1-1 城内へ
誤字脱字ありましたらメッセージにてお教えください
電車の中には俺とギルデベルト、そして使用人らしき女性と見るからに執事な男性
「さっきの護衛の人たちは?」
「あれはトウチで雇った護衛の騎士よ」
雇った騎士?派遣の社員的な感じか?
「それより何か食べる?こっちに来てから何も食べてないんでしょ?」
「出来るなら水を飲ませてくれ、カラカラなんだ」
こっちに来てから多分5時間位経っていると思う。砂漠やら土下座やらで体力や精神的に乾ききってる
「いいわよ、何飲む?」
「普通の水でいいよ」
多分こっちの世界の飲み物とか普通にあるのだろうな
「ロウシュ、水を持ってきてあげて」
「かしこまりました」
執事さんが水を取りに別の車両に消えていった
「ゆっくりなさい、其方はこれから我が城の客人として招かれるわ」
「、、、急な割にずいぶんと優遇されてないか?」
「あらそう?そんなことはないと思うのだけれど」
まさか城内に入った途端牢獄送りとかないよな?おもに猥褻物陳列罪とかで
「つかまったりしないことを祈るよ」
「あなた、今何て?」
使用人の女の人が急に話しかけてきた。なんだろう、笑顔なのに顔がコワイ
「お嬢様がご厚意であなたを助け服を与え、気を使って食べ物や飲み物を与えようというのに。今あなたは何と言いました?」
こわいこわいこわい
「すす、すまない。確かにこれだけの事をしてもらって疑ったりするのは失礼だよな」
「分かればいいのです」
いやよく思ってないよね全然怖い笑顔が消えてないのですが
「よい、下がりなさいクラメル」
「はい、出過ぎた真似でした」
やっと怖い笑顔じゃなくなった。ギルデベルトが好きなんだなこの人。
執事さんが帰ってきてお水をくれた。カラカラだったからか水すんごいうまい。
「まだ時間もかかるし、しばらく眠ったら?」
「いいのか?」
「ええ、詳しい話は資料を見ながらじゃないと話せないから」
どうやら異世界人についての何かがあるらしい。まあ今更だがな。
「それって何?異世界人の待遇についてとかの話?」
「まあそれもあるわ、あなたのこれからの身の振り方についてとか色々ね」
「難しい話になりそうだな。遠慮なく寝ておくとしよう」
結構疲れてるし、お言葉に甘えるとしよう。
「我が城に着く前に起こしてあげる」
「おお、ありがたぃ」
やはり疲れているからか、すんなり寝れそうだ
「おやすみなさい」
「ええ、おやすみ」
………
…
「ねえ、君ってバカなの?」
「出会って早々バカとはなんだ」
「いやだって見ず知らずの人にもらったものを何の警戒もなしに飲むとか警戒心なさすぎでしょ、バカでしょ」
「俺の国じゃそんな警戒心いらないんだよ悪かったな」
「環境の違いか、そんなのあの世界じゃあって無いようなものだけどね」
「そんな事よりなんだ俺、なんでまたここに居るんだ?死んだか?」
「いや私が連れてきた」
「お前が俺を殺したのか?」
「殺してないよ、寝ている君の意識だけをここに連れてきただけ」
「ほう、てことは俺は眠らされたと」
「そうそう」
「いい奴らだと思ったのにな、残念だ」
「いや?あの子たちはいい子だよ?だからあの子たちの近くに君を飛ばしたんだから」
「………まて、聞きたいことができた」
「一つだけいいよ?」
「もしもあいつらが砂漠に行かなければ俺の転移先は」
「お城だったかもね」
「まっぱで?」
「まっぱで」
今初めて砂漠に感謝した
「そんな事より、
「そんな事じゃなくない?下手すればまっぱで打ち首じゃない?」
「裸で土下座しといて何言ってるんだか」
「衆目の目に晒されるよりましだろうが!」
「いいから!私の話をきけ」
「聞いてやろう、聞いた後でまっぱの謝罪も聞こう」
「はいはい、で聞きたいんだけど。ここでやるべき事は解った?」
「何となくな、なぜあんなことになった」
「異世界に行けば自分の知識を披露したくなるもの」
「ああ」
「異世界に行けば自分の世界の物を再現したくなるもの」
「分からなくもない」
「でもさ、順番やそれをするために何が犠牲になる?」
「社畜?」
「そうだけど違う!」
「休日」
「それ社畜と同じ」
「………資源か」
「その通り」
目の前の奴は何か滑稽なものを見るように笑っている
「滑稽も滑稽だよ。何よりそれを許した自分自身がね」
「許したってのは?」
「チートだよ、彼らに与えたチートの事」
「ちなみにどんなチートなんだ?」
「自分の思い描いたものを目の前に出すチート、自由に自分の世界から物を等価交換で持ってくるチート、エトセトラエトセトラ」
エトセトラって言う奴初めて見たかも、漫画や小説くらいでしか見ないだろ
「まあやりたい放題した結果この世界は木や水、大地の栄養などをそのチートの影響や真似をしようとした人々により狩られて行ってしまった。」
「なるほどな。もう一つ聞きたいことがあるのだが」
何個もある謎を聞こうかと思ったその時、俺の体は何か浮遊感を感じ始めた
「ごめん、もう時間みたい。今回はいい子が相手だったからいいけど油断して出されたものをなんでも気軽に食べたり飲んだりしない事」
「ちょっ急に戻るのか!まだ聞きたいことが!」
「いいかい?今回は相手がよかっただけだからね!そんな子の場所に送った僕に感謝することー!」
「おま!結局自分のおかげだと言いたいだけじゃないか!!」
「そのとうり!」
「言っておくがこんな状況になったのもお前のせ
ブツン
…
………
「起きた?」
何か暗い小部屋に押し込まれているようだな
「おはよう」
「あら、意外と動じないのね」
この声は……平井さんだな
暗くてよく分からないが多分拘束されているわけではないな手足の自由は効く。手で探ってみるとここは学校の教室の後ろによくあるロッカーのような狭さを少し広くしたような感じだ。
布のような感触がある
「ひゃ」
………おっとこれはフラグかな?
「いい度胸ねあなた。私の頭に触るだなんて」
くっそ
「それよりここはどこなんだ?」
「あら最初に聞く質問がそれなの?ちょっと落ち着きすぎじゃないかしら」
「まあ寝てる間にいろいろな」
「ふ~ん」
別に詳しく言わなくてもいいだろ
「ここは簡易クローゼットの中よ」
「なんで俺らはここに居る」
「………今回の遠出を誰にもばれるわけにはいかないの」
「家出か」
「いえ、家族や親類縁者に知られるわけにはいかないのよ」
「なぜだ」
「……縁があったら言う」
何か理由があるとだけ記憶しておくか
ガコンと、変な音が響いた
「私の部屋に直接運び入れるように言ってあるからこのまま待ちなさい」
「おう、まあいいだろう。問い詰めるのは後にしてやる」
「そうしてくれるとありがたいわ。ここからはしゃべらないようにして」
さて、別に俺をここに居れる時くらい眠らさなくてよかったのだがな。それも何か理由があるのだろう。とにかく今は到着するまで待つとしよう。
内容しどろもどろかも。時間があれば読み返して編集します