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江戸一の博識者

 信次郎は七三吉の屋敷に戻ると、七三吉に事の次第を告げた。すると伝えるや否や文を渡された。その差出人はまたしても、時空支配人であった。文にはこう書かれていた。


 「見事な行動力だ。おめでとう。第1の関門はクリアした。残る関門は2つである。これからも君は試されている事を忘れてはいけないよ?あと2つの関門をクリアしたら解放してあげよう。てはまた会おう。」from時空支配人


 信次郎はその紙をくしゃくしゃにした。

 「人の人生もて遊びやがって。何様なんだ。」

 

 その想いと共にこれから一体どうすれば良いのか分からなかった。そんな信次郎に七三吉はこう言ってくれた。

 「家で良けりゃいつまで居たって構わないぜ?」

 と、言ってくれたのは救いであった。信次郎はいつまでいるか分からないまま、とりあえず七三吉の屋敷で過ごさせて貰う事になった。


 その日からずっと信次郎は七三吉の屋敷で、現状分かっている事を紙に紙に書き出して現状把握に努めていた。改めて書き出してみると、思っていたほど分かっている事は少なかった。ミッションの意図も分からなかったし、ましてや時空支配人の正体すら皆目見当もつかなかった。


 そうした日々を過ごして行く内に何か浮かび上がる事実もあるかもしれない。そう思い信次郎はひたすら関連性を見つけようと紙を何枚も使い書き続けた。


 それから3日程たった頃であっただろうか。信次郎は七三吉の元へ駆け寄る。

 「七三吉さん!私への文は誰が届けてくれていましたか?」

 「誰って、ただ普通の飛脚がほいってな感じだよ。まさかそこから調べは掴めないだろう?」

 「そうですよね…。」

 

 信次郎の目付けは悪く無かった。現代のような精密的な郵便システムが確立されていれば…の話である。時空支配人もその辺りの事は抜かり無い。

 「信次郎様?もし出口が見えないなら、一人問題を解決してくれるかも知れない人物に心辺りがあります。その方の元へ向かって見ては如何でしょう?」

 「ありがとうございます。」


 信次郎にとっては藁にもすがりたい様な気分になっていた所であり、チャンスの芽はきちんと摘んでおきたかった。出口の見えない信次郎は、江戸一の博識を持つ事で有名な江沢龍三(えざわりゅうぞう)博士の元を訪ねる事になった。

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