。


「そうか。それから王家は冒険者にダンジョンでのモンスター討伐を任せるようになったのか。……なるほど。ダンジョンについて疑問に思っていたことももう一つ解消できそうだ。なんでダンジョンは地上に近い上層ほど難易度が低く、下層に行くほど難易度が高くなるのか疑問だったけど、モンスターが生存する時間に関係していたのか」


 ボクは顎に手をやり、博物館内をぐるぐる歩き回った。


「冒険者が足を踏み入れやすい上層であれば、モンスターは冒険者と遭遇する確率が高くなり、生存時間は短くなる。そして冒険者が足を踏み入れにくい下層になればなるほどモンスターは生き残りやすくなるから、その分だけ大量の魔力を吸収し、強くなる」


「そして、王家もこの仕組みであることに気づきましたわ」


「まさか……」


 ボクは背筋が凍った。


「ダンジョンの最深部には、レガリア王国が興ってから2025年、魔力を吸収し続けたモンスターが存在することに……」


「なるほど! だから……王家も冒険者にはダンジョン攻略が難しいと思っているのか。そもそも、ダンジョン最深部まで攻略できるほどの力を持っていれば、そもそも『大いなる力』を手に入れずともレガリア王国に打ち勝つことができる。だから、冒険者にダンジョン攻略を任せ、モンスターが地上に出てしまわないように足止めさせているのか」


 カナはボクの言葉に頷いた。だけど、ボクはまだ納得できない点がある。


「その、長い年月をかけて魔力を吸収し続けた超強力なモンスターが、ダンジョン上層へ移動しないとも限らないだろ?」


「ええ。その通りです。だから王家はダンジョン・ロードという爵位に関係する制度や、バディ制度を整えたのです」


「ネームド・エネミーか!」


 ボクは、ダンジョン攻略という自分の生活の一部となっている活動に関して、急に生々しい恐怖を感じてしまった。


「これが……現在確認されているネームド・エネミー達か……」


 ボク達はネームド・エネミーに関する情報が展示されている場所へ移動した。


 そこは冒険者達の目撃情報を元に作成された彫刻が展示されていた。さらに、併せてネームド・エネミー達が持つ能力についても細かく記載されていた。


 そこでボクは最新情報から見ていったのだが……初っ端から挫折することとなった。

 

 

 ――【ネームド・エネミー:カラミティ】

 身長22メートルほどの白く、真紅の目を持つ巨大なドラゴン。【魔法吸収】のスキルを持ち、魔法による攻撃は無効化される。また、強固な鱗で守られた外殻はパワーメタルほどの強度を持ち、生半可な物理攻撃では太刀打ちできない。

 

 

「いや……こんなのどうやって倒すんだよ」


 ボクは脳内でシミュレーションしたが、倒し方が思いつかなかった。魔法も効かず、物理攻撃も満足に通せないなんて、無敵じゃないか。


 ミカさんやオボロさんの攻撃も魔法攻撃を中心とした戦い方だ。だから、相性最悪である。

 

 ミカさんの炎は概念ごと燃やす力があるから、相手の攻撃を無力化することはできるかもしれない。


 だけど、こちら側の攻撃を通すことはできないから、ミカさんはいずれ魔力切れを起こして、戦闘を続けられなくなってしまう。


 オボロさんの時間停止もどこまで通用するか未知数だし、数秒攻撃を当てることができたとしてもダメージ量はたかが知れてる。


「次は何かな……」


 ボクはカラミティのひとつ前に目撃されたネームド・エネミーの情報を見た。

 

 

 ――【ネームド・エネミー:アサシン】

 体長420センチメートル、肩高180センチメートルの巨大な漆黒の狼。【暗躍】という移動音と気配を消すスキルを持つ。また、優れた視覚と嗅覚でどんな暗闇でも適格にターゲットを襲い、一瞬で命を絶つことができる。

 


「こんなのに出くわしたら1秒も持たずにあの世行きだよ……というか巨大な狼の癖に移動音も気配も消すって何なんだよ!」


 ミカさんやオボロさんもこの敵の攻撃を見切ることができなかったら、やられてしまうかもしれない。来ると分かっていれば対処できるかもしれないけど、そうでないなら一瞬で命を落とすことになってしまうだろう。


 因みにボクの場合は、【暗躍】というスキルが無くとも数秒ももたないだろう。


「辺りも暗くなってきたし、そろそろ夕食にします?」


「……うん。そうしようか」


 顔が真っ青になったボクを気遣ってか、カナは夕食に誘ってくれた。


「というか、大規模討伐隊はこんな敵相手に戦うのか……凄いな」


 ボクは大規模遠征に参加する冒険者達を誇らしく思った。


「カナ。慰霊碑にも花を手向けていこう。……ってはじめからそのつもりだったのか」


 笑顔でカナは手に持っている花束を見せてきた。


 ボク達は裏庭に移動し、慰霊碑に花束を添えて祈りを捧げた。


 かつて地上に溢れたモンスター達と命を懸けて戦い、散っていった者たちに。


 あんなネームド・エネミーなんていう化け物や、地上へ出てくるほど強力なモンスター達と戦うなんてこと、とても勇気が要ることだったであろう。


 ボクは、すっかり暗くなった夜空を見上げ、瞬く星々に祈りが届きますようにと願った。


皆さん博物館デートってしたことあります?


私は無いです。

くそおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!


今に見てろよ、世界。

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