玩具
掲載日:2025/12/26
ある瞬間、音が鳴った。部屋の隅をふと見たら、私が小学生の頃だろうか…。よく手に取って遊んでいたであろう玩具が床に転がっていた。距離は約2メートル。重い腰を上げ歩くのは面倒だ。高校の課題に追われている私は、体を元の体制に直し、問題集を凝視し始める途中で、そんなことは忘れてしまった。「お兄ちゃーん?ご飯よー?」一階から母の声が聞こえた。今日の夕食は何だろう。なれた手つきでドアノブをねじる。はじめて来た友人だったら足を踏み外すであろう速度で階段を下る。でも、それは私にだって起こりうる事だ。それが現実になっただけのことだった。あまりに勢いがあった私は、どんな超能力を使ったのかも分からない。同心円状の弧を描き、階段に設けられた窓ガラスを頭から突き破った。
ある瞬間、音が鳴った。2階から向かいの家をふと見たら、俺が小学生の頃だろうか…。よく遊びに行った友人の家の窓ガラスが割れていた。思えばクラスが離れ離れになってから、一切連絡を取っていない。喧嘩したわけでもないし、結構仲は良かったと思う。何故だろう。あいつは今何をしているんだろうか。『久しぶり!今度さ…』体を元の体制に直し、画面をフリックし始める。




