第一章 参上! ナイトレディ! 3
結局、授業は寝たわけで……気がついたら、お昼だったわけで……。
「ああ、腹減ったな」
特に授業を真面目に受けなくても腹は減るらしい。弁当も持ってないし、購買部で売れ残ったパンでも買おうか、俺が腹をさすりながら立ち上がった時だった。
「やっと起きたの? いい身分だな、おい!」
バシンと背中を叩かれる。眉を顰めながら振り返ると、楽しそうに仁王立ちする佐伯と、その後ろにひっそりと恥ずかしそうに控える水島が居た。
「……なんだよ」
普段なら反撃したかも知れないが、水島の前で女の子に反撃する所は見られたくないという一心から、ぐっと堪える俺。
「あんた、ご飯どうするの?」
そんな俺の葛藤など全く気にせず、佐伯が話を切り出す。
「あん? 飯? 今から購買に買いに行くけど……」
俺がそう言うと、うんうんと佐伯は頷いた。
「じゃあ、弁当は持ってきてないのね……なら、あんた今からちょっと私達に付き合いなさいよ」
「付き合う? ……何に?」
俺の飯はどうなるんだ? けど、水島が居るのに断るのも悪いし……。
「いいからいいから! ほら、さっさと行くわよ! 昼休み終わっちゃうでしょ!」
ポカンとした顔をしている俺の腕を、佐伯は強引に引っ張る。
「ちょ、ちょ、ちょ……」
俺は結局引きずられる様にして、佐伯に連れて行かれた。