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over end over

 一方のA班の方は、作業の進捗状況は思わしくなっていなかった。ミッション②の方は血縁を辿ると言う情報があったから上手く行った。


 しかし、ミッション①については名前以外に情報は全く無い。A班はひたすら相野姓を持つ人の所へ手当たり次第に探すしか方法が無かった。


 勿論、信次郎も何もしていない訳ではなく、情報の整理を七三吉の屋敷で行っていた。とにかく時空支配人の言う期日まで10日あまりと言う事で、力が入るものになっていた。


 しかし、想いは空回りして、これだと言う手がかりすら掴めない状態になっていた。


 これはあくまで推測の話であるが、信次郎は「相野光」と言う名前から直感で、女性だと思っていた。光と言う男子もいなくはないが、確証も無いのに何故か相野光は女性だと断定していた。結局それが決め手となり本人に行き当たる事になるのであるが、それはまだもう少し先の事であった。


 タイムリミットを守ると言う事がこのミッションの第3条件になっている以上、そこはデッドラインだ。ゲームオーバーしてしまったら、これまでの努力は水泡に帰す。それだけは何としてでも避ける必要があった。


 信次郎としては、この時代にずっといる事で己の未来が変わってしまう事は避けたかった。信次郎は時の流れに逆行して世界が変わってしまう事も心配していた。


 この物語において、その時の流れに想いをはせる事は、大変に重要な意味を後々持つ事になる。


 タイムリミット12日前の事であった。夜遅くまでかき集められた資料を見て考え事をしていた所に七三吉の配下の頭領(リーダー)である石ノ沢中宇右衛門(いしのざわちゅううえもん)が信次郎の元へやって来た。


 「夜遅くまで精が出ますな。しかし無理はたたりますよ?」

 「何て事はない。俺はこの時代にいるべき者ではない。時の流れに逆らう異物とでも言える。」

 「時の流れでございますか?あっしにゃ、よく分かりませんが。」

 「気にするな。君達は与えられている事だけしていれば良い。」

 「しかしながら、未来とやらに行けるのなら、あっしも行ってみたいです。」

 「残念だがこの時代の文明の力では無理だ。」

 「そうですか。また何か掴んだら逐一報告をします。」

 「うむ。そうしてもらえると非常に助かる。」

 

 信次郎はとにかくミッションをクリアする事しか頭に無かった。

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