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私達、冒険者として生活します!  作者: あきら・たなか
第4章; 王国狂騒編
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秘宝郷

「きゃぁー、冷たい」、「もう、水をかけないでよ」、「石鹸貸して」

 

 可愛らしい乙女の声が沢から音色のように聴こえる。

 翼陽の団のメンバーを含め7人ほどが自然にできた沢の一画にある水溜りで一糸(いっし)まとわぬ姿をして身体を洗っていた。

 沢は比較的広すぎず浅すぎず丁度良い勾配があり、周囲の木々の中を流れている。岩場のような場所で人目を気にせずに久しぶりの水浴びだった。

 やはり冒険者でも体臭は気にするモノだ。特に年頃の乙女ともなればなおさらその傾向は強い。

 しかし依頼場の近くに都合よく水が流れている訳ではない。乾燥地帯の仕事では何日も身体を拭けない事もある。


 しかし、今回は別だ。沢もあり周囲を隠す木々もある。


 その為、エフレスカを始めリーンもミレーダも、もちろんサイリアも裸になり、魔術で水を温め身体にかけあっている。


 完全に無警戒だが――そこは周囲に探知魔術と呼ばれる結界を行使しているからだ。

 

 探知魔術は術者が極少数の魔力を元に魔術陣を広げていく魔術で、展開後に入ってくる者や元からいる者を探知する。距離は術者の力量次第だが、約30~50メートルの範囲が一般的な魔術士の力量範囲であった。

 覗きの対策もバッチリとなっている。もし力量の無い者が来てしまった場合、魔術で蜂の巣になる事は至極当然である。


 水浴びをしている乙女達の肢体は引き締まった身体の者が多く、くびれがあり、筋肉をつけている者達が多い、それでも違いがある。胸の大きさ、肌の色、乳首の色だった。


 サイリアは少し気恥ずかしそうに布でお腹周りを隠しながら周りをチラチラと見て他の人の裸体を観察していた。


(うわぁ~エフレスカさん、綺麗な色してるわね。大きさもいいし……お腹も出てないし……。他の子もいい感じ……)

 そう思ってサイリアは一度自分のお腹を摘まんだ。

 溜息を吐いて、何かに目覚めたかのように濡らした布に用意した小型の石鹸を挟み込み勢いよくきめ細かい泡をつくっている。

 そして自分のお腹をゴシゴシと泡立った布で洗い少しでも脂肪を燃焼させようとしていた。


 そんな、涙ぐましい努力をしている彼女に前から声が掛かる。

「サイリア、一緒に洗いっこしましょうよ」

 “双璧”のミレーダとリーンが声をかけてきた。

 ミレーダは小ぶりな身体ではあるが出る所はキチンと出ている。しかし体毛は少し薄かった。

 リーンも編み込んでいる白い髪をたらしてまったく隠すことなく実に堂々としていた。


 突然の申し出で驚くが――恥ずかしがってもいられない思いと、背中が洗いにくい悩みもある。


「うん、お願いします」

 サイリアはそう言って返事をするとニカッとミレーダは笑い、そのまま背中に駆け寄ってきた。

「じゃあ、先に背中を洗ってあげるね、ほら、ソコの岩に腰を置きなさい」

 言われるがままサイリアは岩場に座る。

 すると持っていた布でミレーダは背中を洗い出した。

「どうかしら、サイリア?」

「ミレーダさん、ありがとう、すっごく気持ちいい」

「まぁね、リーンの背中も良く洗っているから……。それよりも結構、傷だらけになっているわね」

 ミレーダはサイリアの背中の傷をしげしげと眺め感想を漏らす。

 細かい切り傷が治った痕がついていてふとももや腕などその後が広がっていた。

 冒険者家業をしている中に起こるアクシデントで転んだり傷つけられたりするので怪我はどうしようも無かった。


「長い事やっているから自然とそうなっちゃうんです……」

 サイリアもいわれて手についている傷痕を感傷深く眺めていた。

 冒険者の前に女子である者にとって傷痕は辛いモノだ。


「そうよね……冒険者やってるとお肌の手入れもロクに出来ないし、転ぶし、魔物は襲ってくるし、危ない家業よね……」

「そうですよねぇ~」

 サイリアはミレーダの実感の籠った言葉に相槌を打つ。


「でもね! それでも私達は女性よ、その誇りを捨てちゃいけないわ!」

 背中を洗うのも止め、ミレーダは大声でそう言い聞かせる。

 サイリアも振り返り――「わかります。そうですよね」と同意の言葉を送る。

 同じ魔術士で冒険者をやっている者として気が合うようだ。


「そうよ、女なのよ。ほら、だから背中も綺麗にしないと……細かい所まで磨きをかけないと」

 そう言われサイリア「ハイ!」と元気に返事をする。


 すると――リーンが2人の様子を見つめていた。無言で表情が読めない。そのままジッとサイリアの身体をジロジロと眺めている様子だった。


(リーンさん、て……独特よね。感情がないように喋る時もあるし。表情が判らない……)


 そう思いながら目が合うサイリアとリーン。

 リーンは1人で身体を洗うが――不意にサイリアに近寄る。

 そして――手を伸ばし――サイリアの乳首をキュッっと摘まんだ。


「ξξξξξξξ……」

 声にならない声を上げるサイリア。細くか弱い高周波を出す。


「こら、リーン。ひとさまの乳首を触るの禁止、止めなさい」

 ミレーダは硬直したままのサイリアの後ろから注意する。


「……綺麗な色、羨ましい……大きい」

「もう、ビックリするでしょ。あんたも結構良い胸してるじゃない?」

「……乳首、長いから」

「もう、そんなのいいじゃない。男は吸えるくらい長い方がいいのよ。陥没している子だっているでしょ」

「姉さんも良いかたちだから言える……」

「もう、リーン、自身を持ちなさいっていっているでしょ」

「……うん」

「大きさだったらアンタ結構デカイよ」

「でも……サイリアのように形良い方がいい」


 そう言われ、ミレーダは背後から硬直しているサイリアの胸を鷲掴みにする。

「キャァ―。ミレーダさん、何するの?」

 サイリアは背後から泡まみれの手で胸をこねくりまわすミレーダに抗議するが――その素晴らしい技術で感じ始めてしまっていた。


「いいじゃない。あれ、サイリアの胸って弾力あり。良い揉みごたえ。それに男好きする身体ね “ムッチリ”は全ての母性よ」

 ミレーダは笑いながら胸を揉む。


(いや~、ラビスもそうだし、なんで胸を揉んでくるの~)

 ここには居ないミラーキャットのラビスの事を思い出しながらサイリアは耐える。

「もう……ミレーダさん、止めて。それにムッチリって……デブでしょ?」


「ちがうわ! 胸の大きさ、角度、それに色、たれ具合、張りと揺れ、それが見事に合わすことの出来る者が未来の幸せ(※結婚)を掴むのよ」

「そう……ムネ、重要。ケツ重要」

 赤裸々に胸の話をしていくミレーダとリーン。完全においてけぼりのサイリアを余所に胸の形と乳首の色、長さ、お尻の角度などディープな内容の話をしていく。


 そこは秘密の花園。男子は決して覗いてはいけない会話をする場所。


 しかし――そこに不穏は影が忍び寄る事を水浴び中の乙女たちは知る由もなかった。


***


「お前ら……もっとゆっくりでも大丈夫だ……慎重に行動せよ」

 オジュール達は静かにほふく前進を続ける。その移動は決して地面から20センチ以上頭を上げない見事なモノである。

 オジュールを先頭にその後をラリー、ガルン、ジュローが続いている。

 息を潜め、10年以上はやり続けているように素晴らしい腕の動きと脚、股関節の使い方であった。

 地面に落ちている草木の落ち葉を気にする様子も無く、“探究者”4名はソコに広がる秘宝郷を目指していた。


「慎重に……慎重に……」

 オジュール達は小声でハンドサインを出しながら少しずつ“秘宝郷(水浴び場)”に近づいていく。


 ――目標に向かい一致団結していた。


さぁ、冒険者流儀ののぞきの始まりだ。アニキ!(ラリー)

落ち着け、何名の同志達が討ち死にしたのか知らないのか?(オジュール)


そうだ、『らっきースケベ』は極限のスキルである(神様)


もしかしたらこの話で2万字以上書けたかもしれない……。そう、際どい話を混ぜながらね。




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