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バアル2

「いいわよ、手伝うわ。小難しいことはよくわかんなかったけど、要はその悪魔になっちゃったドラゴンさん達を救えば言い訳でしょ。なら任せてよ私、人助けとか得意だし!」


「……」


「特別な力とかはよくわかんないけど、困っている人の為に私にできることがあるなら、それをしない訳にはいかないわ!」


「……お前」


「へへへ」


「……アホか!」


「へ?」


「ドラゴン達を救うことはそんなに簡単な事じゃない! 奴らと戦闘になることだってある! それで命を落としたらお前は元の世界に戻れないんだぞ!」


「命を落としたら元の世界にいられないのは、ここも向こうも一緒でしょ?」


「っ! ……お前」


「第一、あなたが私を呼び寄せたんでしょうが。そんな心配するくらいなら最初から呼び出さないでもらいたいわ」


「だ、誰が心配なんか! ……ちいっ! 分かった、協力してくれるんだな?」


「ええ」


「お前が全てのドラゴンを救出するまで、アタシはお前を元の世界には返さないぞ、それでも……!」


「もう、いいっていってるじゃないの。しつこい女は嫌われるわよ」


「ぐっ! こいつ……ん?」


「どうしたの?」


「……この気配、ドラゴンだな!」


「はぇ?」


「なに呆けてやがる! この近くにドラゴンが現れたんだ! 行くぞ!」


「え、ちょっと、行くってどこに?」


「いいから黙ってアタシについてこい! ……この気配、あそこの村か!」


そう言うとアンドロマリウスは遠くに見える小さな村を目指して駆け出した。


「あっ、ちょっと待ちなさいよ!」


ハルカもアンドロマリウスの後を追って駆け出した。



「くそっ! 遅かったか……」


村に到着したアンドロマリウスが言った。


彼女の眼前には、崩壊した家屋の数々と負傷した村人達の姿があった。


「……これは……いったい」


ウロコは辺りを見回しながら言った。


「間違いない、ドラゴンの仕業だ。野郎、派手に暴れやがって」


「……ちょっとごめん」


「あ?」


ウロコはアンドロマリウスの元を離れ、負傷した村人の一人の元に駆け寄った。


「……よかった。生きてるわね」


ウロコはホッと胸をなで下ろした


「……」


アンドロマリウスはその姿をじっと見つめていた。


「……ねぇ、アンドロイド」


「アンドロマリウスだ! ……何だ?」


「そのドラゴンってのはまだこの村にいるのかしら?」


「ああ、そうだ」


「だったら……そのドラゴンの元に私を連れてって」


「……その理由は?」


「だって、こうしてる間にも、負傷者は増え続けているはずよ。だから止めなくちゃ、そのドラゴンを!」


「……」


「……」


「……赤の世界の、赤の他人の為にそこまで言うか」


「え?」


「ふん。いいだろう、丁度案内してやろうと思っていたところだ。ついてこい!」


「ええ!」


二人は村の奥へと走り出した。

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