第3話 奈月の過去
僕は奈月が大好きだ
いつも僕のそばにいて笑ってくれる
でも、奈月が不安そうな顔をするとすごく心配になる
それに隠し事も多い・・・
不安な顔を僕がすると奈月はなぜか歌を歌ってくれる
その歌は愛がかんじる・・・
奈月は海岸公園で1人で待っていた。
(怖いよ・・・彼方、早く来て。でも、来ないかも・・・)
すると足音が聞こえた。
「・・・奈月?」
彼方が歩みよってきた。
「あぁやっぱり奈月だ!どうした!?」
奈月は思わず、彼方に抱きついた。
「わっ!!」
彼方は顔が赤くなった。でも、すぐにわかった。奈月は、震えてた。
「どうした?」
とやさしい声できいた。
「彼方に逢いたかった。」
彼方はやさしく抱きしめた。
(すごく温かい・・・彼方の腕は落ち着く。)
「私、すごくさみしいよ。独りにしないで!」
(私ってバカじゃん・・・彼方にこんなに迷惑かけてその上、困らせて・・・)
「ほんとにどうした?なにかあったんなら言えよ。俺達、いつも一緒だろ?」
そのときの私の支えは、やさしい彼方だった。
゛俺達はいつも一緒だろ゛
その言葉だけ頭から離れない。
それって・・・・これからもだよね。私わかんない・・・彼方のこと好きなの?・・・それともただの幼なじみ?
すると、奈月はまた激しい頭痛がした。
「奈月・・・?」
彼方は奈月を見ると苦しそうに見える。
「奈月!!!」
奈月は、幼い頃の夢を見ていた。
当時4歳の奈月。
「おとうさ〜ん!!!」
奈月は父、竜之介に抱きつく。
「どうした?奈月。」
「あのね、聞きたいことがあるの。」
「うん。なんだい?」
「どうして、お父さんはリラさんの事好きになったの??」
「え??」
竜之介は顔が赤くなっている。
「知りた〜い!!」
リラさんとは、名前はカタカナだがれっきとした日本人だ。奈月にとっては母親だが、リラはあまり家に帰ってきたことはない。
リラは、今注目のトップアイドルの「RIRA」なのです。
「お父さんとリラは生徒と先生という関係だった。当時はあまりリラのことは眼中にはなかったんだけど、いつのまにか
リラに夢中で、リラに告白された時すごくうれしかった。そのときわかったんだよ。」
「何が?」
奈月は真剣にきいている。
「愛しいと思える人は一生に一度なんだよ。でもその人は近すぎてわからないときもあるんだよ・・・もし、それがわからないときは
最後に逢いたいひとを思い浮かんだらその人が運命の人なんだなぁ。」
お父さんは世界一幸せそうな笑顔をした。
これがおとうさんの最後に笑った顔だった。
そういえば、この後だっけ・・・おとうさんが死んだのは・・・
「おとうさん・・・リラさんなんで来ないの???」
奈月は泣きじゃくる。
「リラをゆしてあげなきゃ・・・」
と一生懸命に弱った体を動かす。
「なんで?リラさんは愛してる人のこと見捨てるの??」
「しょうがないよ・・・」
とやさしい父。
「なんで?なんでなの?リラさんはお父さんのこと好きじゃないの?」
「奈月・・・?お父さんはいつまでも奈月のことが好きだよ。」
すると、竜之介は横たわる。
「お父さんも・・・最後にリラをみたかった・・・」
おとうさんは死んでしまった。
あの頃のことはあまり思い出したくなかった。
あれ以来、リラさんのことが嫌いになった。
あのとき、リラさんが来なかったから嫌いになったんじゃない
あの時、おとうさんのこと愛してないことがわかったことに
怒ってるんだ・・・・
どうですか?奈月の過去は複雑ですね・・・。
本当はあまり詳しくは書かないほうがいいとおもったんですけど詳しく書いてほしいという意見があったので
書きました。