九話
「という訳で先輩、王様ゲームをしましょう」
「まずどういう訳かを説明してからその語を使え」
実はすでに割りばしは用意してある。勿論、細工済みの。
「青春研究部という名に恥じぬよう、そろそろちゃんと活動するできだと思うんです」
「で、何を企んでるんだ?」
「王様ゲームって、王様の命令は絶対じゃないですか」
先輩はうなづいて相づちを打つ。何を言っているのかわからないという顔で。
「だから、これを使って氷堂先輩に告らせようかなって」
嘘だ。私の思惑は別の所にある。
「ちなみに、この割り箸だけこうなっていて……」
先に先輩に細工した箇所を教えておく事によって、私ばかりが王様になって怪しまれるという事は無いようにしておく。嘘をつくにしてもずるをするにしても、ばれないようにやらなければ意味がない。
先輩への説明を終えたところで、タイミングを見計らったように春野先輩が部室に入ってくる。少し遅れて、氷堂先輩も。
「皆さん、今日は王様ゲームをしましょう」
五分程経ったあと、私はそう切り出した。割りばしを机の上にだしながら。
「いいね、面白そうだ」
まず、先輩が賛同してくれた。事前の説明のおかげだろう。
「ほかに何もすることないし、しようか」
氷堂先輩は、純粋な興味からの参加表明だろう。
「みんながするなら」
最後に、春野先輩が手を挙げた。全員参加だ。素晴らしい。
「ルールは簡単に、王様の命令は絶対、ただし校則や法律に触れるような事は禁止でいいですよね?」
誰からもなんの言葉も出てこない。つまり承諾だ。
「じゃあ、一回戦スタートです!!」




