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私達、冒険者として生活します!  作者: あきら・たなか
第3章; 御嬢様の御弟子入り
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乱戦突入

【ジョー、コイツの血は美味くないな】

 引き抜いた蛇腹刀に(したた)る血が消え、スネークはそう言う。

「違うぞ、こいつは数を食べれば美味しくなるんだよ。まだまだいっぱい“おかわり”がくるから」

【不味い飯で腹一杯は嫌いなんだが……仕方がないな】


 スネークは観念したように言うが、言葉の最後から残念そうな雰囲気が漏れる。


 ジョーとスネークが話している後ろでサイリアが呪文を唱え始めた。

 杖を突きだし精神集中している。


「異界の門よ、開け、此処に契約を命じる、我を助け、力を与えよ。水精霊(ウィンティーネ)召喚」


 すると、サイリアの周りに水の粒が集まり、それが少しずつ大きくなっていく、そして踊るようにサイリアの身体の周りを舞うと、杖の周りに集まり始め、水玉が圧縮され。深く濃い青い20cm程の球体になっていた。


「ウィンちゃん、よろしくね。私達を助けて」

 サイリアがその球体に話しかけると。水の球体の周りに水の()っかが現れて振動している。

 まるで“まかせなさい”と言っているようだ。


「やっぱり、可愛いわね」

 サイリアがそう言うと、ウィンティーネは輪っかを何個も作っていた。


「サイリア、召喚終わったのか」

 ジョーがサイリアの方を向いてそう言うと。

「終わった、可愛いでしょ」

 と満足げな表情をジョーに向ける。

「ハイハイ、かわいいから、準備してくれ」

 取ってつけたような言い方でジョーは呆れている。


 近く岩陰で(ひそ)かにカティアが目を輝かせて「……私も精霊召喚したい」と言っていた。


 そうこうする内に、森の奥から――

[ボオォ、ボオォ、ボォ、ボォ、ボォ……]という鳴き声が聞こえてきた。

 今度は複数来ているようだ。音が絶え間なく聞こえ重なっている。

 ノフューマが群れで3匹現れた。


「ボオオオオオオォォォォォォ!」

 ノフューマの群れの1匹が咆哮(ほうこう)して手で胸を叩き威嚇していた。


「やるぞ、サイリア、準備してくれ! カティア達を守る事を優先させろ!」

 ジョーはそう叫ぶように命令を飛ばす。

 そしてすぐに向かって来た3匹の先頭を走るノフューマに蛇腹刀を正面に突き出した。


 伸びる剣撃はそのままパフューマの顔面を捕らえようとするが、その時、ノフューマは腕を交差させ防御体勢を取る。

 ジョーは素早く剣先を操り、突き咆哮を腹に変更させた。

 曲がる剣撃になりそのままノフューマの腹に刺さる。

 その時、[ゴエェェェ!] と痛がる声を上げるノフューマだった。

 その行動に後ろを走っていた2匹の動きが停まるような素振りを見せるが、ジョーは剣を伸ばし刺さったままのノフューマに向かって肉体強化魔術を最大にして突進すると、蛇腹刀を連結させ元に戻すとそのままの勢いでノフューマの腹を引き裂いた。

 剣先から内臓のようなモノが飛び出ていた。

 ノフューマが断末魔を上げる暇もなく、ジョーは素早く体を入れ替え。そのまま蛇腹刀を切り上げる。

 腹から顔にかけて真っ二つになるノフューマ。

 血が飛び散りジョーにもかかっているが気にしていない。そのまま絶命したノフューマを蹴り飛ばすと。

 動きを止めて固まってしまっていた、もう1匹にぶつかる。

 その事でノフューマは同族の血で眼つぶしにあい、目をつぶって止まっている。

 パニックになった1匹のノフューマをジョーは見逃さない。

 すぐにそのまま上に振りかぶり、頭部に一撃を入れると、頭が割れ、目玉が飛び出したノフューマの死骸が増えた。


 ジョーが2匹目を仕留め終えてからすぐに残りの1匹であるノフューマがそのままジョーに向かって来た。

 その事を察知したジョーは素早くその場から横に跳躍(ちょうやく)すると、そのまま距離を開ける。

が――その時。


 細い、砲弾のような線上がノフューマの身体を突きぬけていく。

 するとそのまま、残りのノフューマはジョーに向かう途中でゆっくり倒れて、そのまま絶命していた。

 

 サイリアのウィンティーネが水弾を創りだし、そのままノフューマに放っていた。


(まったく、サイリアよりも正確で強力な援護だな……、あいつ、召喚精霊出しとくだけでよくないか?)

 ジョーは剣を構えたまま、横を向きサイリアをみた。

 サイリアはウィンティーネを褒めている。

「ウィンちゃんスゴイ!」

 そう言って手で水の球体をパチャパチャと叩いている。


 ジョーはその様子をみて、血塗れになった自分の顔を左手で(ぬぐ)う。


 ――湖畔には4匹のノフューマの死骸が倒れていた。

 その中心にジョーがいる様子をカティアは口を開けて眺めていた。

 無言のままジョーを見ている。


 そして――また森の奥からノフューマの鳴き声が聞こえてきた。


【ジョー、おかわりが来たようだぞ】

 スネークはそう言って知らせる。

「ああ、どうやら今度はもっと多いな」

【……力を貸そうか】

「じゃあ、危険になったらな……」


 ジョーがそう言うと今度は5匹のノフューマが姿を現す。


「くそ、“本隊”が近づいてきたのか……」

【その可能性が高いな】

 ジョーは愚痴を言って、スネークが冷静に言葉を返すと、ノフューマの群れは集団で威嚇をして、まとめて襲いかかってきた。

 


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