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私達、冒険者として生活します!  作者: あきら・たなか
第3章; 御嬢様の御弟子入り
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お嬢様の初戦闘

 ジョー達は森の入口に到着する。

 木々が生い茂る場所だが、先人達が残した足跡が獣道のように森の奥に続いていた。

 ジョー達は馬車を降りてカティアが降りるのを待っている。

 

 カティアはメリーダの後ろに隠れるように降りてきた。そしてジョーを恨み目で睨んでいる。


(俺は明日牢屋行かもしれないな……)

 自分がやって事を少し後悔しながらジョーは腕組みしながら待っていた。


「準備はいいか、すぐに出発するぞ」

 ジョーはそう声を掛ける。

 するとメリーダは頷いているがカティアは猫のように警戒心の強い声をあげている。

「キシャァァァァ……」と言いそうなほど毛を逆立てて怒っていた。


「お嬢様、ご返事を……」とメリーダは言うがカティアは無視してジョー睨んでいる。


(俺は明後日には打ち首かもしれない、けど……いいか、もうやってしまった事だ)

 ジョーは後悔するが楽天的に考えている。逃げ出そうと……。


「ジョー、かなり怖がられてない?」

 サイリアはそう言ってジョーに近寄った。

「いいんだよ、サイリア、今さらもうどうにもならないからな、明日には逃げ出す準備をしておけよ」

「もう、ジョーはいつも適当よ!」

 サイリアは怒っているが、ジョーは気にしないように手をヒラヒラさせた。


「じゃあ、出発する。予定時間は2刻程だ、それまでには帰ってくる」

 そう言ってジョーは手で合図をした。ついて来いと!


 そうしてジョー達一行は森の中に入っていった。


 暫く獣道のように足跡ではげた道を通っていく。天気も良くないのもあるのだが森の奥に行くにつれて陽の光が入って来なくなっていた。

 薄暗い森の中を、ジョーを先頭に歩いていく、辺りを警戒しながら。


 たまにジョーは後ろを振り向いてカティアとメリーダを確認するがその度にカティアに睨まれて警戒された。


 溜息をつきながらもジョーはそのまま進んでいった。


【ジョー、何かの気配だ、こっちに接触しそうだ】

 スネークはそう言って教えてくれる。


 ジョーは立ち止り、小さい声で「警戒、敵接近」そう短い言葉を並べて蛇腹刀を取った。

 ジョーの言葉にすぐサイリアは反応して武器を構え辺りを見回す。


 するとカティアも慌てて武器を抜き、メリーダも剣と盾を装備して警戒態勢をとった。


 ジョーは辺りを見回すと、3時方向に動く集団を発見する。

「頭を低く、影を発見した」

 すぐさま指示を出す。

 ジョーは見ると小鬼の集団だった。武装した小鬼5匹、上位小鬼1匹と言う典型的な集団だ。


「なーんだ、ただの雑魚じゃない。楽勝よ」

 カティアはそう言って頭を上げた。

(阿呆、何なってんだ、このガキは……)

 ジョーはそう思うが、もう遅かった。むこうからカティアの紅い装備が丸見えで小鬼達は警戒の声をあげている。


「さあ、かかってらしゃい、天才の戦い方を見せてやる」

「お嬢様、危ないですから下がって!」


 メリーダはそう言ってカティアを制止させようとするがもう興奮しているカティアは止まらなかった。


 ゴブリンの集団が向かってきた。

(だから、子守りは嫌いなんだ……)

 ジョーはそう思いながら蛇腹刀を構える。


 すると小鬼達は散開して襲って来た。こっちの人数を把握しての行動だろう。

「いくわよ!」

 カティアは飛び出す。その時、メリーダは「お嬢様!」と大声を出した。


 ジョーはとりあえず向かって来た1匹の小鬼を袈裟切りで瞬殺した。

 すぐに横を見るとカティアは2匹の小鬼と斬り合っている。小鬼達は錆びた鉄の剣を振り回している。それをギリギリでかわしているカティア。

 メリーダは斧を持った小鬼と対峙して盾で防いでいた。しかし腰が引けている。

 サイリアは1匹の小鬼に魔術(マジック)(アロー)を12発ぶち込んでいた。


(サイリア、おまえ過剰にやり過ぎ……)

 ジョーはそう思いながらすぐに蛇腹刀を伸ばし、メリーダの苦戦している小鬼の頭に突き刺し、吹っ飛ばした。

「ギョエェ!」と断末魔を上げるがジョーは素早く蛇腹刀を戻すと、すぐに駆けだしてカティアを助ける為にむかった。

 

 カティアは1匹の小鬼の心臓付近に剣を突き刺し絶命させているが、剣が抜けづに動けないでいた。

 そこにもう1匹の小鬼が襲いかかる。


 カティアは驚くが、次の瞬間には[バァカッ!]と擬音がしそうな程、見事に頭から切り裂かれた。

 ――ジョーが後ろから仕留めていた。


「早く、剣を抜け、ボブ・ゴブリンが残っている」

「わかってる、命令しないで!」

 ジョーの命令にカティアは反抗した。

 すぐさま剣を抜くと姿勢を戻すカティア。


 上位小鬼は動きが止まって離れた所にいる。短い時間で仲間が死んだ為、そのまま反対方向に逃げ出した。


「逃がさない、……喰らいなさい。私の魔術を!」

 そういってカティアは唱え始める。


「火よ、燃え上がるモノ達よ、私に力を……『そして私を輝かせなさい』、重層火炎弾(ケルべニック)

 剣をかざし、狙いを定めた3発の火炎弾が上位小鬼に一直線に飛んで行く。

 そして、そのまま直撃して燃え上がった。


「ギュアアァァァァァ……!」と言って炎に焼かれながら転げまわる上位小鬼。

 暫くすると転がるのを止め、そのまま燃え上がり動かなくなった。


 それを確認したカティアは嬉しそうにジョーを見つめる。


「どう、わたしの実力が理解出来たかしら……」

 そう自信にあふれた顔をして格好をつけたカティアが自信満々にそう言って来た。

 ジョーはカティアに近寄り。

そして……。


「ガゴォ!」――強めの拳骨を頭に落とす。


「ギャフッ!」と言う声を出しカティアの顔が歪み、また頭を押さえてその場に座りこんだ。


「アホ! 何をやっている、お前こんな森で火炎弾(ファイアーボール)を使う奴がいるか! サイリア! すぐに消火しろ!!」

 ジョーはカティアを一喝してすぐにサイリアに指示を出す。

 サイリアはすぐさま“水流(ウォーターラッシュ)”の魔術を唱え、木々に燃え移った火を消していく。


 その間に剣を納めたメリーダがカティアの元に駆け寄り、また同じ様に(なぐさ)めている。


「ジョーさん、お嬢様をあまり叩かないで下さい……」

 メリーダはカティアの頭を撫でながらジョーに言った。

「それは駄目だ。そいつは冒険者としてやっちゃいけない事をしたからな!」

 ジョーはそう言って強く反論した。

「説教は火を消してからだ。それまで周囲の警戒をしていくれ、その阿呆をいつまでも慰めるな!」

 ジョーはそう言ってサイリアの元に向かった。

 その後、すぐにサイリアと一緒に火事になる前に火を消しにいく。


 その間、カティアはメリーダに慰めながら泣いていた。


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