第5話 悲しい真実
どうして奈月はあんなに・・・やさしいんだろう
どんなときもあかるくて
母さんが死んだときだって、あいつはオレのことを
やさしく抱きしめて「大丈夫だよ。彼方は独りじゃないよ。」って
はげましてくれた・・・・・
オレは奈月が好きだ・・・
愛よりも深い存在・・・・
だから奈月には、頼られたい・・・
そばにいてほしい、いつまでも・・・・
あいつはオレの唯一の宝物。
彼方は塾をさぼって待っていた。
奈月とは、もう3日も会っていない。オレ・・・さけられてるのかな・・・
彼方は心配でしょうがなかった。
「何か悩みとか・・あるのかなぁ。」
彼方の頭のなかは、奈月のことだけだった。
゛ピンポーン゛
チャイムが鳴った。
「はい。」
彼方がドアを開けると久しぶりの父、慎一がいた。
「久しぶり。父さん。」
「彼方、元気だった・・・・でもないか・・・。」
彼方の顔が元気ではないことをものがたっている。
2人はテーブルに座った。
「このごろ奈月がおかしいんだ。」
彼方は頭をかかえる。
慎一は反応する。
「そうか・・・奈月が・・・」
「で、今日はどうした?」
「実は・・・・奈月が3日前に病院にきたらしい。」
慎一は暗い口調だ。
「え??奈月、まだ風邪治ってないの??」
「風邪じゃない・・・」
慎一は下を向いてしまった。
「・・・え?」
「奈月・・・病気なんだよ・・・」
「えぇ??」
彼方は思わず立ち上がった。
「早く治してやってよ!!!」
「それが・・・治らないんだ。」
「・・・それどうゆう意味だよ・・」
彼方は顔が青ざめている。
「奈月・・・あと2年もって3年しか・・・・3年しか・・・」
慎一が泣いてるは、彼方もわかった。
「う、うそだろ?」
慎一は、カルテをみせた。
彼方は言葉を失った。今にも泣きそうな目をしている。
「お前は・・・私と同じことがおきようとしているなぁ。」
「・・・え?」
彼方は顔を上げた。
「お前の母さんも奈月と同じ病気だったんだよ。お前は、雪にいつもべったりだったな。
じつは、雪はお前が生まれる前からわかっていたんだよ・・・。」
「慎一??おーい慎一!!」
と雪が起こす。
当時16才の慎一と雪。2人は仲の良い幼なじみだった。
「・・・ん?」
目を覚ますと目の前に雪がいた。
「わぁ!!!びっくりしたぁ!!」
「ははは♪慎一は朝に弱いんだよね!」
微笑む雪。
この頃からずっと雪のことが気になってしょうがない。
「今日も2人そろって遅刻だね♪」
こんな幸せな毎日が送れるとおもっていた・・・ずっと・・・
でも、そんな幸せな毎日が崩れてきたのはあの日だった。
最近、雪が元気がなく朝も起こしに来てくれなくなった。
「雪、いますか?」
雪の家にいっても
「あら、雪ったら慎一くんと行ったんじゃなかったかしら?」
雪は僕を避け始めた。
でも、その理由を父親から聞いた。僕の父親は仙崎病院の院長だった。
「実は、雪ちゃん・・・・あと4年しか生きられない。」
衝撃的な言葉だった。
僕は雪本人に聞きたくて、夜中の11時に呼び出した。
「雪・・・・あと4年しか生きれないって・・・本当?」
信じたくなかった。
雪は驚いた顔をして、泣いてしまった。
「・・・ごめんなさい。でも、慎一には知られたくなかった。心配して、前のように接してくれないと思ったから・・・」
僕は雪に気持ちを伝えた。
「雪、すごく愛してる。だから、ずっとそばにいてほしい。」
僕は一生、雪を守っていくって決めた。
そのとき2人できめたんだよ・・・最高の思い出を作るって。
慎一は、過去を話した。
「でも、おれ・・・信じられない。」
彼方は、家を飛び出していった。
彼方は携帯を出した。
「・・・・あ、もしもし??奈月??」
いきなりの電話に驚いている奈月。
「彼方?何・・・?」
「今すぐ海岸公園に来てほしい!!!」
彼方は息が荒くなっていた。
「え・・・?」
「今すぐにだぞ!!」
彼方は携帯を切った。
オレは、奈月本人から聞かなきゃ絶対に
信じてやるか・・・・・
私、知らなかった・・・
もう、あの時から知られてたんだね。
だって、恐かったんだもん・・・
・・・彼方から離れていくようで・・・・
すごくやばい展開になってきました!!!
彼方はたぶん奈月に頼られたかったんですよね。
でも、彼方に言えない奈月の気持ちもわかるとは思いますが・・・・
私は、まだ2人のような青春を送ってはいませんが・・・
こうゆう恋を高校生にはやっておきたいなぁと思っています。