表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強硬度の聖剣の鞘は、死んだ事にされてしまった! 処刑される魔王のしもべと偽りの友情を結びました。  作者: 家具付
第五部 分割掲載

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

63/82

三話

よろよろと、アフ・アリスの働いて居るであろう神殿を目指していた時の事だ。

私は出し抜けに腕を引っ張られて、大きくよろめいた。


「っ」


一体何なのだ、と引っ張ってきた誰かの方を向くと、そこには兵士なのか、それともベガの仲間なのか、装備だけでは判別の就かない男性が複数、にやにやとした顔をして、私を品定めするように見ていた。

それは気持ちの悪い視線だった。……今まで経験した事の無い視線でもあった。

それは私が聖剣の鞘という立場だった事に加えて、勇者ヘリオス一行に同行していた時は、目もくらむばかりの美女達がいたために、私の存在が霞か何かのように薄かった事も大きいだろう。

目立たなかったし、目をつけられる状況に陥らなかったのだ。

そして魔王が倒された後は、寺院などで下働きをしている時間が極めて長く、街を散策したりするよりも自室で、体を休める方に重きを置く生活を送り、そう言った視線を投げてきそうな人と接触する可能性がとても低かった。

さらにダズエルから逃げ出した後は、アフ・アリスと常に行動を共にしていたから、それは牽制にもなっただろう。大柄な男の脇に居る、ぱっとしない女の子に声をかける様な、うまみの無い事をする人は圧倒的に少ない。

だが今は、それが全て無い状態だった。

私はなんとか腕を外せないかと身じろぎしたが、男女の腕力差のせいなのか、腕は外れる気配が無かった。


「……なんですか。離して」


私はここでパニックに陥ってはならない、と自分を抑えながら、きつい声を出そうとして、その声が震えてしまった。

腕をつかむ男性と、その男性の近くで見ている複数の男性達は、私を見てにやにやしている。


「なあ、あんた、お小遣いとか欲しくないか?」


「ちょっと俺達の相手をするだけでいいんだよ」


「ちょっと物陰でさあ」


「綺麗な髪飾りとか、欲しいだろ?」


「い、いらない……!」


私はそう言ったものと引き換えに、自分が危険な目に遭う事なんて選択するわけも無かった。それに、この村ではあまり、おカネというものが役割を果たさない。

小さくて、自給自足の側面が極めて大きいこの村では、おカネのやりとりよりも、物々交換の方がありがたがられるし、国に支払う税金を納めるために、おカネを貯めると言う事の方が大きかったのだ。

この村の中で、貨幣経済はあまり循環していない。この村にやってくる行商人達とやりとりをして、おカネを手に入れて、それで税金のほとんどを支払うのだ。足りない分は、大きな街にこの村の布や糸を持って行って、なじみのお店で買い取ってもらって、税金の足しにする。

そういう村で、お小遣いなんて、あってもたいした意味が無いものだった。

そのため私は、いらないと言ったのに、男性達は下卑た視線を隠しもしない。


「あんた、この村の護衛だけど、胸を悪くして役立たずなんだろう?」


「って事は、護衛じゃ無くて役に立つ事をしている身の上なんだろう?」


「そうそう、水商売をしているとか、この村の男相手に股を開く仕事とか」


「してない、離して、離して!」


「隠さなくったっていいじゃ無いか。そういう春を売る商売って、どこの街でもある商売なんだから」


「俺達は、あんたにいい儲けになる仕事をさせてあげようって提案しているだけなんだぜ」


「そういう仕事をしていません! 離して!」


また胸が痛みそうだった。必死に腕を振りほどこうとしても、叶わない。それどころか、腕をつかんで居ない方の男性が、私の肩を抱くようにして、どこかに連れて行こうとする。


「この村に、そういう商売の女が一人も居ないなんておかしな話だと思ってたけど、外から来た女の子がそういう事をしているなら納得だよな」


「そうそう。外からの子なら、後腐れ無いし」


「いやだ、離して、離せ!!」


本当に身の危険しか感じられない。私は必死に、がむしゃらになって暴れようとした。しかし男達の方が強く、暴れられない。

ただ暴れるだけではだめだ。どういう方法なら、相手を諦めさせられる? 相手は下半身の欲求に夢中になっている。普通の抵抗ではだめだ。

頭が真っ白になりそうな状況の中、私は必死に男達から逃げだそうとして、そして。


「よく見れば肌がすべすべだ。こんな土臭い田舎で、こんな綺麗な肌の女の子が商売してるなんて滅多に無いぜ!」


と、男性の一人が私の顔をなで回したあたりで、気持ち悪さが限界を迎えた。頭の中が真っ白になって、何も考えられなくなって。


「!!!!!」


私の、どれだけ訓練してもそれなりの腕前にすらならなかった、基礎くらいの威力しか無い体術が、反射的に出された。

それでも、相手が完全に油断している状態なら、それなりの当たり方になる。

私は肩を抱く男の急所……つまり眼が有る方に、見ることも出来ないで指を突っ込み、奇妙な手応えとともに男が悲鳴を上げて、肩を抱く拘束が解けたから死に物狂いで抜け出して、必死に、男達からとにかく離れるべく、走りだしたのだ。

あまりにも頭の中が真っ白になったために、走り出した先が、村の外なのかそれとも村の中心部なのかも、わからない状態で。

次話納得いかなくなったんで一回下げます。すみません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ