第1話 試験
そんなモノは、要らないね……
僕には魔法がかかっている防具なんて必要ない。剣で全て抑えられる。そう師匠と特訓してきた。自分の魔剣だってもっているし、ここの規定品の剣とは格が違う。
実況「さあ第1試合の相手をするのは、サリア王国魔剣士学院ウィズリーブ3年!ガイア・レイピア選手!対するはアレス・ガルガンチュア選手!?これはあの破壊皇帝ゾーア様の末裔か!?」
ガイア「おい、お前。魔法具はどうした?」
アレス「僕にはそんなもの要らない」
ガイア「いくら始祖の末裔だからって俺を侮りすぎでは無いか?公爵家だぞ。」
アレス「関係ないよ。君に勝ち目はない。」
ガイア「その口黙らせてやる。公爵魔剣サウザンド・レイピア!どうだ、この高貴なる輝きは。我が公爵家に伝わる魔剣だ。」
アレス「まあ僕のとは格が違うけどね。極醒神聖魔剣 ロンギヌス・エンペラー。」
当たりを黒い雲が覆う。
ガイア「なんだ!……この禍々しい空気は……」
アレス「言ったでしょ。僕とは格が違う。この剣は1万年前始祖の破壊皇帝ゾーアが使っていたとされている魔剣だよ。最も僕が使ってたからね。」
ガイア「貴様何を言っている?」
アレス「僕には、破壊皇帝ゾーアの魂が宿っている。心転生というものだね。だから僕はゾーアの剣とも契約できる。」
ガイア「ふん。たかが始祖でくだらん。おれにかかれば余裕だ。」
…………
「なんだよ。」
アレス「君は今。始祖をバカにしたね。そんな事をしてどうなるかわかっているのかい?」
アレスの魔眼が赤黒く神々しく光り、ガイアの動きを止める。
ガイア「貴様、何をするっ!……」
アレス「この程度の威嚇に耐えられないなんて、まだまだ未熟だ。この試験では危険になると魔法障壁が発動するんだよね。魔眼で殺したらどうなっちゃうかな?」
さらにアレスの目が光り、雷が鳴り始める。ガイアは余りの怖さにショック死してしまった。
…………
蘇生
ガイア「お、お前は一体何者なんだ……」
アレス「まだ分からないのかい?僕は1万年前の世界より転生した、破壊皇帝ゾーア・ガルガンチュアだ。」
実況「よく分からないがアレス選手剣を一回も振らずに3年首席のガイア選手を倒したー!!!」
…………
「これより入学検査に移ります。合否には関係ありません。まずは自分が契約している魔剣のランクを確認します。魔剣を召喚して下さい。」
またうるさい鳥か。
ロンギヌス・エンペラー
生誕時期:推定1万年前
強度:170000
ランク:極限
契約条件:破壊皇帝ゾーア本人であること。
「自分が現在使うことの出来る技を発動させてください。」
アレス「そんなことしたら、この部屋壊れるよ」
「魔法障壁500層があるので安全です。」
アレス「この程度の密度なら足りんな。予め密度の高い魔法障壁を100層予備として展開しておこう。」
極醒パニッシャー・ゾーア
これはゾーアが使える言わば必殺技みたいな物か。魔剣を極端に細く薄くする、急所をつけば必ず殺すことが出来るが、それ以外の場所にはあまりの剣の細さにそこまでダメージは与えられず下手をすれば刃が折れてしまうかもしれない。
「それでは、強化魔法が使える場合は発動してください。」
簡単だ…………
ふむ。どれも簡単だったね…………
王宮直結の魔剣士学院と聞いたから実技試験ではもう少しいい戦いが出来ると思ったんだけど、首席であれは弱すぎだね。
???「あの、さっきはありがとう。」
アレス「ああ、気にしないでいいよ。僕はアレス。君は?」
「僕は、レオ・アベンダドール。」
アレス「レオか。宜しくね。今日の試験はこれで終わりだよ。帰ろうか。」