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執筆と感情論と無知

 私がこのニュースを知ったのはとある偶然からだった。

 とあるライトノベルを読んでいて、そのときの記述に「マジか!ウソじゃないの?誇張しているだけでしょ!」と思っていた。そのときは。が、現在読み直して、ふとネットで確認してみようと検索をかけたら「本当」であることが判明した。そんな折に見つけたニュースがあった。


 2015年4月28日深夜に日テレで放送された「AKBINGO!」の「ムチャぶり」の内容が話題になったそうだ。筒の中に『ある物(セミの素揚げ)』を入れて息を吹き合い相手の口に放り込んだ方が勝ち。


 世界的な話題になったのはこれを英大衆紙のデイリー・メイルのウェブサイトが5月13日に大量の写真と動画つきで取り上げたことが原因らしい。

 Try not to swallow ! Two Japanese girls battle to blow a cockroach into the other's mouth as part to bizarre game show.

 「これまでで一番気持ち悪いかも知れない」などと酷評しているらしい。

 また、記事に張り付けられた動画は6500万回以上再生されているようで、世界中で真似をする人が続出しているようだ。


 私の感想としては、セミの唐揚げは比較的「昆虫食」に慣れていない人でも食べやすいものらしいのでまだマシじゃないかというものだ。昆虫特有のグニュっとした感触が少なく、カリッとした感じらしい。


 ただ、この記事を書いた人間は「イギリス」の食文化について詳しくないらしい。感情的に書いてしまったのだろうが、無知をさらけ出す上に、イギリスの食文化までけなしているから手に負えない。


 「ロンドンではゴキブリのペーストをパンに塗って食べていた。イギリスの船員は船の中でゴキブリを捕らえ、生で食べた。」という話は有名。あとで紹介するあるサイトでも取り上げている。


 「これまでで一番気持ち悪いかも知れない」と書いているが、おそらくこの執筆者にとって「ある番組」は見るに堪えないものとなるだろう。

 それは「世界の果てまでイッテQ!」

 過去、どれだけの国にいってそこでどれだけの悪食を経験したことか。

 「珍獣ハンターイモトワールドツアーinコスタリカ」ではコスタリカ大学で昆虫食の研究をしているところにいって昆虫ケーキ(ゴキブリはイチゴのようにイモ虫はキャンドルのようにケーキを彩る。)を食べている。


 では、コスタリカ大学ではなぜこんな研究をしているのか。

 それは「世界の食糧問題に対処するため、栄養価が高く環境に優しい虫を日々の食生活に取り入れるべき」という国連発表からもわかるように、食糧問題への対応として真面目に昆虫食が見直されているのだ。


 実際、私がネットで検索をかけた内容というのは、

 『英高級百貨店チェーン、セルフリッジズによると、同チェーンでは、国連の報告以降スナック菓子感覚で食べられる「タイ・グリーン・カレー味コオロギ」や「サソリのダークチョコレートがけ」、「カリカリ芋虫BBQ風味」などの売り上げが11%も伸びた』というもの。

 『セルフリッジズの菓子類担当バイヤー、エマ・マーフィーさんいわく、「たんぱく質が豊富な虫スナックを求める客が後を絶たない」とのことで、意外にも(?)昆虫食はすんなりと受け入れられている様子だ』というおまけまでついてきた。


 公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会では「虫を食べるはなし」という連載を農業共済新聞でしていたらしく、同新聞社の好意によりホームページにも転載されている。

 その中に『食用・薬用としてのゴキブリ類』という話もある。

 ちなみに『この連載は新たな食料資源の模索がテーマで、悪食の紹介ではない』としている。当たり前だ。

 ちなみにこの連載では「欧米人はホタルや鳴く虫に無関心ですが、ゴキブリなどへの嫌悪感も希薄」としているが、どうもここ数年で変わってきているのかもしれない。


 どちらにせよ、英大衆紙のデイリー・メイルでこの記事を書いた記者は執筆したことでもたらす影響力や国際情勢に無知で、感情的になって書いたとしか思えない。

 こういった記事の影響で「食糧危機」への解決策が遠のくのだとしたら、それは「報道の自由」では済まされない。それは間接的な「殺人」行為といえるかもしれない。なぜなら「食糧危機」への解決が遠のくということは「飢餓」で亡くなる人が増えるということなのだから。


 こうした、無知な執筆者による記事に負けず、いまは罰ゲームとしてで構わないので「昆虫も食べられる」ということを宣伝していってほしいものである。


 ちなみに、アリストテレスやファーブルなどは昆虫を食べている。というよりセミについて絶賛している。私が初めてセミを食べること(昆虫食)にふれたのは幼稚園時代のファーブル昆虫記である。


 ただ、このようなことを書いた私自身、実は昆虫食はダメなのである。見るのは大丈夫なのだが、食べるとなると勘弁願いたいとおもってしまう。きっかけはハチノコ。以前食べる機会があり食べたのだが(小学生時代)、そのニュルッとした食感に耐えられなかった。以後、どうも昆虫食は拒否してしまう。ただ、イッテQなどで最初は昆虫食に抵抗を示していた人たちが結構平気で食べられるようになっているのを見て、意外と食べられるのかも、と思っているのも正直なところである。

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