四話
「おいおいマイフレンド。いつのまに君はそんなリアリアした感じで充実した日々を送るピーポーになったんだい?」
「とりあえずその喋り方うざさが極まれりだからやめてくれ」
雅と郡山の戦争の解決策を模索した結果、女心のエキスパートこと青葉清にたどり着いた。
「して青葉よ。我が家のリビングで火花をまき散らしている思春期真っただ中の二人を静める方法を、俺に伝授してはくれないか?」
「俺に何を期待しているのか知らんが、伝授なんてしてくれないぞ?」
「……頼む。そろそろ俺の家は燃え尽きてしまいそうなんだ」
「と言われてもな。いくらポンポン彼女を作っている俺でも、女心なんて理解しているわけじゃないからな」
「じゃあ、どうやってあまたのJKを虜にしてきたんだ?」
少なくとも、女性が男のどういうところに惚れるのか、それを理解していなければ不可能な芸当ではなかろうか。
「俺は自分には正直に生きたいんだよ」
「つまり、ホテルに誘い込んだだけと?」
「お前は俺を何だと思ってるんだ」
「性欲の塊」
というか、毎週彼女をとっかえひっかえしている男が、なぜそう思われないのか、その理由こそを俺は知りたい。
「残念ながら、そのスピードでホテルにインできるのは向こうも初めからそのつもりでいた場合だけだ」
「なんと。そんな痴女がこの世には存在するというのか」
「ここだけの話だが、相当数存在している」
男子諸君には朗報なのではないだろうか。俺には妹がいるから無関係な話だけれども。
「さて、そろそろ本題に入ろうか」
先ほどから、夏の太陽に頭をやられたとしか思えない発言を繰り返していた青葉だったが、それは別としてちゃんと俺の相談にも乗ってくれるようだった。
「まず日山。お前、何で春野と郡山さんが喧嘩しているんだと思う?」
真っ先に考えた項目だが、俺一人では答えは出なかった。なので俺は今、青葉にたよっているのだ。
俺の様子を察してか、電話先でも聞こえるような大きなため息をつき、青葉は続ける。
「春野はお前に対して、どんな感情を抱いている?」
「あれから変わっていないのだとしたら、「好き」とかだろうな」
それに、つい昨日も、俺のことを「好きな人」と呼んでいた。なので、これはまず間違いないだろう。
「じゃあ、郡山さんは?」
問題はこちらだ。郡山光という少女は、常に俺にうざがらみをしてくる。しかしそれは、俺への好意から来るものなのではないか。俺はそう考えていた。実際、俺以外の男子の前ではあんな行動はとらないし、少なからず俺を「特別」だと感じてくれているのは間違いないだろう。
その旨を青葉に伝えると、
「その二人が争う理由って、一体なんだと思う?」




