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私達、冒険者として生活します!  作者: あきら・たなか
第2章;町の危機に立ちあがる冒険者
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みんなで狩猟依頼

 ジョーとサイリアは前の依頼が完了してから数日経っていた

 現在は『ブルーバットルの毛皮採取』の依頼を受けていた。―― Cランクチーム『ミラーキャット』と一緒に。

 ブルーバットルは四足歩行のゲゼル型(=鹿)の様な魔獣だった。

 魔物ランクはFランクなので弱いが……その毛皮の価値が高かった。

 現在市場ではその価値が値上がりしている為、ランクは低くともカネになっている。だだし、倒し方に注意が必要だった、胴体の毛皮を傷つけない様に首を一瞬で切り落とすか動きを封じて麻痺またはその他の手段で戦闘不能に追い込む事が推奨(すいしょう)されている依頼だった。


 倒すだけでは無いのが冒険者の依頼なのだ! そこは臨機応変(りんきおうへん)に! ――と過去の冒険者たちの金言もある。


 その為、依頼ランクはCランク依頼になっていた。(※依頼ランクは全ての状況を加味して決定されます)

 Dランクの依頼でもいいのだがDランクチームはギルドレベルが21~40と区々(まちまち)の為下手な冒険者にでもあたったら毛皮が駄目になってしまう、それに、ブルーバットルは狩る時期が決まっている魔物だった、繁殖期と子供を育てる期間の依頼は禁止されている、他にも子供のブルーバットルを狩る事は禁止、それに狩る量も決まっていた。

 弱い魔物が相手で狩る技量のある者にとっては美味しい依頼といえる。


 “双蛇(ツインスネーク)”のジョーとサイリアと“ミラーキャット”のラビス、アンジー、ミレイはベルンの町の東の草原、『グシュの草原』と呼ばれている所で依頼を開始していた。

 ベルンから大体、馬車で2日間進んだ草原の中に拠点を作り仕事をしている。

 天気は快晴の絶好の狩り日和と言えた。


 草原にある木の陰でジョーは近くにるラビスに合図を送るラビスもジョーのハンドサインに頷く。

「サイリア、魔術の矢…5弾位あの集団に撃ってくれ。頭を狙えよ」

 ジョーは近くにいるサイリアに頼んだ。

「いいの? 少なくない? 20弾はいけるけど」

 サイリアも小声でジョーに返す。

「いや、駄目だ、5弾だけ! それ以上は撃つなよ、俺達は移動するから……5分後位にここから打ってくれ」

「わかった」――サイリアは短く返事をかえして、ジョーとラビスとアンジーは移動を開始した。

 ブルーバットルに警戒されない様に風の向きに気をつけながら数少ない木の陰を移動する、ブルーバットルは草原の草を食べて休んでいた。警戒はしていない。


「じゃあ、行こうか、ラビス、アンジーそれにスネーク」

「了解だよ」

 小声で威勢のいい返事をするアンジー。――アンジーはそのまま腰に差してある武器を握る、両手に幅の広い一対の片手剣を握っていた。今日はいつも使っている大剣ではなかった。

 冒険者は仕事によって持つ武器(エモノ)が変わる事はよくあった。――技量がある者だけだが。


「は~いはい」

 ラビスは軽い返事をした。――細身の刺突武器のレイピアを右手に、左手の手甲に短筒を装備していた、コレは短い距離だが短矢を飛ばせる携帯武器の一種で威力は低いが矢の先に麻痺性の毒が塗ってある狩り用の武器だった。


【ジョー、とちるなよ】

 スネークから激励(げきれい)の様なモノが飛ぶ。

 しねぇよ――と、言って、ジョーは返し背中にある蛇腹刀の(つか)を握る。


 ――すると、ブルーバットルの群れに向けて魔術の矢が飛んで行くがブルーバットルも気配に気がついて……全弾見事に外した。

 それを合図にジョー達は木の陰から飛び出した。

【見事な『散り』だったな】

 そう、スネークは言う。ブルーバットルの群れは現在四方八方に散って逃げ出していた。


 『散り』とは。魔獣の群れに遠距離系の魔術を放ちワザと外して驚かせる事(※サイリアは当てようとしていた)で、混乱して逃がす冒険者ならではの技術(テクニック)だった。『釣り』とは異なり相手を驚かして、逃げた標的を別動隊が狩りをする為に使う。


「ああ、そうだな、スネークよ! っと――」

 ジョーは肉体強化魔術を使いながら、高速で逃げているブルーバットルに接近して間合いを詰めながら、肩口から、斬撃を放つ。

 蛇腹刀は高速で伸び、うねりながら、1頭のブルーバットルの喉元を切り裂いた。

 ブルーバットルは喉元から血を拭きだし、「ギュルルルル…」と、言って[ズシン!]と音を鳴らし倒れた。


 ラビスはジョーと同じ様に目にも止まらぬ速さで近づいて。

「よっと」――ラビスは言いながら剣を振るう。

 そのまま1頭のブルーバットルの下顎からレイピアを突き刺した。剣が頭から飛び出て、断末魔を上げて倒れた。


 アンジーはジョーとラビスより速さは無いかった。同じく肉体強化魔術は発動しているが、重戦士で装備が重いのと、力任せ担当だったからだ。

「ミレイ!」と、アンジーが叫ぶと……


「地よ、その姿を変えよ、豊潤な土よ、我を受け止めよ。…柔土場(ソフトグレッシュ)

 木の木陰からミレイが魔術を発動する。


 ブルーバットルが、逃走している方向の地面で魔術陣が形成される、そこに逃げ込んだ2頭の足が40㎝地面にめり込んで動きを止めた。――動けないでいる。

 そこにアンジーは跳躍(ちょうやく)して動きの止まった標的の首を…空中に居ながら見事に跳ね飛ばした。

 首を飛ばされたブルーバットルは()飛沫(しぶき)を上げてその場に倒れる。


 それを合図に逃げ惑うブルーバットルの群れを倒していく、ジョーは蛇腹刀を振るい連続で2頭を仕留め、ラビスは短筒を使い敵を麻痺させて止めを刺した、アンジーはミレイと連携して狩りを進めていく。

サイリアは魔術の矢で倒そうとしているが見事に『散り』の役割を果たしていた。


 ――こうして、ブルーバットルは混乱の内にジョー達に狩られていった。


「ふー、もう良いんじゃ無いか? 規定数に達しただろ?」

 アンジーは周りを見渡して言った。

「…そうだな、それじゃあ血抜きしたら馬車に詰め込んで運ぼう」

 ジョーは提案する。

「さんせー」

 ラビスは剣についた血を布で拭きながら明るい声を上げる。

 ミレイも――よし、やるぞ!――と、いう行動をとっていた。――ミレイは呪文しか喋らない人だった……。

 サイリアは落ち込みながら森から出てきた。そして小さい声で「わかった」と(つぶや)いた。

 結局、ブルーバットルはジョーが6頭、ラビスが3頭、アンジー達が6頭の計15頭狩り終えた。


 ジョー達とアンジー達は血抜きをしたブルーバットルと自分達が所有している馬車に詰め込んだ、当然〈保存〉の魔術は掛けてある。


***(帰還中)


「今回は早く終わったな」

 ジョーは現在、馬車の上で馬を操縦しながら隣にいるサイリアに向けてそう言った。

 が、――彼女は拗ねている為、ジョーの言葉にも「そうね」と、そっけない返事しか返さない。

「おーい、サイリアさん。……怒っているのか?」

 ジョーは聞くがサイリアは無言だった。

【サイリア、見事は『散り』だったじゃないか】

「……違うから…」――サイリアは頬を赤くして恥ずかしそうにしている。

「言ってやるなよ、スネーク、アレはサイリアの全力だって、1頭も仕留められなかったからだよ」

【でも、いいじゃないか、貢献したことには変わりないぞ】

「でも、私0頭だし……ジョーは6頭も倒したし…。それに杖の調子が悪かったし…獲物の勘が良かっただけだし」

 ――そう、いってブチブチと文句を言うサイリア

【杖に調子なんて無いぞ、あくまでその杖は補助だから】――と、スネークは忠告する


 そうすると……サイリアは空を見上げていた、快晴の空を――。


(言ってやるなよ、スネーク。言葉を選んでね……。でも、正直に言えばサイリアの魔術が当たらなくて良かった、胴体にあたったら価値は下がるし面倒だったな)

 1つ依頼で15頭前後までと数が決まっていた。それに胴体に当たったブルーバットルの毛皮は価値が下がってしまうので避けたいのがジョーの本音だった。


「しょうがない……今回の依頼は早く済んだ。それに懐も温かいから…帰ったら買い物にいくか!」

そうジョーは提案すると……。

「行くー!」と、サイリア凄い勢いで喰いついてきた、さっきの不機嫌そうな顔が嘘のように、満面の笑みを浮かべていた。


 ジョーは溜息を吐いて、サイリアは元気になってギルドに帰っていった


*********

『ブルーバックルの毛皮採取』

報酬、1人銀貨33枚

*********


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