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私達、冒険者として生活します!  作者: あきら・たなか
第2章;町の危機に立ちあがる冒険者
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騒動の予感

 ジョーは買い物を終え、一端拠点に戻るともう昼過ぎになっていた。

 家でジョーが「腹減ったな」と言うと、サイリアが「じゃあ、作れば」と、そっけない返事を返してくる。

「飯食いに行かないか?」

 ジョーは誘い文句をサイリアに言うと……。

「今日はカネを使いすぎたじゃない、節約したら?」

「いいんだよ、カネがあるうちに贅沢も必要だろ、それにサイリアも疲れたろ?」

「……まぁ、そうだけど」

 そう言ってゆるい意見が纏まっていく。

 ジョーとサイリアは今日も『またたび猫の酒場』で……はなく、「フィルティアの酒場」で昼飯をとっていた。

 ジョー達の拠点の家からも近く、料金も格安で量が多いと評判の酒場だった。

 フィルティアの酒場は木製の大酒場で机が乱雑に置かれていて、人が多い、近くにいる職人や冒険者、住人も来る為、賑わっていた。

 店内は酒樽が積まれていて、木製の柱が所せましと吹き抜けの店を支えている、笑い声が天井に反射して、響いていた。

 ジョー達は適当な机に座り、店員を呼んで、品物を注文していた。

 ジョーはB定食と麦酒、サイリアは野菜サラダとパンと煮魚といった具合に注文をしていた。


「サイリア、どうした浮かない顔をして?」

 なぜかモジモジとしているサイリアに声を掛ける。

「べ、別に良いじゃない、何でもないわよ!」

 と、ジョーに言われハッとなるサイリア。

「はは……人が多い所が嫌なんだろ」

 ジョーはからかうような笑みを見せる。

「ち、違うし! ちょっと落ち着かないだけだもの」

「……まぁ、サイリアが人混みが苦手なのは知っているよ。ソレを克服するための試練だと思えばいいんだ」

 心配そうにしていない顔で、重く受け止めない軽い声でそう言った、ジョーはサイリアをからかっていた。

 ソレを理解したサイリアはジョーを睨む、それも獰猛な目で! あんた、遊んでんでしょ。――と言いたげな目をしながら睨んで、睨んで睨み倒していた。

 睨まれたジョーはたじろくが、もう後には引けなかった。


 そんなジョー達に突然横から声が掛かる。

「よう、“双蛇”のチーム久しぶりぃ」と、軽いノリの声が聞こえてきた。

そこには3人の男達がいる。冒険者チーム『三槍将(トライデント)』の『ミック』、『ラリー』、『グレー』がいた。

 彼らはCランクのチームで、ミックが統率していた。名前の通り全員が槍の武器を主体に依頼をこなす。

 ミックは三叉に分かれた魔槍を使い、それに投擲武器も使いこなす、それに棒術も槍術高い技術でこなせるタイプだった、装備は基本的な甲冑に小盾を装備したバランス型だった。

 種族は人間で髪は茶色、顔は濃く、男らしい、それに髭が薄く生えているのがワイルドだった。

 ラリーは軽いノリの奴でジョーに話しかけてきた男性だった。ミックとは違い、刃が厚手で長く先端が重い槍を装備していた、防具も胸当てと腰と足当てだけで兜もしていない完全に機動力重視の装備だった。武器と、防具がアンバランスだが冒険者に決まった型はない、自分に合っていればそれが最適な装備になっていた。

 種族はミックと同じ人間で髪は金髪で長めの髪を後ろに纏めている。顔は遊び人のように整っている、それに耳と鼻にピアスをしていた、それにミックと同じぐらいの180㎝もある身長だった。

 グレーは重装備の鎧に大きめの鋼鉄の盾とハルバート型の槍を使っていた、ガルンと同じ盾役だが、重量級の一撃が主力でもある装備だった。

 種族は人とドワーフのハーフでハーフドワーフと呼ばれている。その為、顔は厳つく髭も濃く、身長は165㎝位しかないが、もの凄く太い、全身が筋肉で覆われているのが遠目でも分かる程だった。

 今日は3人ともある程度装備を外して酒場に来ていた。


「よう、ミック、ラリー、グレー…元気か!?」

 ジョーはとりあえず冒険者としての挨拶をした。

「いつもと変わらんな、ジョー達も食事か?」

 ミックはジョーに訊いてくる。ジョーが「ああ、そうだ」と返事を返す間に、ラリーが……。

「よう、サイリアちゃん、可愛いねぇ。今度、遊ぼうよ」

 と、ラリーがサイリアをいつもの様に誘っていた。

 サイリアも「……いえ、いいです」と距離を開け、敬語で断るが「いいじゃん、いいじゃん」としつこく迫っていた。

「ミック、仕事が済んだのか? この時間って事は?」

 ジョーはサイリアが絡まれるのを無視してミックの方を向いて話した。サイリアは、ジョー、助けなさい。――と、眼で訴えているが気にして無かった。

「ああ、そうだよ、昼ごろついて、ギルドで査定を終えてここに来たんだ、5日もかかっちまったよ」

 ミックは苦々しそうに言った。

「なんだ、簡単な依頼だったのか?」

 ジョーはミックの表情が気になり訊いてみた。

「ああ、初めはそうだった。西にあるショーレン村の洞窟と近隣の魔物討伐の依頼だったんだが……予想外に小鬼(ゴブリン)が多くてな……手間取ったんだよ」

「そうか。最近多いな、俺もこの前の依頼で西に依頼があっていったんだけど、小鬼が増えていたな。ミック、最近多くないか?」

「ああ、そうだな、ジョー、俺もそう思うよ」

 ジョーとミックが真面目な会話をしている、最中も、ラリーはサイリアに付きまとい、「遊ぼうよ、いいじゃん」と、言ってずっと誘っていた、その内、サイリアも嫌になって、無言で無視し始めている。

「ラリー、いい加減にしろ、サイリアも迷惑している」

 と、グレーが注意しながら、ラリーをギロリと睨む。

「ちぇっ、しょうがないな」

 ラリーはサイリアに付きまとう事を止めて離れていった。


「ラリー、グレー、俺達は違う席に行くぞ」

 そう、ミックが言うと、グレーは「わかった」というがラリーは「いいじゃん、相席で」と駄々をこね始める。

 すると、グレーは「馬鹿者、気を使え」と、言ってラリーの首元を掴み、引きずっていく。

「じゅあな、ジョー、サイリア、今度一緒に仕事しようぜ」

 ミックはそう言って2人の後を追いかける。

 ジョーと、サイリアは手を振って見送っていた。

 暫く、すると、サイリアは溜息を吐いてジョーを見る、そして―――机の下からジョーの(すね)を蹴りあげた。

「痛てっ! ……何すんだよ! サイリア」

「ジョー、罰よ、なんで助けてくれないの?」

「その位、ラリーの頬をひっぱだいて、おけばいいじゃないか!?」

「その前に助けないさいよ、相棒でしょ! 仲間でしょ!」

「……、サイリア、俺はお前に成長を促していたんだよ。あえて厳しい環境に置く事で成長を促していたのさ」

「馬鹿! それは『魔獣成長理論』の話でしょ、今は関係ないわよ!」

「そう言うなよ、……俺も助けられない事もあるんだから、自分で何とかする事も覚えておいた方がいいぞ」

「……分かっているけど…助けてよ」

 サイリアは最後お願いするように言ってきた。

「……わかったよ、本当に危ない時は助けてやるって」

「本当よ」

「わかっている、それより、飯が来たから、食べよう、腹減ったよ」

 ジョーがそう言うと奥から若い女性の店員がビールと注文した品を運んできた

 そのままジョー達は美味しい昼飯を味わって食べていく。―――


※※※


 翌日ギルドに入るジョーとサイリア、入った瞬間いつもの様に騒がしい感じがしない、全員が混乱している感じがした。

[なんか変だぞ? いつもと違う]――ジョーは思っていた、隣にいるサイリアも同様に不思議がっていた。

 全員が浮足立っている感じだった。

 ジョーは辺りを見回すと“双璧”のリーダーのガルンとガインを発見する。

 近づいて行くとジョーは声を掛けた。

「おい、ガルン、ガイン、何か変じゃないか?」

 2人はジョーの声に反応してこちらを向いた。

「おお、ジョーとサイリアか……えらい所に来たな」

 ガルンは渋い顔をしてそう言った。

「どうしたんだ?“えらい所に”って?」

「未確認なんだが、『王様小鬼(ゴブリンキング)』が出たらしい、その為ギルドの慌てているんだよ」

 ガインは説明してくれた。

「えっ…嘘…」

 サイリアが驚いた顔をしてそう言った。――


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