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間違われた自由

自由とは何か。

それは日本語で考えてはいけない。

なぜなら、この言葉は日本でできたものではないからだ。

そして、それが間違いの大元となっている。

ご本家でも間違われているのに、ましてや日本では……


自由という言葉を英語にしてみると二つのものが出てくる。

「Freedom」「Liberty」

ちなみに、自由の女神でいうところの自由とはLibertyである。

どちらも日本語訳では自由となる。


では、この二語はどう違うのか。

Longmanのネット英英辞典を使ってみた。


Freedom

the right to do what you want without being controlled or restricted by anyone

誰かに命じられたり制限されたりすることなく自ら望むことをする権利


一般的にはこのFreedomが『自由』だと思われているだろう。

だが、本当は違うのだ。

それはLibertyを見ればわかる


Libertyの項目は大きく三つの点に分かれている


[freedom]

the freedom and the right to do whatever you want without asking permission or being afraid of authority.

[自由]

自由であり、許可を求めたり権威を恐れることなく自ら望む何事をも行う権利


[legal right]

a particular legal right.

[法定権利]

特定の法定権利


[without permission]

something you do without asking permission, especially which may offend or upset someone else.

[許可なしで]

特に他者を傷つけたり動揺させることについて許可を得ずに何かを行うこと


まず、なぜLibertyが本来の自由であるかという根拠は、項目に明白に法定権利と記されているからだ。

では、詳しく見ていこう。自由とは権利である。が、freedomでは「what=何か」であったにも関わらずLibertyは「whatever=何事も」というより強い表現になっている。つまり、自由とは許可を得ることなく、権力・権勢におびえることなく何事も行うことができる権利ということになる。しかし、ここで注意してほしい。許可なしでという点について、きちんと書かれている。『特に他者を傷つけたり動揺させることについて許可を得ずに何かを行うこと』である。これは権利となっていない。つまり、この権利はないということだ。


つまり、本当の自由とは、

『許可を得ることなく権力や権勢におびえることなく何事をも行う権利をもつが、他者を傷つけたり動揺させることについては許可を得なければならない。』

となる。


さて、報道の規制について報道の自由が叫ばれているが、自由とは法定権利であり違法な場合は、それに応じた罰則を受けるのは当たり前のことである。つまり、報道の自由が有する法定権利を超えた違法な報道を行った場合に「報道の自由」はない。ただの「違法な報道」であり本来は処罰対象であるのが立法国家・立憲主義のあるべき道だ。


と、報道の自由について批判したが、日本では「自由」が侵害された事件が発生している。


まず、民主党政権時代の通称「一色事件」である。

2010年9月7日 尖閣諸島にて中国漁船と取り締まりにあたった保安船の衝突が発生

中国人船長は釈放され、中国は謝罪を要求。野党自民党は映像の公開を求めた

2010年11月1日 6分50秒に編集されたビデオが衆議院予算委員会にて限定公開された

これに対し野党自民党はすべて公開するように迫った

まずここに「知る自由」が存在したが、与党民主党はいろいろな配慮から公開できないと拒否

つまり、公開することによって「他者を傷つけたり動揺させる」ことになるというわけだ

が、ここで事件が発生する

2010年11月4日 計44分のビデオが流出

このビデオは海上保安庁職員ならば誰でも見れたとする供述もある

一色氏は自ら自白、後に退職願を出す

これに対し「退職願を受理せず懲戒免職または懲戒停職にする」とした

自由とは権利であり「国家公務員法守秘義務違反容疑」とは別であり一色氏は書類送検された

最終的にこのビデオは国会法に基づきビデオ提出を要求し受理された

結局、公開による「他者を傷つけたり動揺させる」ことはなかったわけで、「知る自由と権利」の迫害だ


この44分のビデオであるが、映像は海上保安庁内で研修用に作成されたもので、政府が保秘を命じるまでは比較的自由に閲覧できるようになっていたとされる。つまり、ここでも「政府という権力による圧力」が発生している。つまり「自由」の侵害である。


もし「国民の知る自由」さえ守られていれば事件は起こらず流出犯も違法行為に手を染める必要はなかったのである。「自由の侵害」により失われたものを取り戻すために犯罪となると知りながら「自由」の権利を実行する。それはとても難しい。そして犯罪である以上は決して称賛されるべきものではない。ただ、我々の「自由」が侵害されたとき、それを守るために「犯罪者」となった人々がいるということを忘れてはならない。

そして、一番の悪は我々の「知る自由・知る権利」を侵害したものがいるということである。

これを忘れてはならないだろう。


自由とは時に「無法」である。それは誰かを傷つけ誰かを怯えさせ公益にそぐわない場合である。

だが、犯罪であっても、「自由」のために「自由という権利」を行使する人間もいる。

これこそが「本来のあるべき自由」ではないだろうか。


さて、実は沖縄で「無法な自由の行使」による犯罪と「無法な報道の自由」が発生し「自由という権利」を行使した犯罪者がいる。

2015年2月22日 キャンプシュワブで起こった山城博治氏の逮捕である

当初、不法侵入を示す黄色い線に入っていないとして不当逮捕と主張

沖縄タイムスおよび琉球新報も同様に不当逮捕と記事にし、不当逮捕として抗議集会まで起こった

2015年3月3日には国会審議で質問されるまで至っている

2015年3月9日 映像流出

この映像により明らかな不法侵入であることが知れた。これは東日本大震災での救援活動「トモダチ作戦」を立案したロバート・エルドリッジ氏が知人を介してのものであった。同氏は更迭された。

2015年3月15日 沖縄タイムスおよび琉球新報は「米軍からの動画流出」記事を掲載

同じ犯罪者にも関わらず両者への待遇の違いは明らかであり「片方を傷つける」報道の自由の行使は明らかである。ロバート・エルドリッジ氏から映像を受け取った知人も取材から報道の偏向を指摘している。


なお、シャワブゲート前への抗議参加者が録画した映像も存在する。逮捕劇の前(撮影者が参加し休憩をはさみ、その直後の抗議中に逮捕)のもので、不当逮捕という言葉が題名には踊っている。その中には「イエローラインの中に入らないでください」という警告に対し「○○、入っているぞ!」や「逮捕してみろ、じゃあ!」という言葉も聞き取れる。そのほかにも数々の罵詈雑言を聞くことができる。聞くに堪えないとはこのことである。これを自由の権利の行使というのだろうか。

騒動の当初の応答には次のようなものがある。

地の文は放送、指摘のない「」内は山城氏の言葉である。


この違法行為を扇動している平和運動センターの山城博治さん。

「いいかげんだまれ。」

速やかに歩道上に移動するよう指示してください。

「機動隊か」

速やかに歩道上に移動するよう指示してください。

「いうことを聞かなければ座り込みするぞ。ここで座り込みするぞ。」

女性の声「やー。」

繰り返し名護警察署から警告します。

「座り込みもするぞ。」

道路中央で立ち止まっている皆さん。

「みんな立ち上がれ。ゲート封鎖してください。」

道路中央で立ち止まっている皆さん。

「ゲート封鎖するよって。」

皆さんの行為で国道道路一般車両が大変迷惑をうけています。

「はい、だまらなきゃやるぞ。絶対してやるぞ。」

皆さんの行為で一般車両が大変迷惑をうけています。

「徹底してやるぞ。」

速やかに歩道上に移動してください。

速やかに歩道上に移動してください。

「だまらなきゃなるぞ。徹底してやるぞ。座り込みはじめるぞ。」

午前8時16分、名護警察署から警告します。

道路中央で立ち止まっている皆さん。

「警備課。警備課。少しは話を止めろ。」

皆さんの行為は道路交通法違反に該当します。

「言うこと聞かないと次座り込みさせるぞ。何百名と座り込みするぞ、今日。」

道路中央で立ち止まる行為は道路交通法違反に該当します。

「やっていいのか。」

速やかに歩道上に移動してください。

「隊長、座り込みはじめるぞ。」

速やかに歩道上に移動してください。

「封鎖するぞ。」

またこの行為を扇動している平和運動センターの山城博治さん。

「よーし、構えるぞ。みんなこっちほどこい。こっちほどこい」

この違法行為を扇動している平和運動センターの山城博治さん。

「腰を下ろせ。腰下ろせ。腰下ろせ。」

速やかに歩道上に移動するように指導してください。

速やかに歩道上に移動するよう指示してください。

「今日は徹底抗戦だぞ。お前だまらんと何百人並べるぞ。」

女性の声「もう聞き飽きました。」

男性の声「お前のせいだぞ。お前のせい。」

「お前のせいだぞ。」


もはや恐喝の現場の映像といってもいいだろう。

本来、道路交通法違反で逮捕されてもおかしくない状況である。

事実、一度車の誘導に失敗し危険なことがあったのである。


さて、あなたは自由をどう考える?

「自由」を行使するというのはとても難しい。そして、とても勇気がいる。それは蛮勇ではない。

覚悟と、未来への希望を託した決死の行使なのである。

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