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十三話

 一時間並んでも空いている方だという謎の恐竜型アトラクション、それも体を横にして空をぐるぐる回るジェットコースターに乗せられ、その次は後ろ向きのめちゃくちゃ高く昇ってそこから一気に下るものすごく怖いアトラクション、そしてそれを普通に前から乗るものも乗らされ、すでに時刻は昼過ぎだ。三つしか乗ってないのに、なぜこんなにも時間がかかっているのだろう……。これは世界の五大バグの一つに、新規登録してもいいかもしれない。


「二人ともランチ食べに行ったみたいなんで、私たちも行きましょうか」

「こういうところは無駄に高いし味もそこまでおいしくないから苦手なんだよな……」

「まあ雰囲気を楽しむようなものですし、そこに文句言っちゃいけませんよ」


 俺のような守銭奴は金のことばかり気になって雰囲気を楽しめないからそんなものどうでもいい。というか雰囲気を楽しむってなんだ。しょせんは空気だろ。空気は楽しいのか。俺のような学校ではほぼボッチの人間には理解できんな。空気は壊すものだと常々思っているから。


「一応、レストランとかもありますけど、出店だけでも結構いろんな種類あってたのしめるんですよね」

「どこに行くかはお前に任せる」


 昼食をとるのに、同じ店に入るのは尾行している身としてはかなり危険である。狭い空間を自由に動けるので、見つかるリスクは相当高い。二人とも仮病で休んでいるので、気づかれたら言い訳が聞かないから。


「じゃあ、まずはあそこで売ってるホットドッグを食べましょうか」


 値段を見ると700円。昼食にしてはまあまあな値段である。それに、「まずは」と言っていることからおそらく他にも何か食べる気でいるのだろう。財布の中にはみんな大好き諭吉さんを忍ばせてあるが、果たしてそれがどこまで減るのか、気が気でない。


「ほら先輩、早く行きますよ!!」


 ため息を一つつく。まったく、うるさい奴だ。まあ、たまにはこんな風に遊ぶのも、いいかもな。

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