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十一話

「というのが、(みやび)側の意見だった」

『なるほど、少し気になるところもありますが、情報収集お疲れさまでした』


 夏花(なつか)冬乃(ふゆの)と一緒にほぼ日課になっている三人でのお風呂(夏花が疲れて眠ってしまったときなどは冬乃と二人だ)を終えた後、俺は郡山(こおりやま)と電話で話していた。雅との話を共有するためだ。ほとんど意味の無い行為なのだが、それでもここまで一緒に行動してきた以上、報告しないのは卑怯に思えた。


「どこが気になるんだ?」


 本来、こういうセリフには突っ込まないのが普通なのだろうが、高校二年生が中学三年生の妹二人と一緒にお風呂に入っている図を想像していただきたい。圧倒的に普通じゃない。なので、今後俺に普通を求めないでほしい。


『それは乙女の秘密というものですね。少なくとも、気づいたからと言って私が口にしていいことじゃありませんし』


 逆の立場でもし言われたとしたら、私だったら怒りますね、と妙に感情をこめて郡山は言う。


「秘密とか言われると、ますます聞きたくなるよな」


 別に無理に聞こうという訳ではないが……。そもそも、この雰囲気じゃ絶対教えてくれないだろうし。


『そんなこと言われても、春野(はるの)先輩次第では墓場まで持っていくべく内容ですしね』


 先ほどから、わざと気になるように言葉を紡いでるなこいつ……。だったら、ここは話題を変えてこれ以上俺の知識欲を指摘されないようにしよう。


「そういえば、お前いつうちに来るんだ?」


 俺は一度した約束は守る男なのだ。できる範囲で。


『え?プロポーズですか?』

「よし、この話はなかったことにしよう」

『冗談ですって』


 面倒だし俺は本気で言ったのだが。


『じゃあ、六月に入ってすぐくらいにでも』

「了解」


 お互いに、お休みと交わして、この日の通話は終了した。

 それにしても、先輩の気持ちと雅の気持ちの歯車を、どうかみ合わせようかな……。


「明日、あいつに聞いてみるか」


 俺には、こういう時に頼れる強い味方がいるのだ。

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