貧乳コンプレックスを持つ妹なんてろくなもんじゃない!!
「リーゼン如きにバールの様なアホは抑えきれん、バールは勝手に孤立して囮になってくれるだろうからそこにお前の遊撃部隊で敵を分断すればあとは本体と合流しつつ各個撃破の形に持ち込めば俺の部隊はほぼ無傷で敵を殲滅できる!」
トントンとドアを叩く音が聞こえるので一旦話を中断した。
「お兄様よろしいですか?」
来週に迫った水の国への出兵に際して自室でローランドと打ち合わせをしているホークの元に妹のセレスがお茶を持って来たようだ。
「ちょうどいいところに来たな、入れ!今はローランド以外誰もいないぞ」
ローランドに好意を寄せている妹に好意半分からかい半分の口調でセレスを中に入れる。
「お茶を持ってまいりました。どうぞ・・・いつもお兄様がお世話になっています」
ぺこりとローランドに会釈をしお茶を手渡すセレスの赤面した様子は兄であるホークには少し複雑ではあったが最も信頼できる部下であり親友でもあるローランドなら間違いなく妹を幸せにしてくれるだろうという確信もあった・・・ただしローランドにその気があればだが・・・
「ありがとうセレスちゃん!いつも偉いね!!」
(//∇//)
さらに赤面するセレスを見ながらローランドがいるときしかお茶がついてこないことは決して言わない優しい兄である。
「早速で悪い、さっきローランドと話していたんだが来週の出兵をどう見る?」
セレスはホークにとって非常に優秀な参謀でもあり大きな戦になれば意見を聞くことは多かった。
「・・・その地形でリーゼン大将の本体にお兄様とバール中将でしたよね、おそらくリーゼン様には好戦的なバール様を抑える事は出来ないでしょう。ほっておけばバール様の部隊が孤立し各個撃破の的になるでしょう。特に助けるメリットもありませんし・・・バール様を囮に敵部隊を集中させてこちらの遊撃部隊を編成して敵の手薄な部分を突いて分断して逆に各個撃破に持ち込めば勝ったも同然でしょう!!あとは自然な形で本体のリーゼン様と合流して激戦地を任せればお兄様の部隊はほぼ無傷で敵を殲滅出来るでしょう。武勲をリーゼン様に一部持って行かれますが所詮は大将止まりの器でしょうしその後の障害にもならないでしょう。」
基本的に兄のホークと同じ戦略を提示したセレスだが丁寧な説明のおかげでより一層腹黒さが増したように感じた二人だったがそれを口に出すことはなかった。
「流石俺の妹だな!いい策だ!なぁローランド?」
自分の立てた作戦で問題ないと確信が持てたホークは気持ちが楽になった。
「はい!私は剣を振ることしか出来ませんがこうして完璧に作戦を立てていただくことが出来るのは幸運に思います!」
ゆっくりとしゃがみセレスの頭を撫でながら優しく言う
「ありがとうセレスちゃん、僕は君を信じて全力で剣を振るうよ!!」
(/ω\*)キュン
真っ赤に染め上がったセレスの顔を見ながらドアに向かう
「では私は召集訓練がありますのでそろそろそちらに向かいます!」
ローランドは部屋から去っていき兄と妹が残された。
「おぉおぉお兄ちゃんロッローランド様が私に結婚を申込みました(((゜Д゜;)))!!」
ものすごく取り乱した妹だがいつもの事なので慣れたものだがかなりめんどくさいのだ・・・
「いつもの勘違いだ、気のせいだ、正気に戻れ、あれがローランドのデフォルトだ!」
セレスは少し冷静さを取り戻す
「・・・もう少し夢を見ていたかったのです・・・お兄ちゃんのせいで覚めてしまいました(´・ω・`)」
理不尽に怒られてる気がしつつ真面目な話に戻る
「ちなみに作戦の話に戻るが敵を分断するのなら細い谷間が有効だと思うんだが・・・」
・・・・
「谷間なんて無いのです!寄せても上げても『ライチジョンに出来ない谷間は無い』というフレーズに乗せられて大人買いしてしまったカップ増量下着を着けても・・・出来ないのですよぉ(´;ω;`)」
???
「・・・いやそんな話ではなく谷間を攻めるためには遊撃部隊は険しい山脈を越える必要が・・・」
・・・
「山脈など大平原に生まれた私には無関係なのです、そう神様は不公平なのです。きっとローランド様もセレーヌ様の巨乳に心を奪われているのです!!」
話がぶっとぶなぁ~
「ローランドも別にセレーヌの胸を見ているわけでは・・・」
・・・
「慰めは不要なのです、どうせ私は貧乳なのですよ!!貧乳に生きる価値なんて無いのです!生まれ持っての負け組なのです。むしろ呼吸することすら罪なのです!・・・・・っぷはぁ~はぁはぁ・・・いえやっぱり呼吸することは許して欲しいのですよぉ~( ;∀;)」
何やってんだこいつ?
「誰が貧乳ですか(゜Д゜)ノ??」
??え?
「俺は何も言って・・・・」
!!!
「この際誰が言ったとか、言ってないとか、そう言うことはもう問題ではないのです!!確かに私は貧乳ですが悪いですか?なにか迷惑をかけましたか??」
えぇ~!!
「いやむしろそういうのが好きっていうかニーズはあるだろ?」
・・・
「そんなニーズに私が応える義務はないのです。むしろまだまだ成長期の私は十分成長する可能性を秘めているのです!!数年後にはセレーヌ様みたいなセクシーな女性になってみせるのですよぉ!!」
まぁまだ16歳な訳だし可能性はあるよな・・・百分の一程度だろうが・・・
「そんな万が一どころか億が一もない可能性にかける愚かな妹を蔑む視線を辞めるのです。私にはお兄ちゃんの言いたいことが手に取るように解るのです!!」
それなら少しは分かってくれよ・・・
「いやいや百人に一人くらいは急に成長する娘がいると聞いたこともあるしそこまで悲観しなくても・・・」
!!!!!!!!
「その話もっと詳しく聞かせてください!!」
・・・めちゃくちゃ食いついたな。
「体の成長というのはかくかくしかじかで・・・という訳なんだ。」
(´・ω・`)
「可能性があることはわかったのです・・・でも私はこないだパチンコで77分の1の甘デジで2000回転ハマったのですよぉ~とてもそんな確率は引けそうにないのです(´・ω・)」
おい未成年!!
「やけに小遣いをせびると思ったらまさかそんなことに使っていたとは・・・兄ちゃんショックだよ」
!!!
「そんなこととは何か?確かに谷間は出来なかったけど私がどれだけ必死なのかは男のお兄ちゃんには一生わからないのですヽ(`Д´)ノ」
え?そっち?
「・・・パチンコ行くんだ?」
!!!!!ギク!!!!!
「いや別にMAXタイプのバトル系で確変引いても確実に一回で2単引くから最近は甘デジ打ってるとかそういうのじゃないよ?(・・;)」
そんなしょっちゅうやってたのか??
「これ以上墓穴を掘るのはやめてくれ!!悲しくなる!!」
Σ(゜д゜lll)
「・・・今言ったのは・・・冗談・・・なのですよ・・・??」
分かりやすすぎる嘘は一周して怒る気も失せるな・・・
「もう分かった、あんまり使いすぎるなよ!!」
なんだかんだで妹に甘いホークだった。
「うぅぅ~バレてしまったのです。乙女の秘密を知られてしまいました・・・あぁぁぁ~・・・いくら払ったら黙っていてもらえるでしょう??」
乙女の秘密って・・・
「いらん!!早速口止め料に思考が移動するのは我が妹ながら流石の腹黒さだな・・・」
まぁ俺なら真っ先に暗殺を考えるが・・・そもそも口止め料って俺の財布から出るんじゃ??
「あぅ~万能なお金の力でも解決できないなんて・・・!!!!つまりお金なんかでなく黙っていて欲しければ体で払えと?そういうことなのですね??まさかお兄ちゃんからそんな要求をされるなんて思ってもみなかったのです。しかし妹の弱みを握った兄の行動はもう決まっているのです。せめて、せめて野外だけは勘弁して欲しいのです。レイミーちゃんに見られたら薄い本にされてしまうのですよぉ~むしろ薄い本が分厚くなってしまうのですぅ~・゜・(ノД`)・゜・」
・・・頭大丈夫か?レイミーにそんな趣味があったとは・・・
「・・・無免許だが腕は確かないい医者を知っているから少し脳を直してもらわないか?一昨年ローランドの腕を見事に繋いだ人覚えているだろ?」
・・・
「なんだか少し馬鹿にされてる気がするのですがまぁいいのです。でも折角ブラックジョック先生に執刀してもらうなら豊胸手術をお願いしたいのです。・・・シリコンを入れるのではなく・・・そうセレーヌ様の巨乳を移植してもらうのですよ!!・・・いや待つのです」
お前がな・・・
「巨乳になってしまえばところかまわず欲情するお兄様の激しさが増すばかりなのです!!はぅ~大変なのです。しかし巨乳は捨てがたいのですよぉ~困ったのです!!」
お前がな・・・
「初めてはローランド様って決めていたのに(´;ω;`)」
・・・ふと扉の前に気配を感じる
「誰だ!!}
扉を開くと困った表情のローランドの姿があった。
「すいません立ち聞きするつもりはなかったのですが入るには入れない状況で・・・」
その気持ちは分かるな・・・
「まぁいい聞かれて困るのはセレスだけだしな!!」
セレスはパニック状態だったが少しづつ状況を把握していた
「・・・全然良くないのです!!!もうお嫁に行けません(つд⊂)」
・・・今のお前に貰い手はありません!
「ちなみに随分早いな?」
通常召集訓練に出れば数時間は拘束されるものである。
「今日は実戦形式で私の対戦相手をしてくれる予定だった班の人間が全員盲腸にかかったとかで・・・」
ローランドの相手をするくらいならサボったほうがいくらかましというものか・・・
「ところでいつごろから聞いていたんだ??」
・・・・
「谷間だとか山脈とか大平原などと言っていたあたりです。」
・・・立ち聞きしすぎだろ・・・
「はぅ~そんなに前から聞かれていたなんて、もう死にたいのです。むしろローランド様の剣で殺してくださいなのです。」
まだ混乱しているのかローランドを前にしても口調が戻らなかった
「親友を殺人犯にしないでくれよ」
ローランドは苦笑いを浮かべるが流石に剣に手をかける様子はない
「そっその私はべっべちゅにローランドさんのことが好きじゃないんですからね・・・・・ってツンデレかぁ~ヾ(・・;)ォィォィ」
パニックを起こして一人ボケ一人ツッコミまで始めてしまった・・・なんとかフォローしてやらないと・・・
「最近俺がツッコミを入れなくなったら自分でツッコミを入れるようになったんだよ。」
Σ(゜д゜lll)
「そんなまるでいつもそんな事を言ってるような事を言わないで欲しいのです!!」
・・・フォローしたつもりだったんだが怒られてしまった。
「そんな素のセレスちゃんも可愛いよ!それに胸の大きさなんて僕は気にしないよ(^^♪」
セレスの顔が混乱しての赤からテレての赤面に変わる
「しかし男の方はやはり本音を言えば大きい方がいいのでしょう??」
こんな思い込みを植え付けたのは誰だ?ほんとに困ったものだ!!
「どうしてそう思うんだい?」
ローランドが優しく問いかける
「兄の部屋に隠されたエロ本なのですが・・・」
え?
「ベットの下に何冊かあります。」
何故かそれを普通に引っ張り出してくるセレスだがこれくらいは怒ることもないだろう。
「このベットの下のノーマルな本はフェイクで本命は二重本棚の奥の最上段にあるハードカバーの本を取り出したケースの中なのです」
なんで知ってるの?この子怖い((((;゜Д゜))))
「やめてくれ~!!!」
確かに巨乳ものが多かった気がする・・・まさかセレスの思い込みの原因って・・・
「確かに巨乳なのが結構あるねぇ~!・・・けどこれを見てごらん小○生や中○生ものもあるよ(^^♪」
ナチュラルにさらし者にされてしまっているが今更この流れは止められない・・・
「あっ本当なのです!!巨乳に目を奪われて他のが視界に入らなかったのです」
少しほっとした様子の妹とは対照的に本命のエロ本の位置まで晒された兄のショックは計り知れなかった。
「ホーク様別に私はあなたがどのような性癖をお持ちでも一生ついていきますよ(^^♪」
親友の優しさが痛かった!!
ここまで読んでいただいてありがとうございますm(_ _)m
元々は今連載作品をやりたくて書いていた話なんですがとりあえず話の目処がついてから連載はじめようと思っているんですがなかなか進まないのでギャグパートを短編にして久々に投稿してみました。
まぁうっかり一話目をだいぶ前投稿してしまったのですが・・・
感想とか貰えるとすっごく嬉しいです。良かったらなにかコメントください!!