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天使と悪魔   作者: 333
天界編
8/70

第8話 変態

 翌日、キラキラしたビンの反射を受けて目覚めると

カマエルが満面まんめんの笑みで挨拶をした。


「おはよう、アコ。とっても可愛いよ!」


 そっと自分の手を確認……人間の指に戻ってる。

これなら身体も大丈夫ね、

そのまま目線を下にずらしたら――


 嘘でしょ? ぱだかじゃない!?

急いで下にかれた毛布を巻きながら

思いつく限りの罵詈雑言ばりぞうごんを叫ぶ。


「馬鹿、変態、淫乱、ド助平~!!!」


「あら、私達は裸でも気にしないのよ。

ほら、エンジェルで見慣みなれてるもの」


 すかさずガブリエルのフォローが入る。

確かにエンジェルたちは皆んな裸で、

私の身体は見事にツルペタだけども――


「はは、カマエルがショックを受けてるぞ」


 ラファエル少年が、楽しそうに肩を揺らす。


「うう、変態……」


「もう~落ち込まないでよ。

それより鏡を用意したの、アコも見たいでしょ」


 ガブリエルが甲斐甲斐かいがいしく動き回る。

鏡がビンの前に置かれたので

毛布をしっかり持ち上げてからのぞく。


 黒髪ロングストレートに白い肌、小さいけど

年齢は13~16才で瞳が赤くややつり目だ。


「――悪魔令嬢あくまれいじょうって感じだな」


「馬鹿なこと言うな、ラファエル!」


「ええ~だけどさぁ、

黒目が赤くなるなんて……信じられないぜ」


 ラファエル少年が不満気ふまんげに私を見るけど

小悪魔こあくまの姿よりずっといい。

それに頭もスッキリして

冷静に物事を判断できる気がするわ!


「赤目でも構いません。ラファエル様

ガブリエル様、色々と有難ありがう御座いました」


「まぁ優しい子ね。

ミカエルが寝ていて良かったわぁ~

彼は悪魔を見つけたら殲滅せんめつするから」


 あ、あ、危なかった~!

そうかミカエルは公正こうせいな天使だけど

誰よりも悪魔を憎んでる警吏天使けいりてんしだ。


「あの、ミカエル様は眠っているのですか?」


「ええ、私たちは定期的に寝るのよ。

長く生きる為には英気えいきやしなう必要があるの」


「ガブリエル、しゃべり過ぎだぞ!」


 ワインを飲みながら説明するガブリエルに、

ラファエル少年はグラスを倒す勢いでテーブルを叩く。


「心配性ね、ラファエル。

アコなら大丈夫よ、清廉せいれんな空気を感じるわ」


「そうだとしても、生まれたばかりだ」


「時間なんて関係ないでしょう?

問題はきよらかな心があるかどうかよ」


 ガブリエルの言葉に納得できないのか

ラファエル少年はうたがいの目を向けた。


「赤目は悪魔の色だろ? オレは信用しない」


「アコは誰よりも純粋だ。

見た目で判断するなんて天使失格だぞ!」 


 カマエルの指摘してきに口をつぐむラファエル少年。


「それにね、ラファエル。

アコは人間界から召喚しょうかんされた被害者なのよ?」


嗚呼ああそうか、ごめん。

君は強制的に呼ばれて大変だったのに――」


「悪魔だったんですもの、疑われて当然です。

どうか気にせず、元気を出してください」


「有難う……これからはオレが君を守るよ!」


「待て、ラファエル。アコをまもるのは僕だ!!」


「うふふ、私達のお人形さんで決まりね」


 悪魔からペット、そして下僕げぼくにお人形さんか……

早く大きくなってそれらを払拭ふっしょくしたいなぁ。

ビンの中には何故か、

ツノとハート尻尾しっぽが残っていたので

お守り代わりに持っておくことにした。

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