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後悔

「俺は間違えたのか。」


 フェリア家当主のレンベリオは後悔していた。彼は女装させた自分の末の息子を王太子にあてがい、その後にパミナが男であることを教会の大司祭に密告した。その結果、これは教会で大問題となった。パルムス教の教義は同性婚は認めない。王族も例外ではない。さすれば、同性婚を厳しく取り締まるパルムス教会は王太子を破門にすると脅すとレンベリオは踏んでいた。勿論、布施を渡せばそのような事実は揉み消すことはできただろう。だが、王太子一人では対処はできないだろう。そこで、私の出番だ。自分が後見人になり、パミナが男であることを秘匿し、教会との交渉によって破門の件をなかったことにできたはずだ。なにせ、まだ公式に発表されたわけではないのだ。


 計算外だったのが、王太子のあまりにも迅速に行われた愚行である。 彼は激昂し、教会の人々を皆殺しにした。まだ脅しの段階であり、本気で破門するつもりはさらさらなかった。しかし、王太子は敵対するものに容赦がなかった。能力が優秀であるのと同時に、残虐性もかなりのレベルにあった。彼は嵌められたことを瞬時に理解し、迅速に対応した。俺も教会も王太子を過小評価していた。皆殺しにするとは思わなかった。教会も一枚岩ではないので、内部で破門するべきではなかったと争いが生じた。そして、だれが責任を取るのかを話し合い、行動が遅くなった。あいつは教会の動きが遅いことに乗じて、軍が編成される前に教会の総本山のパムサス山を襲撃した。そして、カーネリウスは教会の数々の謀略の証拠を見つけ世界に公表したのだ。彼は多くの人々を拷問し、血も涙もない悪魔のような精鋭部隊で聖職者の家族を人質にし、無理矢理はかせた。


 こうして、王国と教会の全面戦争は王太子の勝利に終わった。


 生来のカリスマ性が奮い、彼の評判はV字回復した。そして、悪の教団の教皇とレンベリオは今までの取引相手に手のひらを返されて、窮地に陥った。わずか1ヶ月でここまで追い詰められるとは思わなかった。とにかく、カーネリウスの動きが早かった。俺がアリアのことを隠し、王太子を謀り女装した男をあてがい、挙げ句、王子の犯行と見せかけて俺が聖職者を殺したことにされた。罪を擦り付けられた。


 若さ故か行動力がとにかく違う。世代交代かもしれないな。


「参ったな。王太子は完全にぶちギレているし。」


 いままでのことから嫉妬され、教皇も我が領内に逃げ込んだからフェリア領は窮地に陥った。まあ、王国最強の名前は伊達ではない。王国の雑魚軍団ごときに敗れるはずがない。


「やれるものならやってみろ、若僧。勝てば官軍、俺は勝つ。」


 大陸最強の俺の兵隊相手にどこまでやれるか、見ものだな。


 *************************


「随分とやっかいなことになった。」


 俺は心労で使い物にならなくなった国王のことを幽閉し、教会の総本山に軍を突入させた。奴らは独特な魔法を使ってきたが、それだけだ。まさか攻めてくるとは思わなかったのだろう。録に指揮系統が定まっておらず、簡単に攻略できた。まあ、ヴァンフォーレ法国は帝国の隣国で、陸続きだから進軍も楽であった。


 もう終わったことだ。雑魚はどうでも良い。


 俺は公爵を完全に敵に回したので、これから奴の攻略をしなければならない。俺の手で始末してやる。随分と俺を舐めていたようだ。傀儡にして政治を牛耳ろうとしていたようだが、そうはいかない。粛正してやる。


 俺は公爵を捕らえ、アリアを誘き出す。そして、アリアの目の前で処刑し、部屋に首を持ち帰ってその目の前でたっぷりと愛でてやる。楽しみだ。


 だが、公爵を倒すのは骨が折れる。腰を据えて、臨もう。ここが俺の王子としての正念場だ。倒すには何年も時間がかかるので、他の兄弟の排除から始める。そして、並行して女でも囲って子作りに励みたい。だから、花嫁探しを俺はしようと思う。


「町の広場に女を集めろ。とりあえずやってやる。」


 体で判断してやる。とりあえず人数をたくさん用意する。


「おそれながら、王子は同性愛の疑惑が持たれています。この国の貴族の女性はパムサス教の信者が多く、女は集まりづらいかと思います。」


「そんなわけあるか、俺は王子だ。なめんな。」


 そして、お触れを出して人を集めたところ、見事に男も混ざっており、録な女がいなかった。民は知っている。俺が帝都でシスターを率先してレイプしてから殺害したのを分かっている。それでも歯向かわないのは俺が王族だからだ。


 無言の抵抗といったところか、諸外国は騙せても、膝元の民は騙せない。


「いい気になるなよ。虫けらども。」


 まだ、俺が大陸の覇者になる道は遠い。だが、愚民どもを統治し、この国を俺は豊かにして、酒池肉林の楽園を築いて見せる。


「まあ、見てろよ、アリア。俺が王の道を切り開いてやる。」

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