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光と闇

実は光属性はここ数十年、決して珍しいものではなくなったらしい。逆に闇はそれより出る数は少なく、その属性魔法を自在に操れるようになれば、王都で暗部として活躍しているとか。


エリーは愕然とした。え?光=聖女じゃないの?と。それはあなたの記憶だけだよ、と教えてくれる人はいない。


「にーちゃん、すごい!」


ダグの弟も嬉しそうだ。目がキラキラしている。


「ホントにそうなるかどうか、まだ分かんないよ。」


そうダグは言うが、一度は王都に呼ばれるらしい。訓練で適正を見定め、配属されるという。闇属性はそれほど重宝されているのだ。


エリーは考えた。これはどういうシナリオなのかと。ダグを見る。今までまじまじと見たことはなかったが、けっこう整った顔をしているかもしれない。このまま成長すればイケメン?もしかして、攻略対象者なんじゃないかしら?暗部になるのなら、ヒロインを影から助け、そこから恋愛に発展するとか?


ここは乙女ゲームの世界であると、やったことないのにエリーの妄想は勝手に膨らむのであった。






ところで魔法はその属性のみを使えるわけではない。一番適正しているのが鑑定されるだけで、他の魔法も使えるが、この村では教会がそれを教えている。鑑定を受けて数年は、教会で教えてもらって各々家のお手伝いが出来るようになると、自然とその足は遠のいていくのだ。読み書きもこの間に教えられるので、教会は地域に密着していると言ってよい。






村には定期的に行商人がやって来て、金銭のやり取りも当然出来るようになる。その行商人が来ると、王都の話題や噂なども一緒に入ってくるため、非常に皆楽しみにしていた。


今回の話題は何と言っても属性鑑定、なぜなら王都の第二王子も鑑定を受けたからだ。同じ年の子供たち共々、親たちも興味津々で耳を傾けた。


「王子は光だったそうだよ。」


おーーー!意味もなく盛り上がる面々。きっと光でなくとも盛り上がっただろう。


「今年は王子を含め、三人出たそうだよ、光。そう言えばこの村からも出たんだってね?おめでとう、この領地も安泰になるねぇ。」


光属性は主に怪我を癒せるので、それによる死者が劇的に減るため、光属性のいる地域は人口が徐々に増えるので、結果的に領地の発展につながるのだ。


なのでエリーもその能力を伸ばせば領都には呼ばれるという。


エリーの鼻息も荒くなる。頑張ればこの村からは出られるのだ。前世の記憶があるのだから、街に出てからこの記憶を生かせばいいのだ、と。





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