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雑食な議論

 ある文章のなかで面白い言葉をしった。

 「雑食政党」

 自民党のことを現している言葉だそうだ。

 色々な会派・派閥があって色々な人々が集っている。


 その文章によれば、総裁選が無投票なのは右派に偏っているとのことだ。

 ただ、よく考えてほしい。

 安保や増税などの他に議論を進めるべきときに与党である政党が内部で内輪もめをしているときなのだろうか。もし、これで総裁選に立候補しようとした某議員が村八分にされるようなことがある、なんらかの処罰を受けるなどということがあればそれは偏っているといえるだろう。今後の内閣改造において何かポストを得たとしたら、それは極めて公正だったといえるだろう。偏っているだなんてとんでもない話だ。むしろ議論を円滑にするために方向性を定めたというだけのことだ。


 大きな石を紐で引っ張って運ぶことを考えてほしい。

 誰もかれも好き勝手な方向に紐を引き始めると動かない。

 ある程度のまとまりをもたなければならない。

 それが偏っているというのならば、私たちは何もできないだろう。


 そもそも、偏った議論とは何だろう。

 それは「結論ありき」の議論ではなかろうか。

 政権批判ありきの論説。それこそがその最たるものといえるだろう。

 これは議論などではない。


 ひとつ例をだそう。

 労働者派遣法改正案のことだ。衆院厚生労働委員会にいたある野党の議員は質疑が始まっても着席をせずに野次を飛ばし続けた。同じ野党は質問時間になっても質問は一切しない。その時間をつかって政権批判の演説を傍聴席にむかってしていた。その間、約一時間。政府は黙って座り続けていなければいけなかった。

 さらに、こんな状態で採決を取ろうとすると、強硬採決だと騒ぎ立て、念入りに計画を立て委員長の入室を物理的に阻止しようとし、結果として委員長は負傷した。混乱回避のために採決は見送られたにも関わらず、ただ暴力による審議阻止だけが残った。


 議論とは「君子豹変す」が原則だ。

 議論により間違ったところを正しながら進めていく。そこには当然ルールがある。少なくとも、対案を出すことや質疑をすることは当たり前であり、相手の意見を理解することも当然である。互いの意見を理解し合いながら時に「変える」ことこそが議論である。


 雑食な議論とは小さな意見でも無視しないこと。大きな意見ばかりが正しいと言わないこと。そして、それが民主主義だ。小さな声を無視しない。原則として全会一致を目指す。


 大きな声ばかりをとりあげる。

 小さな声は無視して存在しなかったこととする。

 都合のいいことだけをとりあげる。

 結論ありきの質疑・演説をする。


 これこそ偏向である。

 なぜ民衆の数がそのまま政治に繋がる直接民主制でないのか考えたことがあるだろうか。民衆がみなそういった方向で動いているのならそれが正しいというのならすなわち、直接民主制をとればいいだけだ。

 理由は単純。それは学生闘争の歴史(日本赤軍事件)が教えてくれる。


 ところで、意見を出し合うブレインストーミングという議論形式でのコツを一つ上げよう。

 「Yes,but法」である。

 相手の意見の肯定から入り、そのあとでその問題点を提起する。


 果たして、今は「議論」と呼ばれるものはどうなっているだろうか。

 常に相手の意見に「No!No!」から入っているのではなかろうか。


 偏向しないためには、まず自らと異なる価値観・意見を尊重することから始まるのではなかろうか。


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