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私達、冒険者として生活します!  作者: あきら・たなか
第3章; 御嬢様の御弟子入り
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魔剣解放

(先に片付けるか!)

 このままでは挟撃のような戦局になってしまい不利だと感じたジョーは目の前の2匹のノフューマの処理を考える。

 石を投げて牽制しているノフューマにジョーは右側の鎧をと剣を盾代わりに急いで間合いを潰していく。


 するとノフューマが石では無く土を投げ始めた。

(くそ、こいつら頭が回るな)

 ノフューマの戦闘方法の型は無く、あらゆる手段を用いることがあるとジョーは思いだしていた。

 魔物の中には単体で生活する魔物(※例;巨大多脚猪(ジャイアントラージフット))は身体の大きさと質量によって力任せに勝負を決めようとする傾向がある。

 または、獣鬼(トロール)のように自分を頂点に小鬼等を従えて狩りを行う魔物もいる。

 

 大体が10匹に満たない集団であり、攻撃方法も似たような行動で緻密な連携と言うモノをしない数だけで向かってくる傾向だった。

 しかし、ノフューマの場合は違う。同じ種族で纏まる、身体の大きさも違うが大抵10匹以上の集団にもなる。

 そして、個体の大きさと年齢に合わせて、偵察班、揚動班、戦闘班のように分かれ、戦闘では個々に連携をとり、敵1体に対して集団で襲う傾向にあった。

 さらに、敵の弱点をつく頭と逃げたす知恵も持ち合わせている魔物だった。

 モンスターランクは“E”であるがあくまで個々の戦闘能力によるもので集団戦によって真価を発揮するタイプなので正確なランクは集団の多さによって段違いに変わってしまう。


(でも、甘いな)

 ジョーは土を投げるノフューマの攻撃の間のタイミングを計り、蛇腹刀を縦で無く横にしてそのまま地面に突き刺し、スイングするように地面の土をノフューマ達にブチ()けた。

 自分達のやっていた事を逆にやられ、ノフューマ達は驚く。

 顔近くに大量の土が撒かれてきた。


 目に入り、土を払おうとするノフューマだったが1つしか無い単眼の為、ジョーを完全に見失い、さらに隙が出来てしまった。


 ジョーは土で前が見せず焦っているノフューマの頭を腕ごと斬り裂いた。

 顔半分と右肩部分が無くなりそのまま倒れてまずは1匹倒すと、すぐに2匹目も間合いに移動していた。

 2匹目のノフューマは適当に手を振り回しているが正確にジョーを捕捉出来ていた訳ではなく、音に反応していた。

 しかし、ジョーはそのままノフューマの無防備な胴体を()いで両断し倒した。


 それらを始末し終えた時。

 森の中から5匹ノフューマが飛び出してきた。


[ガサ、ガサ、ガサ、ガサ、ガサ………]

 さらに草木の音がして、ノフューマの本隊と思わしき集団が10匹現れる。


 その場に合計15匹のノフューマの集団がいた。


(げッ、数が多いじゃないか……)


 ジョーはそう思うが、ノフューマ達はすぐに到着後すぐに咆哮を上げる。すると2隊に分かれ、ジョーとサイリア達のほうに襲いかかった。


「サイリア迎撃しろ!」

 ジョーは大声を上げる。


***


 ノフューマの群れが7匹サイリアの方に向かって来た。

「ウィンちゃんお願い」

 サイリアがそう喋ると、ウィンティーネは水の円球を震わして水弾多数の水弾を放つ。

 が――、ノフューマの群れもその瞬間にバラけ、そのまま拡散する。

 先頭を駆けていた2匹が避けようとするがそのまま水弾の弾幕に当たり、倒れ込んだ。

 残りの5匹はそのまま横に広がりながらサイリアを襲った。


「…射ぬけ、魔術(マジック)(アロー)

 サイリアは呪文を唱え身体の周囲に透明な魔力の塊が15弾ほど形成されていく。

 そして杖をつき出すとそのまま横に広がっているノフューマ達を襲うが。――そのまま手を交差させたノフューマに防御され、何弾か当たるが致命傷に(いた)っていなかった。


 しかし、防御で動きの止まったノフューマの1匹に水弾がまとめて当たり、そのまま肉をえぐり取り身体を貫通していた、そして断末魔を上げ倒れる。


 すると――突然。

 その中の1匹が天に向かって吠えだした。

[ボオオオオオォォォォォォォォ!]

 その声に、カティアの後方から5匹のノフューマ達が飛び出す。


揚動(ようどう)!」

 サイリアは驚いて声を出した。

(カティア達が危ない!)

 サイリアはそう思い、その集団に杖を構える。

「…射ぬけ、魔術(マジック)(アロー)

 そう呪文を唱え、急いで10弾の魔術の矢を形成して一斉(いっせい)に飛ばした。


 しかし、魔術の矢は同じ様に防がれ、致命傷になっていない。

 サイリアは(あせ)る。

 そのまま無情にもノフューマの集団はカティア達に襲いかかろうと向かっていった。


 カティアとメリーダは装備を構え迎撃態勢を取る。


「お嬢様は後ろに!」

 メリーダはそう叫んで前に出て鉄の盾で防御体勢を取った。

 しかし、凶暴なノフューマの顔にメリーダの足は(すく)む。

 声を出しながら向かってくる自分より巨大な集団を前に足が震えて上手く力が入らないのを自覚しているメリーダだったが、使命感からなのか逃げ出そうとせずに前に立ち続ける。


※※※


 ジョーは向かってくるノフューマを斬り伏せていた。

 もう4匹程斬り伏せて倒している。


 しかし、サイリアの方からノフューマの咆哮が聞こえてきた時にさらに5匹ほど増えて襲っていた。

 器用にノフューマ達の攻撃を避けながら、場所を移動しつつジョーは攻撃を合わせている。

 横眼で状況を確認しながらジョーはカティア達の後ろにも5匹群れが襲う事を確認する。


「スネーク、《力を貸せ》」

 ジョーは力強く握っている蛇腹刀に話しかける。

【どの位だ】

「10だ」

 ジョーがスネークと会話をしながらまた1匹、襲い掛かってきたノフューマ斬り裂き倒した。


【わかった、いくぞ】

 すると魔剣の柄にあるスネークの眼が淡い光を放つと、ジョーの身体に魔力が蛇腹刀から流れ込む。 

 そして一瞬にしてジョーの右目が細く長い縦長の瞳孔(どうこう)に変化していく。

 まるで“蛇眼”だった。


「喰い殺せ」

 ジョーがそう言って剣を水平に振ると――空間が振動するようになり。まるで振った剣が、(かすみ)がかったように見えなくなり。


 次の瞬間――。

 いままでジョーを囲っていたノフューマ達の胴体が急に斬り裂かれ。弾け飛んだ。

 そして――そのまま9匹とも倒されてしまった。

 辺りにはそのまま放射線状に血が飛び散り、空から見ると赤い花が咲いているように見える。


 ジョーは剣を振るった後、その様子も確認しようともせずに、ただ真っ直ぐにカティア達の元に信じられない速度で向かっていく。




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