八話
瞳をぎらつかせて、未来は見透かしたような眼を向けてくる。
「近況報告って、なんの?」
はぐらかしてはみたものの、この行動は無駄に終わるだろう。これだけで私は未来が何を思って言っているのか、理解しているのだ。私と未来はもう何年も一緒に過ごした仲。幼馴染というほどではないけれど、お互いのことをちゃんとわかりあっている関係と言える。つまり、未来も私の心を見透かしているのだ。
「最近、なんかあやしーよね?高校に入ってからもそうだけど、特に六月に入ってから」
あざ笑うように、未来は私の体を嘗め回すように見た。背中に悪寒が走る。
「ほらほら、女の子らしく恋バナしようよ」
未来に先輩の事を狙っている事は話していない。やはり、もうバレているのだ。
「じゃないと、私が先輩とっちゃうよ?」
「取れるもんなら取ってみやがれ」
それだけは絶対に無理だと断言しよう。そういえば、以前一度会っただけで未来は知らないのか。先輩が、極度のシスコンであることを。
「恋バナって程じゃないんだけどね……」
私は話始めた。長くて短い、数カ月間のストーリーを。
三十分ほどして、話終わる。ずっと喋りっぱなしだったので、のどが渇いた。ジンジャーエールを淹れに行こう。
贅沢に二杯分のジンジャーエールを飲み干し、未来の感想を待った。
「うん、面白かった」
満足そうな顔で、未来はうんうんうなづいている。
「光も大変だねぇ」
「まあ、女の子だから」
未来も女の子なのだから、性別はあまり関係ないのかもしれないが、乙女と変態の間には明確な差がありそうだ。
「でも、私としては、賛同できないし応援もできないし、やめた方が良いんじゃない?って感じなんだよね」
それが普通だと思うので、その言葉に返す言葉は見つからなった。
だって、私がやろうとしていることは、きっと無駄に終わるから。




