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茶師のポーション~探求編~  作者: 神無 乃愛
富士樹海迷宮編
8/25

マスターとギルドマスター

いつもありがとうございます

 マスター自身が富士樹海迷宮に潜るのは一年ぶりくらいだ。前回水をたっぷりと収集したため、時間が空いた。

 偏に、ギルドマスターがあれに代わったからだが。

「向こうは私の顔も覚えていませんでしたけどねぇ」

「えぇぇぇ! マジで? あれだけ雲仙で騒ぎ起こしたのに?」

「弟子、お前は碌なことを覚えていないようですね」

「だってさぁ、師匠のマジ切れって、そうそうないもん。俺が間違って毒草を採取した水に入れた時だって、拳骨一つで済んだし」

「それで済ませたのが間違いでは?」

「あれは弟子がわざとやったわけではなかったので。そのあと一人で水採取に行かせましたよ」

 クリフが生ぬるいと言外に含んでいたため、マスターは苦笑した。

「仕方ないですよ。弟子は探求者なりたての頃でしたし。薬を軽く見ていた節もありますが、どちらかといえば手伝いをしようとしてやらかしたことですから。

 同じことを再度やらかしたのなら厳罰ものですけど、二度とやりませんでしたね」

 それ以来、滅多なことで薬草を触らなくなったというのもある。


 もう一つ言うなれば、水採取中にポーションの大切さを身に染みて帰って来たというのもあるが。


 パーティ申請をして、迷宮に潜る。目的は低層の初心者向けの場所だ。

「え? ヌシは?」

「だから、ポーション無いから無理だってさっきも言ったよね。あと、肝納入はキャンセルね。さっきキャンセル用料金受け取ったよね」

 慌てふためくギルド職員に、弟子が言い放った。

 無理やり置いた、というのが正しいだろう。そのあたりはマスターの教えだが、領収書を貰っておかないあたり、まだ甘い。

「これから取りに行く水は、ポーション用ですので。中級以上のポーションは源泉水がいいことくらい、ご存じでしょう」

 にこりと微笑んで、マスターが追い打ちをかけた。水はすべて一緒だと思う馬鹿が多いのが困りものだ。

「お……お金はお返しします! キャンセル不可の依頼……」

「そんなわけないでしょう。再度ギルド規約をお読みになられては?」

 対応していた職員の後ろにいた、上長と思われる男が悔しそうにしていた。


「再度指名依頼をされれば、問題なかろう」

 割って入って来たのは、ここのギルドマスター。そして、おそらく肝納入を依頼した富豪と思われる男が、階段を下りてきた。


気が付いたら、お気に入り40件ありました。

感謝です<(_ _)>

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