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試験とは何か

試験についての私見を述べさせていただきたいと思う


社会に出てからは試験という名前はないものの、その心構えは大切になる

試験とは自分の能力などを測るものとされている

が、これは大いに間違っている

試験に臨む心構えとしては

『自分はこんな能力をもっているぞ』という売り込みである

自分が自分を測るのであれば「試験」でなくてもいい

自分が他人に測られるのが「試験」である

この考え方は同じようで全く異なるものである


試験にはいくつかのタイプが存在する

大きくいってしまえば「加点方式」と「減点方式」である

といっても、この二つは同じように聞こえるのでわかりやすくしよう


試験といえば、この時期、センター試験や入試試験が話題になる

もっとも単純といえるこれらの試験を例に使おう

試験では「問題」が出され、それに「回答」する

そして「採点」されて点数として「結果」が出る


この手の試験では「模範解答」というものがある

いわば「100点」の回答というやつだ

だが、隠れたもう一つの大事なポイントが存在している

それは「平均何点」ぐらいを想定して作られているか、である

試験を作る場合、何でもかんでも問題を詰め込んでということはまずない

模範解答に基づいてどれくらいの点数が平均となるかを想定している


なぜ、これが大きなポイントなのか

それはこの「平均」の点数こそが大事だからだ

人数と点数のグラフを作ったとき

平均点が頂上となる山形の曲線となる、と想定される

これが「偏差値」というものの正体である

見積もりの平均点が「高い」と「低い」では違いがある

100点満点の場合を考えよう

50点平均ならば、この人数の山はちょうど左右対称になる

平均が50点よりも高ければどうなるか

左右対称とならず点数の低い人が圧倒的な少数派となる

平均が50点よりも低ければどうなるか

左右対称とならず点数の高い人が圧倒的な少数派となる

ここが大事なのだ


例えば、出来の悪い人間を振るい落とそうとするとどうすればいいか

平均点が高くなるようにすればいい

なぜなら、多数の人ができる物事ができない人間をあぶりだせるからだ


逆に、一点に優れた人間を取り出そうとするとどうすればいいか

平均点が低くなるようにすればいい

なぜなら、多数の人ができない物事ができる人間が浮かび上がってくるからだ


では、ここに「加点方式」と「減点方式」という考え方を組み込もう

そのためにはそれぞれで「いかに結果を出すか」ということが鍵となる


平均点が高いテスト

これは、つまり「多くの人にとって解ける」問題が多いということだ

なら、結果を出すためには「どれだけ間違えないか」が大切となる

できなかった問題に焦点を当てる「減点方式」である


平均点が低いテスト

これは、つまり「多くの人にとって解けない」問題が多いということだ

なら、結果を出すためには「どれだけ点数をとれるか」が大切となる

できた問題に焦点を当てる「加点方式」である


もしかしたらどちらでも結果は変わらないじゃないかと思うかもしれない

そう、点数としては変わらないかもしれない

が、これを意識すると意識しないとでは点数に差が出てくる

それは、「正解(〇)」と「不正解(✖)」だけではないからだ

センター試験のようなものではこの二種類だけだ

だが、ほかの試験では「部分点(△)」が存在する

これこそが大きなカギを握っている


減点方式では「部分点(△)」とはマイナス要因である

なぜなら「正解(〇)」から幾らかマイナスされたものであり

つまるところ、減点対象であるからだ

加点方式では「部分点(△)」とはプラス要因である

なぜなら「不正解(✖)」から幾らかプラスされたものであり

つまるところ、加点対象であるからだ


こうしてみると試験や問題自体の傾向が見える

間違えてはいけない問題

つまり、「正確性」や「回答速度」を求めているもの

どれだけ部分点を稼ぐかという問題

つまり、「発想力」や「理解力」を求めているもの

この二者が存在することとなる


さて、ここでこうした試験の作り方を逆にして見てみよう

「解けて当たり前な」問題を早く正確に解く

「解くのが難しい」問題を趣旨に沿って解かったことを明示する

つまり、自分にとって

「簡単」な問題は早く正確に片づけてしまう

「難しい」問題はとにかくポイントを押さえて大きく外れないようにする

そして、後者の問題に繋げるため前者の問題を率先して終わらせる


簡単なようでとても難しい

当たり前のことのようだが実行できない

そして、相手はこの線引きをも注視して見ているともいえる

さらにいえば、こんなに単純に分類できない試験も存在する


試験には自分を測る他者が存在する以上

その相手の意図やその基準を自ら読み取る能力は大事であり

そういった能力は経験を積むしかない


結果的にいえるのは

「試験」の前に自分の実力を知っておくことが大事であるということだ

だから「試験」とは自分の実力を誇示する場所であって

自分の実力を測る場所などでは断じてないということなのだ

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