表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/86

五話

 部室での勉強会は、真面目に静かな勉強だった。

 しかし、打って変わって我が家での勉強会はみんなでわいわいと喋りながらのものだった。俺が誘導したのだ。二人の親睦を深めるために。

 何か進展があったかといえば、なにもなかったのだが、それでも二人は徐々に仲良くなっていっている気がする。このままうまくいってほしいものだが。


「「ただいまー」」


 午後五時。そろそろお開きにしようかというところで、玄関から二つの声が聞こえた。一つは明るく元気いっぱいの声。夏花(なつか)のものだ。もう一つは落ち着いていて、か細く、守ってあげたくなる声。冬乃(ふゆの)だ。


「おかえり、早かったな」


 カバンを宙に放り投げ、早速抱きついてくる二人の頭を撫でていると、隣で引いている人間の姿が目に入った。


「先輩がシスコンなのは知ってましたけど、流石に引きます」

「夏花と冬乃が可愛すぎるのが悪い」


 俺の言葉に、二人は「えへへ」と可愛く笑った。

 氷堂(ひょうどう)先輩は以前に会っているのだが、郡山は妹たちと初対面なので、郡山(こおりやま)には夏花と冬乃を、夏花たちには郡山を紹介した。


「お前らもテスト近いだろ。一緒に勉強するか」


 キャッチしてくれた(みやび)から二人のカバンを受け取り、勝手に教科書を取り出した。

 夏花の筆箱は、明るい色の派手めなもので、冬乃はシンプルな白色のものを使っているので、この辺りに性格が出ているなと感じる。


「冬乃はともかく、うちの高校受けるなら夏花はもう少し成績あげないとな」


 かくいう俺は、入試当日に電車の中で参考書を読んだほか、中学校で勉強などしていないのだが……それでも学年で平均は取れていたし、夏花の成績が厳しいのは本当なのでここは棚にあげさせてもらおう。


「よかったら、私が教えますよー。この中じゃ、一番最近の入試に詳しいんでね」


 今年の2月に入試を受けて、4月には晴れて入学してきた郡山だ。俺よりも近しい年の出題形式がしれるので、ここは甘えさせてもらおう。


「よろしくお願いします!!」


 元気のいい夏花の相手が、果たしてどこまで務まるのか、性格の悪い俺は見守っておくとしよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ