悲しいメロディと心
悲しいメロディと一緒に、私の心も壊してしまいましょう。
そうすれば、私は、全てのことから解放される。
きっと、そうでしょう?
心があるから皆、悲しくて、つらくて、苦しくて…。
だから、心を壊してしまいましょう。
そして、私は眠りにつく。
いつか、私を見つけてくれるあなたが、私にあえる日まで。
「さよなら」
何百年か前にも、私は誰かに捨てられた。
今も、そう。
また、誰かに捨てられた。
…私は、一体何なのだろう。
どうして、私は…。
私には心がない。
人のように笑って、泣いて、喜ぶけれど、そこに感情と呼べるものはない。
何が楽しくて、何が悲しくて、どんな想いなのか、解らない。
私はずっと道化を演じるただの器です。
心をもたない。
表情は表だけです。言葉どうり、表だけの情です。
裏には憎しみすらありません。
私は人ではない。人の形を、人の姿をもった化け物です。
私にいくら優しくしようと、いくら想ってくれても、私にはさっぱり分からないのです。
このことを知った時、私を思ってくれていた人は、何を思うでしょう?
憎い?悲しい?…うれしい?
それでも、私はやはり何も感じないでしょう。心をもたない人形は
ただーーー
…ただ、生きた屍となるーーー…